文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年6月28日に公開されたものを転載しています。
今大会も、EMのG.シャタヌが唯一の電動車でのエントリーとなりました
今シーズンからトライアルGPは、最高峰のトライアルGPやその下のクラスのトライアル2への、電動車の参戦を認めることになり、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が統括する世界選手権としては初めて、電動車とICE(内燃機関)搭載車の"ガチ勝負"が繰り広げられることになりました。
もっとも、現時点で電動車でのレースキャンペーンを展開しているのは、トライアル2に参戦しているフランスのEMのみで、同社のエースライダーであるガエル・シャタヌが孤軍奮闘しているかっこうです。なお日本のヤマハ発動機も、電動車「TY-E 2.0」での挑戦を計画しているとのことなので、早くその戦う姿を世界選手権で拝みたいものです。
強力なライバル勢相手に、果敢に戦いを挑むEM
6月18日のDAY1は、1ラップ目で減点5、2ラップ目は減点3という好成績で、英国のビリー・グリーン(スコルパ)がキャリア初優勝を記録しました! 前戦のDAY1では4位、DAY2は13位で、総合7位となったG.シャタヌは合計5度も減点5をしてしまったことがたたり、DAY1は減点33の14位にとどまりました。
6月19日のDAY2は気温が前日よりもわずかに涼しくなり、ベータ・ファクトリーチームのロレンツォ・ガンドーラが1ラップ目と2ラップ目をともに減点1のみの合計2点で走り抜け見事優勝しました。なお2位はガンドーラの僚友であるソンドレ・ハーガで、こちらも減点4という好成績でした。
G.シャタヌは前日の不振を挽回すべく奮闘しましたが、減点11の8位でDAY2を終了。昨年度限りで終了した電動車のみのトライアルEでは幾度も勝利を味わったG.シャタヌですが、欧州の名門メーカーが覇権を争う激戦区のトライアル2はレベルがトライアルEよりも数段高いですから、頂点に達するのはなかなか容易なことではないでしょう。
トライアル2の2戦終えてのランキング争いは、パブロ・スアレス(モンテッサ)が65ポイントで首位をキープ。G.シャタヌは26ポイントで、ランキング10位となっています。次戦ドイツGPは、ザールランド州ノインキルヒェンにて7月8〜10日に開催されます。EMとG.シャタヌのパフォーマンスに期待しましょう!
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)