2022年シーズンのトライアルGP(FIMトライアル世界選手権)は、6月11〜12日にバルセロナ南西約112kmにあるタラゴナのスペインGPで開幕しました。この大会は、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が統括する"世界選手権"において、初めて電動車とICE(内燃機関)搭載車が同条件で戦うことになる、歴史的な勝負の舞台になりました。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年6月13日に公開されたものを転載しています。

EMのエースライダー、G.シャタヌは初日4位の好位置につけましたが・・・

今年のスペインGPの会場となった「ロスピタレ ド インファント」で、トライアル最高峰の戦いが行われるのは2015年のトライアル デ ナシオン以来のことになりますが、同会場はFIM統括の世界選手権でICE搭載車と電動車が「ガチ」で戦った初の会場として、その名を歴史に残すことになりました。

既報のとおり、2021年限りでFIMはトライアルEを発展的解消させ、今シーズンからトライアルGPの各クラスへの電動車の参戦を許可することになりました。とはいえ、多くのメーカーがトライアルGP用電動車を用意したわけではなく、スペインGPに電動車で参加したのはフランスのEM(エレクトリックモーション)のEピュア1台のみで、そのハンドルは2021年トライアルE王者のガエル・シャタヌに託されました。

EMが参戦するのは、ICE125〜300ccが参加できる「トライアル2」で、これまでEMが戦ってきた電動車のみのトライアルEよりもレベルが高く、EMにとってより一層チャレンジングなシーズンになることは必至でしょう。

画像: 6月11日のスペインGPトライアル2・DAY1、EMのEピュアを駆りセクションに挑むG.シャタヌ。12のセクションを2ラップし、減点の少なさを競います。 www.facebook.com

6月11日のスペインGPトライアル2・DAY1、EMのEピュアを駆りセクションに挑むG.シャタヌ。12のセクションを2ラップし、減点の少なさを競います。

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DAY1は、わずか2点の減点で走り切ったJ.スアレス(モンテッサ)が勝利。G.シャタヌは3度の原点5が響いて計20点の4位。3位になったベータ ファクトリー トライアル チームのS.ハガとの点差は3点であり、G.シャタヌは表彰台をかけて2日目を戦うことになりました。

DAY2で後退・・・開幕戦消化時点でのランキングは7位になりました

6月12日のDAY2は、すべての開催クラスで3つのセクションの難易度が上がり、さらに前日からの燃えるようなスペインの陽光による熱が、各ライダーの体力を消耗させる過酷な戦いとなりました。G.シャタヌも暑さの影響を受けたため、DAY2ではミスが目立ち順位を落とすことに・・・。結果、DAY2は13位まで順位を落とし、開幕戦スペインGPでは総合7位に終わりました。

画像: DAY1でのG.シャタヌ(エレクトリックモーション)の走り。 www.facebook.com

DAY1でのG.シャタヌ(エレクトリックモーション)の走り。

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ガエル・シャタヌ
(DAY2の)1周目は暑さと疲れ、そして頭が少し混乱して、自分の走りができませんでした。
2周目には何とか追いつきましたが、簡単なところで2回も減点5をしてしまい、ランキングでは不利な状況になってしまいました。
でも全体的には満足しています。特にマシンのパフォーマンスには、トライアル2のレベルにとどまらないことを、自分にもみんなにも証明できたと思います。
これからのレースは、一貫性を保つことと、週末の間すべてのパフォーマンスを向上させることが課題です。
もちろん、今回も素晴らしい仕事をしてくれたチームのみんなに感謝しています。うまくいかないときにも僕を支えてくれました。

次戦のアンドラGPは、アンドラ公国のサン・ジュリア・デ・ロリアで6月17〜19日に開催されます。電動車による世界選手権の表彰台初獲得の快挙達成を、EMを駆るG.シャタヌに期待したいですね!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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