文:太田安治/写真:南 孝幸
【比較検証】スズキ「GSX-S1000GT」・カワサキ「Ninja1000SX」(太田安治)
![画像: SUZUKI GSX-S1000GT エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 総排気量:998cc 最高出力:150PS/11000rpm 最大トルク:10.7㎏-m/9250rpm 車両重量:226kg 燃料タンク容量:19L シート高:810mm タイヤサイズ:120/70ZR17・190/50ZR17 税込価格:159万5000円](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/596af843d5afe73004d4638580f6388e700407d3_xlarge.jpg)
SUZUKI GSX-S1000GT
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:998cc
最高出力:150PS/11000rpm
最大トルク:10.7㎏-m/9250rpm
車両重量:226kg
燃料タンク容量:19L
シート高:810mm
タイヤサイズ:120/70ZR17・190/50ZR17
税込価格:159万5000円
![画像: Kawasaki Ninja1000SX エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 総排気量:1043cc 最高出力:141PS/10000rpm 最大トルク:11.3㎏-m/8000rpm 車両重量:230kg 燃料タンク容量:19L シート高:820mm タイヤサイズ:120/70ZR17・190/50ZR17 税込価格:151万8000円](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/29/a5bbc703941c2c308eb50f11c994d19dfe285258_xlarge.jpg)
Kawasaki Ninja1000SX
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:1043cc
最高出力:141PS/10000rpm
最大トルク:11.3㎏-m/8000rpm
車両重量:230kg
燃料タンク容量:19L
シート高:820mm
タイヤサイズ:120/70ZR17・190/50ZR17
税込価格:151万8000円
パワー感を満喫したいならGSX、上質な操作感を優先するならニンジャ
僕は2012年型ニンジャ1000に10年間乗り続けている。僕の用途は高速道路95%の通勤と峠道堪能ツーリングがほとんどだから、大型スポーツツアラーの快適さ、楽しさがちょうどいい。それだけに新登場のGSX-S1000GTは大いに気になる一台。ニンジャの最新モデルである1000SXと交互に乗り換えてチェックしてみた。
GSXは身のこなしにスーパースポーツ的なシャープさがあり、前後タイヤのグリップ状態も明確に伝わってくるから走らせている充実感がある。一方、ニンジャ1000SXが優れているのはクルージングの快適さ。全回転域で振動が少なく、振動の質もマイルド。熟成の進んだウインドプロテクション性能、直進安定性ともに文句なしに仕上がっている。
両車の性格の違いが顕著に現れるのはワインディングロード。ニンジャは前後サスペンションのバランスが素晴らしく良好で、スロットルレスポンスも穏やかだからオートバイ任せでもきれいなラインを描いてスムーズにコーナーを抜ける。
対してGSXは「もう少しパリッと走ってみたら?」と挑発してくる感触があり、それに乗って積極的に操作するとスーパースポーツに似た匂いを発散しながら鋭い加減速とコーナリング性能を見せつける。6000回転あたりからグッとパワーが盛り上がり、トップエンドまで一気に吹け上がるフィーリングも、SSであるGSX-R1000系のエンジンを使っているからこその魅力。スポーツツーリングモデルは国内外に多くのモデルがあるが、スポーティな走りでの爽快感はGSXが抜きん出ている。
「SSが好みだが、ライディングポジションや乗り心地が厳しい…」というライダーなら、GSXに惹かれることは間違いないし、おおらかな中に力強さを秘めた相棒が好みならニンジャをお勧めする。
ライディングポジションを比較
両車ともにアップライト、ライポジは似ている
ライディングポジションは両車ともアップライトでリラックスできるもの。上半身の前傾具合で言えばニンジャが若干前傾だが、大きな差はない。タンデムの際の膝の曲がりや着座位置の高さも近いが、GSX-S1000GTはグラブバーが後ろなので、パッセンジャーの腕が若干後退しており、長距離だとこの違いが差を生むかもしれない。
GSX-S1000GT
![画像1: ライダー・パッセンジャーともに身長176cm](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/c9019553364a26ab1d954fd15f8a0726a21cc31f_xlarge.jpg)
ライダー・パッセンジャーともに身長176cm
Ninja1000SX
![画像2: ライダー・パッセンジャーともに身長176cm](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/06279dbed2f8964c135bc8302acd1026cb21d43c_xlarge.jpg)
ライダー・パッセンジャーともに身長176cm
メーターを比較
大型カラーTFTを備えたGSX-S1000GTが機能面でリード
アプリを介してスマホとコネクトできるのは両車共通だが、GSX-S1000GTは6.5インチの大型液晶にマップまで反映できる高機能ぶり。ちなみにカワサキもスズキ同様、ボッシュの「SPIN」をニンジャH2 SXで導入しており、次の世代では同等の装備となると予想されるが、現時点では最新のGSXが利便性や機能面で一歩リードしている。
GSX-S1000GT
![画像1: メーターを比較](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/5ffd8efa54270f1f6c64e9dc3f7c490c5cf18aae_xlarge.jpg)
Ninja1000SX
![画像2: メーターを比較](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/1f14f8d0f6bdf495991bb4a07fa5c5ca1080160c_xlarge.jpg)
スクリーンとシートを比較
スクリーンの可変式 or 固定式は好みが分かれるポイント
GSX-S1000GT
スクリーンは固定式。ウインドプロテクションを徹底追求されていて防風効果に不満はないが、このクラスのライダーの中にはハイスクリーンを好むライダーも多く、可変式が少し羨ましい。シート高は810mmで足着き性も良好。タンデムシートは小さいが座面はフラット。
Ninja1000SX
最大の魅力は可変式スクリーン。ただし、操作ノブがメーター下にあるので走行中の操作はムリ。シートは高さがGSX-S1000GTより10mm高い820mmだが、絞り込みが巧みで足着き性の差はスペックほどではない。タンデム座面はカマボコ状で、これは好みの分かれるところ。
![画像3: 【ライバル対決】スズキ「GSX-S1000GT」VSカワサキ「Ninja1000SX」2台の1000ccスポーツツアラーを比較](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/8652f49b08e5d147a07ae247aa1544a0c8518138_xlarge.jpg)
![画像4: 【ライバル対決】スズキ「GSX-S1000GT」VSカワサキ「Ninja1000SX」2台の1000ccスポーツツアラーを比較](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/04/07/ad4bf356fa90c3aa56c3bd586d15fe9891474dd9_xlarge.jpg)
文:太田安治/写真:南 孝幸