ヤマハのスクーターで伝統ブランドとなっている「シグナス」。その最新モデル「シグナス グリファス」は2021年12月に発売された。シリーズ初の水冷エンジンを搭載している。

ヤマハ「シグナス グリファス」インプレ(太田安治)

画像: YAMAHA CYGNUS GRYPHUS 総排気量:124cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 シート高:785mm 車両重量:125kg 発売日:2021年12月23日 税込価格:35万7500円

YAMAHA CYGNUS GRYPHUS

総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:785mm
車両重量:125kg

発売日:2021年12月23日
税込価格:35万7500円

俊敏でスポーティなシグナスらしい1台

シグナスグリファスはシグナスXの実質的な後継モデルで、ブルーコアと呼ばれるVVA(可変吸気バルブ)装備の水冷エンジンと新作のフレームを採用している。

新型エンジンの良さは走り出した瞬間に判る。遠心クラッチが繋がり始めるのは1200回転あたりで、停止状態からの動き出しが穏やか。逆に減速時は15km/hあたりまでエンジンブレーキが効く。これによって遠心クラッチ+Vベルト変速のスクーターが苦手な極低速域での速度調整がしやすく、市街地での扱いやすさはトップレベルになった。

50km/hまでの到達時間が短く、交通の流れを楽々とリードできるうえ、高回転域での伸びもシグナスXより明らかに力強い。シグナスXのスポーツ性を損なわず、力強さが底上げされているのが感じられる。

ハンドリングは乗り心地よりも機敏さを重視した印象。前後サスのスプリングが硬めでライダーを含めた重心位置が高く、操作に対してクイックに反応して軽く鋭く向きを変える。ただ、このスポーティなハンドリングと引き換えに、路面の荒れた部分では衝撃が強めに伝わるから、乗り心地はハードだ。

給油のたびにシート開閉の手間がないフロントの給油口、500mlのペットボトルが収まるポケット、USBソケットなど、実用装備も充実。単なる移動の足ではなく、スポーツ性も求めたいライダーに適した「シグナスらしさ」は継承されている。

ヤマハ「シグナス グリファス」ライディングポジション・足つき性

シート高:785mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像: ヤマハ「シグナス グリファス」ライディングポジション・足つき性

フロアが高めで踏ん張りやすいが、大柄なライダーだと足もとやヒザ回りが少し窮屈な印象。シートは前後の段差が少ない形状で、着座位置の自由度は高い。足着き性はこのクラスでは標準的な部類。

ヤマハ「シグナス グリファス」注目ポイント

画像: シリーズ初の水冷エンジンを採用。フレームもメインパイプ形状を左右非対称とした新設計のアンダーボーンフレームだ。

シリーズ初の水冷エンジンを採用。フレームもメインパイプ形状を左右非対称とした新設計のアンダーボーンフレームだ。

画像: 滑走路をイメージしたデザインのタコメーターがユニーク。反転表示液晶を採用、スピード表示も大きめ。

滑走路をイメージしたデザインのタコメーターがユニーク。反転表示液晶を採用、スピード表示も大きめ。

画像: トランクは容量28L。フルフェイスヘルメット1個に加え、グローブなどの小物を余裕をもって収納できるスペースを確保。

トランクは容量28L。フルフェイスヘルメット1個に加え、グローブなどの小物を余裕をもって収納できるスペースを確保。

ヤマハ「シグナス グリファス」主なスペック・価格

全長×全幅×全高1935×690×1160mm
ホイールベース1340mm
最低地上高125mm
シート高785mm
車両重量125kg
エンジン形式水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
総排気量124cc
ボア×ストローク52.0×58.7mm
圧縮比11.2
最高出力9.0kW(12PS)/8000rpm
最大トルク11N・m(1.1kgf・m)/6000rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量6.1L
変速機形式Vベルト無段変速
キャスター角26°30′
トレール量90mm
タイヤサイズ(前・後)120/70-12 51L・130/70-12 56L
ブレーキ形式(前・後)Φ245mmディスク・Φ230mmディスク
メーカー希望小売価格35万7500円(税込)
36万8500円(税込)(WGP 60th Anniversary※限定1000台)

文:太田安治

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