まとめ:オートバイ編集部
いまなお色褪せない名車たちのヒストリー
400ccクラスにホンダが初めて投入した4気筒車が1972年のCB350フォア。その後、1974年にはCB400フォアが登場したが、販売台数は思うように伸びず、また1975年の免許制度改正の影響で1976年には398cc版も登場するなどの混乱もあって、CB400フォアは1977年モデルで終了、ホンダのヨンヒャク4気筒の系譜は一旦途絶えてしまう。
その後ホンダは「400は2気筒で十分」と考え、コストパフォーマンスに優れた2気筒のホークシリーズに注力していくが、1979年にカワサキがZ400FXを投入すると、市場は一気に4気筒モデルを求め始める。
その声に応えてホンダが送り込んだのが名車・CBX400F。パワフルでカッコよく最新技術を満載した同車は爆発的人気を獲得。ここからホンダの「ヨンヒャク黄金期」が始まったのである。
ホンダ「ドリームCB400フォア」(1974年)

Honda DREAM CB400FOUR
1974年
エンジン形式:空冷4ストOHC並列4気筒
総排気量:408(398)cc
最高出力:37(36)PS/8500rpm
最大トルク:3.2(3.1)kg-m/7000rpm
乾燥重量:185kg
燃料タンク容量:14L
タイヤサイズ:3.00S18・3.50S18
当時価格:32万7000円
CB350FOURをベースにボアを4mm拡大した408ccエンジンを搭載、4into1集合マフラーやバックステップを採用したカフェレーサースタイルのモデル。1975年の免許制度改正を受け、1976年には398cc版も登場したが、当時のライバルが2スト中心で動力性能に差があったことや、流行を先取りしすぎたコンセプトなども影響し、1977年モデルで販売終了。その後4気筒モデルを求める市場の声により中古車価値が高騰、絶版車ブームの先駆けとなった。

車体右サイドに流れるようにレイアウトされた集合管。性能向上だけでなく、実はコストダウンの意味合いもあった。

写真は408ccモデル。リンク式のバックステップを装備するなど、凝った造りもヨンフォアの魅力のひとつだった。
ホンダ「CBX400F」(1981年)

Honda CBX400F
1981年
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:48PS/11000rpm
最大トルク:3.4kg-m/9000rpm
乾燥重量:173kg
シート高:775mm
燃料タンク容量:17L
タイヤサイズ:3.60H18・4.10H18
当時価格:47万円(ソリッドカラー)/48万5000円(ツートンカラー)
400cc・4気筒モデルを切望するファンの声に応えて1981年に登場。DOHC4バルブを採用した48PSのハイパワーエンジン、世界初のインボードベンチレーテッドディスクブレーキなど、最先端メカニズムを満載。優美なスタイリングも大好評となり、当時のライダーを熱狂させ、爆発的な大ヒットを記録。F3キットも同時に用意され、レースシーンでも大活躍した。ホンダ400ccモデルの歴史の中でもひときわ輝くベストセラー車だ。

CBXの「X」をイメージさせる、クロスしたレイアウトのエキパイは非常に斬新なもので、当時の若者たちには憧れだった。

「真綿フィーリング」というキャッチコピーで登場した、インボードベンチレーテッドディスクを採用。前後ホイールはブーメランコムスター。

黒文字盤にオレンジのレタリングは、当時のCBのフラッグシップ、CB750Fを思わせるデザイン。スポーティで精悍な仕上げだった。
ホンダ「CBX400F インテグラ」(1982年)

Honda CBX400F INTEGRA
1982年
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:48PS/11000rpm
最大トルク:3.4kg-m/9000rpm
乾燥重量:180kg
シート高:775mm
燃料タンク容量:17L
タイヤサイズ:3.60H18・4.10H18
当時価格:54万9000円
1982年には中型モデル初のフェアリング付きモデル「CBX400F インテグラ」が登場。現在のCB400SBのルーツとも言えるモデルだ。
ホンダ「CBR400F」(1983年)

Honda CBR400F
1983年
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:58PS/12300rpm
最大トルク:3.6kg-m/11000rpm
乾燥重量:176kg
シート高:780mm
燃料タンク容量:18L
タイヤサイズ:100/90-16 54H・110/90-18 61H
当時価格:53万9000円
回転数応答型バルブ休止機構・REVを採用し58PSを発揮する新エンジンを採用。NSコムスターホイールやTRACなど、最新技術も満載。

VTECのルーツ・REVが登場
油圧を用いて低回転域では2バルブ、高回転域では4バルブに切り換えるREVは、その後CB400SFに搭載されるVTECへと発展していく。
ホンダ「CBR400F エンデュランス」(1984年)

Honda CBR400F ENDURANCE
1984年
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:58PS/12300rpm
最大トルク:3.6kg-m/11000rpm
乾燥重量:183kg
シート高:780mm
燃料タンク容量:18L
タイヤサイズ:100/90-16 54H・110/90-18 61H
当時価格:59万8000円
カウル付きモデル解禁を受けて登場した、耐久レーサーイメージのモデル。台数限定でフルカウル仕様も登場した。
ホンダ「CBR400F フォーミュラ3」(1985年)

Honda CBR400F FOUMULA-3
1985年
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:58PS/12300rpm
最大トルク:3.6kg-m/11000rpm
乾燥重量:178kg
シート高:780mm
燃料タンク容量:18L
タイヤサイズ:100/90-16 54H・110/90-18 61H
当時価格:61万5000円
シングルシート採用のレーシーなモデル。この年、CBRシリーズは全車アルミスイングアームやキャストホイールなどを採用した。
ホンダ「CB-1」(1989年)

Honda CB-1
1989年
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:57PS/11500rpm
最大トルク:4.0kg-m/9500rpm
乾燥重量:168kg
シート高:775mm
燃料タンク容量:11L
タイヤサイズ:110/70-17 54H・140/70-17 66H
当時価格:64万6000円
CBR400RR譲りのカムギアトレーンエンジンを搭載するスポーツネイキッド。素材感を強調したスタイリングと優れた走行性能が特徴だった。
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