文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年9月24日に公開されたものを転載しています。
DAY2は6位フィニッシュで、見事有終の美を飾りました!
アルプスの山頂に雪がきらめいていたことが示すとおり、イタリアのポンテ・ディ・レーニョで行われた最終戦は、今シーズンで最も気温が低い大会になりました。さらに一晩中降り続いた雨は、土曜日のコースコンディションをさらに難しいものにするという、ライダー泣かせの過酷さでした。
そんなDAY1、エレクトリックモーションのエースであるG.シャタヌは、12セクション・2ラップで最大減点5を15も記録する低迷ぶり。25位という成績は今年2度目のノーポイントで、このままでは前戦まで守ったランキング10位以内から陥落するおそれも・・・と不安視されました。
しかし、日曜日のDAY2はセクションのハザード部が若干され、夜間の雨が少なく、かつ気温も高めとなったことが助けになったのか、多くのライダーが前日より良い成績を残す結果となりました。G.シャタヌも挽回に成功したライダーのひとりで、減点5はわずか2つ、減点0のクリーンも11記録することで、6位という好成績を残しました。
この結果により、貴重な10ポイントを獲得したG.シャタヌはトータルで55ポイントを積み重ね、最高峰トライアルGPを目指す優秀な若手ライダーがしのぎを削る激戦区トライアル2の、年間10位の座を死守することに成功しました。
長年の技術の蓄積と実績を持つ、ICE搭載車ユーザーの強力なライバルたちを相手に、エレクトリックモーションとG.シャタヌは怯むことなく1シーズンを戦い抜き、電動車の歴史に新たな1ページを書き加えたことになります。来年度の参戦計画は明らかにされていませんが、彼らの挑戦が続くことを期待したいです!
なお同大会では、トライアル2ウィメンにマーゴ・ペナがエレクトリックモーションに乗り参戦。DAY1は14位、DAYは11位と検討し、合計7ポイントを獲得。年2戦の前戦ドイツで稼いだ合計4ポイントと合わせて11ポイントとし、年間14位という記録を残しました。
そしてトライアル デ ナシオン、初の電動車による参戦を実現!
今シーズンのトライアルGP全6戦が終了し、斯界の最後の行事となるのが国別対抗戦である「トライアル デ ナシオン」です。今年度はイタリア・モンザで9月23〜25日の日程で開催されますが、最強国スペインを相手に各国代表がどのような戦いを魅せるか、が近年の構図になっています。
昨年度にスペインに次ぐ2位だったフランスは、トライアルGPクラスを戦うブノワ・ビンカス(ガスガス)のみが今年も継続して参加。新たにトライアル2ランキング8位となったユーゴ・ダフレス(ヴァーディゴ)と、G.シャタヌの両名がメンバーとして加わることになりました。
成績も気になるものの、エレクトリックモーションのEピュア レースとG.シャタヌは、映えあるトライアル デ ナシオンに初めて参戦した電動車と、それを駆るライダーになるわけです。電動車の新たな歴史の1ページをさらに付け加えるとともに、華々しい「注意書き」をそこにそえる結果を彼らが残すことを期待しましょう。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)