今後ZRXというモデルに乗り続ける参考になる手法

足まわりや吸排気系の変更、ビキニカウルのフレームマウント化など、純正のスタイリングやカラーを生かしながらひと通りの手が入っていることが分かる車両。ベースはと聞けばZRX1100。1997年に初代が登場しているから、それから既に約25年の時間が経過している。

だが、そんな時間経過を感じさせないほどにどの部分もきれいだ。手を入れたトレーディングガレージ ナカガワでは、この車両のパッケージングが今後ZRXに乗り続けていくための参考になるという。

「この車両は“今後10年乗りたいから”と、今回新たにエンジンに手を入れました。入庫前も状態は良好でまだまだ走れる状態でしたが、より良くしたい、安心感も高めたいと。それでピストンやシフトドラム、ノーマルの5速から6速に変更したミッション。さらにカムホルダーにオイルポンプと、ほぼすべてのエンジン内部パーツに当社のR-Shot#M処理を施しました」

画像1: 今後ZRXというモデルに乗り続ける参考になる手法

TGナカガワ・中川さんの言うR-Shotはこれまでにもたびたび紹介してきたが、改めて紹介しておこう。対象となるパーツに微細な処理用粒子(メディア)を媒体とともにショット=打ち付けることで、対象物の表面硬度を高め、同時に表面が滑らかになる。被処理パーツの寿命が延ばせる処理だ。

そのうち、R-Shot#Mは媒体にモリブデンを混入することで対象物の潤滑性と耐摩耗性をより高めるバリエーションだ。エンジンパーツの場合はフリクション低減効果も大きい。また寸法維持性も高いから、例えば使用途中のピストンでも、測定してまだ使える数値が得られるなら、新品を組んだのと同様に継続使用できる。バルブやクランクメタル、シフトガイドなどと、幅広い部分に施せる。クランクシャフトやカムシャフトについてはジャーナル=軸部分をラッピング処理してR-Shot#M処理部分と組み合わせることで、スムーズさも確実に担保できる。

画像2: 今後ZRXというモデルに乗り続ける参考になる手法

この処理で今後の耐久性やライフが高まるのだが、それは純正パーツの今後を考えてという要素もある。既にミッションまわりで出ないパーツがあり、クランクやコンロッドもZRX1100用純正は出ない。今あるパーツを使っていこうとした時の不安を極力減らしたい。当該パーツだけでなく、周辺パーツにも処理をしておけば負荷が減り、トータルで長く使える。それが「今後10年乗る」の意味だった。

エンジンはこのように先を見据え、車体まわりはリヤまわりの補強やホイール変更でキビキビ感も高め、ZRX1100純正のシャープな印象もそのままに、向上した出力やその特性に応える。各部ベアリングやシール、水まわりといったZRXでの弱点にもきっちりとメンテナンスを施し、20年超えと思えないほどきれいに仕立てられるこの状態は、確かに今後10年経っても変わらないでいるかもしれない。

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メーターや28mmオフセットのステアリングステム、ビキニカウルはZRX1100の純正で、ドクタースダ製マウントを使ってフレームマウントカウル化している。ハンドルバーおよびライザーは変更し、ヨシムラ・プログレスメーターを追加。左右マスターシリンダーはブレンボRCSだ。

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シートはTo'sカスタム製スプリームシート。フレームはリヤショックアッパーマウント部の左右をつなぐバー補強を施し、しっかり感を増している。

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エンジンはワイセコφ78mm鍛造ピストンによる[STD:1052→]1108cc仕様で、今回そのピストンやスリーブにミッション、カムホルダーにオイルポンプと、ほぼすべての内部パーツにR-Shot#M処理を行って延命化や低抵抗化等を図る。合わせてヘッドカバーやパルサーカバーには結晶塗装を施し、ラジエーター/オイルクーラーを大型化。サビなどが溜まりやすい冷却ラインも一新した。

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キャブレターはヨシムラFCR-MJNのデュアルスタックファンネル仕様。メインボアには異物混入を防ぐTGナカガワ製メッシュプロテクターも備える。

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フロントフォークはφ43mmのZRX1100純正で内部セッティング。ボトムケーストップにチタン製インナーチューブプロテクターも追加されている。フロントブレーキはブレンボ・アキシャル P4 34キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせだ。

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リヤブレーキはブレンボP2 32・対向2ピストンキャリパーをアクティブ製キャリパーサポートでマウントしサンスター・プレミアレーシングディスクと組み合わせる。ステップはミクニレーシングデベロップメント(現アグラス)製アルミビレット品をチョイス。

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スイングアームは純正のD字断面アルミ材トラスで、上下パイプの中間を角パイプ、エンド(エキセントリックアジャスターの前側)をプレートでそれぞれ接続。また前側上下(複数箇所)も角パイプでつないで補強している。リヤショックはオーリンズ・グランドツイン。3.50-17/[5.00→]5.50-17サイズのホイールはアルミ鍛造5本スポークのゲイルスピードType-Cを履いている。

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マフラーはノジマSC(スパイラルコレクター)の4-1フルチタン。サイレンサーエンブレムはノジマ×T.G.NAKAGAWAダブルネーム仕様だ。

取材協力:トレーディングガレージ ナカガワ

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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