スーパーチャージドエンジン搭載のハイテクスポーツツアラー「ニンジャH2 SX」シリーズが最先端アイテムを装備して進化した。前車追尾型のアダプティブクルーズコントロール(ACC)やスマホコネクト機能などを採用している。走りはどう変わったのか、詳しく解説しよう。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

カワサキ「Ninja H2 SX SE」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Kawasaki Ninja H2 SX SE 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:820mm 車両重量:267kg 発売日:2022年4月22日 税込価格:297万円

Kawasaki Ninja H2 SX SE

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
車両重量:267kg

発売日:2022年4月22日
税込価格:297万円

H2の「ビーストパワー」を秘めた快適快速ツアラー

ニンジャH2 SXは、バイク界最強の瞬発力を持つスーパーチャージャー付きスポーツ・ニンジャH2のツーリングスポーツバージョン。「SE」はその上級モデルで、セミアクティブサスペンションなどの電子制御ライディングアシスト群をフル装備する。

2022年モデルは、ミリ波レーダーセンサーを用いた対障害物測距能力を加え、その内容を大幅にグレードアップ。クルーズコントロールは先行車に自動追従するACCになり、衝突警告や斜め後方からの車両接近をミラーに表示する死角検知機能なども追加された。
 
ACCは非常に楽をさせてくれる。実際に試してみたが、最短の車間距離設定で高速道路をクルーズ中、他車が割り込めば穏やかに減速。前車が急制動すればこちらも急制動。その反応はじつに素早い。前車が車線を変えていなくなると、最初はゆっくり、その後勢い良く加速して設定速度に復帰する。コーナリング中もある程度のバンク角までは前車に追従できた。最近色々な機種に搭載され始めてきた機構だが、あるととても便利だ。

このSEは、これ以外にも多くの電制アシストを搭載する、至れり尽くせりの超豪華スポーツツアラー…なのだが、このバイク、乗れば乗るほど「ツアラー」とか「ツーリングスポーツ」という枠に収められなくなる。エンジンやシャシーに息づく「H2のDNA」が、どんなに隠しても顔を出すのだ。

画像1: カワサキ「Ninja H2 SX SE」インプレ(宮崎敬一郎)

至高の快適クルーズを生む抜群のエンジンと足回り!

普通なら、というのも変だが、街中から峠道まで快適でスポーツもこなせるライディングモードは「ROAD」だと思う。まるでアドベンチャーのように荒れた路面でも快適に走れ、スロットルもけっこうラフに操れるから、ビッグネイキッドを街中で操るより気楽だ。

「SPORT」モードにすると少し乗り心地が硬くなるものの、やはり快適で、どこでもアドベンチャーのような乗り心地で安定して走る。姿勢制御も切り替わるようで、旋回性が向上し、峠道ではかなりスポーティなミドルクラスのスポーツネイキッドのような操縦感覚になる。スロットルレスポンスは多少ダイレクトになるが、決して神経質ではない。

画像2: カワサキ「Ninja H2 SX SE」インプレ(宮崎敬一郎)

ただ、このふたつのモードは、どちらも最終的にフルパワーになる。5000回転くらいまでで流していればツーリングスポーツだが、6000回転以上回すと「鬼パワー」。トラコンの介入度合いを下げれば、コーナーの立ち上がりでパワーリフトしたりドリフトもする。

そして、8000〜1万2000回転にもなると、鬼が金棒を振り回し出す。スーパースポーツ並みの身のこなしとはいかないが、コーナー立ち上がりで瞬時にフルスロットルのSSに追いつくか追い抜く勢いの加速をする。もちろん、トラコンなんか切らない方がいい。フロントが軽くなって仕方がない…。

文章にするとまさに暴れん坊だが、SXはこんな挙動を生み出す動力性能なのに、紳士的に操らせてしまう「スーパーマンのような怪物バイク」なのだ。

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