2022年から、電動車とICE(内燃機関)搭載車が「ガチ勝負」することになったトライアルGPことFIMトライアル世界選手権ですが、8月末に開催される第5戦のトライアル2クラスに、ヤマハ ファクトリー レーシング チームの黒山健一選手が参戦することが決まりました! マシンはもちろん? ヤマハが誇る最新の電動トライアルマシン、「TY-E2.0」です!
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年8月19日に公開されたものを一部編集し、転載しています。

満を持して、再びヨーロッパの戦いの舞台へ!

サマーブレイクをはさみ、8月20〜21日のベルギーGPより戦いが再開したトライアルGPですが、次の第5戦・・・カオールが舞台となるフランスGPのトライアル2クラスに、ヤマハTY-E2.0の開発に貢献する黒山健一選手が参戦することになりました!

画像: ヤマハTY-E 2.0と黒山健一選手。全日本トライアル選手権の最高峰クラス(国際A級および国際A級スーパークラス)を11回制覇し、FIMトライアル世界選手権で日本人初優勝を達成(1997年)したベテラン名手です。 global.yamaha-motor.com

ヤマハTY-E 2.0と黒山健一選手。全日本トライアル選手権の最高峰クラス(国際A級および国際A級スーパークラス)を11回制覇し、FIMトライアル世界選手権で日本人初優勝を達成(1997年)したベテラン名手です。

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今シーズンより、トライアルGPは電動車がICE搭載車とガチ勝負するようになりましたが、昨年度までは電動車のみのトライアルE ワールドカップが開催されていました。2018年、黒山選手はヤマハTY-Eで同シーズンのトライアルEの2戦(フランスおよびベルギーGP併催)に参戦。見事初戦のフランスで、TY-Eをデビューウィンに導きました。

残念ながら続くベルギーでは2位に甘んじ、ルールでその年のトライアルE ランキング2位にとどまることになりましたが、黒山選手の腕とヤマハTY-Eの走りっぷりは、世界のトライアルファンから大注目を集めることになりました。

2019年シーズンも黒山選手とヤマハ ファクトリー レーシング チームは、TY-EでトライアルEに参戦(全2戦)。オランダ、ベルギーの両大会でともに2位となり、2年連続のランキング2位という成績を残しました(ちなみに同年のチャンピオンは、ガスガスTXEを駆る名手アルベルト・カベスタニーでした)。

黒山選手とヤマハ ファクトリー レーシング チームにとっては、2019年シーズン以来となる本場欧州GPでの電動車による戦いになります。先代モデルのTY-E初勝利の地となったフランス(※2018年の会場はオロンでしたけど)で、最新のTY-E 2.0がどのような成績を残すのか・・・注目ですね!

画像: ヤマハの電動トライアルマシン「TY-E 2.0」。そもそも2018年の初代ヤマハTY-Eは、社員の自主研究を社が奨励する「エボルビングR&D活動」の、少人数の研究活動がきっかけで誕生しました。正式にプロジェクトチームに昇格した後、2018年と2019年にはトライアルEへの参戦を果たし、その際に新たな開発課題の発見とさらなる進化のために必要なデータを収集しました。そして戦闘力を高めたのが、この最新のTY-E 2.0となります。 global.yamaha-motor.com

ヤマハの電動トライアルマシン「TY-E 2.0」。そもそも2018年の初代ヤマハTY-Eは、社員の自主研究を社が奨励する「エボルビングR&D活動」の、少人数の研究活動がきっかけで誕生しました。正式にプロジェクトチームに昇格した後、2018年と2019年にはトライアルEへの参戦を果たし、その際に新たな開発課題の発見とさらなる進化のために必要なデータを収集しました。そして戦闘力を高めたのが、この最新のTY-E 2.0となります。

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黒山健一選手
「TY-E 2.0は、カーボンニュートラルの実現に向けた技術開発だけでなく、レースを通じて開発することでEVに楽しさを加えようというヤマハ発動機らしいプロジェクトです。レース部門と開発部門が協力し合うプロジェクトですが、それぞれが経験と知識を総動員し、全員が同じ方向を向いて取り組んできました。私も開発ライダーとして関わってきましたが、その成果を確認するレースに出場できることが楽しみであり、とても誇りに思います。またこのプロジェクトは、ヤマハ発動機の未来だけでなく、モーターサイクルやレースの未来にも影響するものだと考えています。二輪ファンやヤマハファン、レースファンのためにという気持ちを持って臨み、開発を進める上での貴重なデータと課題をできるだけ多く持って帰りたいと思います」

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トライアル2参戦中の電動車、エレクトリックモーションとの対決も楽しみです!

なお今シーズンのトライアルGPでは、トライアル2クラスにフランスの電動車メーカー、EM=エレクトリックモーションが参戦し、Eピュア・レースのハンドルをエースライダーのガエル・シャタヌに託しています。

画像: 6月11日のスペインGPトライアル2・DAY1で、ICE搭載車のライバルと戦い初日4位になったG.シャタヌ(エレクトリックモーション)。サマーブレイク前の3戦を終えた時点で、彼はランキング10位のポジションにいます。 www.facebook.com

6月11日のスペインGPトライアル2・DAY1で、ICE搭載車のライバルと戦い初日4位になったG.シャタヌ(エレクトリックモーション)。サマーブレイク前の3戦を終えた時点で、彼はランキング10位のポジションにいます。

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画像: 初代「TY-E」をベースに開発を進め、新設計コンポジット(積層材)モノコックフレームに、メカニズムと制御の組み合わせで性能を向上した電動モーターパワーユニットを搭載する「TY-E 2.0」。TY-E比で、約2.5倍の容量を持つ新開発の軽量バッテリーを搭載しています。 global.yamaha-motor.com

初代「TY-E」をベースに開発を進め、新設計コンポジット(積層材)モノコックフレームに、メカニズムと制御の組み合わせで性能を向上した電動モーターパワーユニットを搭載する「TY-E 2.0」。TY-E比で、約2.5倍の容量を持つ新開発の軽量バッテリーを搭載しています。

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黒山選手とヤマハTY-E 2.0が、強力なICE搭載車のライバルたちを相手にどのような戦いを見せてくれるのかも注目ですが、今年トライアル2クラスにフル参戦中のG.シャタヌが駆るエレクトリックモーションとの、"電動車対決"も見ものと言えるでしょう! 月末の第5戦フランスGPが待ち遠しいです!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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