パーツの枯渇にかかる時間とコストが課題

ACサンクチュアリーによるコンプリートカスタム、RCMのシリアルナンバー525が付けられたCB1100F。これはフルオーダー車両だが、これ以前に作り置きの“RCMクラフトマンシップ車両”は、ホンダ純正パーツの枯渇によってCB-Fベースでの製作はラストと聞いていた。

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「その点は変わりないんです。このRCM-525でも、パーツ調達を含めて製作に年単位の時間がかかること、コストも見通しにくいことをオーナーさんに全部お伝えして、お断りするくらいの感じでした。

通常、RCMでは4~5カ月、長くて半年の製作時間をいただいていますが、年単位はさすがに長い。しかもその多くがパーツ探し。新品・中古問わずでネットオークションも海外市場も幅広く見てのことで、過去のCB-F製作での経験からこのくらいと言っていますが、実際は分からない。

パーツが揃えば作業自体は進められますが、もし何かが足りなければそこで止まりますから、そこも注意したい。普段手がけている空冷Zとはそこが決定的に違うんですね」

サンクチュアリー・中村さんはこう、RCM・CBの難しさを説明する。壁は純正パーツだった。

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「750Fや900Fならまだ何とかなるとは思いますが、CB-FのRCMは、この車両のオーナーさんもそうでしたが、1100にこだわる方が多いんです。1100はトルクフルで、そのトルクは今街乗りするにも扱いやすくて乗りやすい。そういう要素もあります。実際にいくつか問い合わせをいただくのですが、冒頭のように断るようで恐縮ですけど、というお話はしています。それでも、という強烈な熱意と了解がある方の話はお受けできるかとは思います」

状況は難しいが、前後17インチホイール向けディメンションや高質な作り込みのノウハウも作例もある。完成度の高いRCMだからこその悩み、解決できる状態が来るのを望みたい。

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Detailed Description 詳細説明

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メーターはCB1100F(欧州仕様。北米仕様はビキニカウルに合わせて角型パネルで囲う)のノーマルで、ヨシムラ・プログレスメーターを追加。ステアリングステムは同社ブランド・スカルプチャーφ43 SPステムキットのZ1用を活用、オフセットは[純正値:45→]35mm。ハンドルはPOSHスーパーバイクバーだ。

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クラッチは油圧駆動に変更した上で、左右マスターシリンダーをブレンボRCSに。レバーもRCMコンセプトフライトレバーに換装される。

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シートは純正シートベースを元にスポンジを成形、表皮も一新した。'81年型900FBパターンの赤メタリックカラーは奥進がペイントを担当。

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ステップはナイトロレーシング。フロントスプロケットカバーはMGCメタルギヤワークス製で、ここでクラッチが油圧駆動化されたことが分かる。

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エンジンはφ72mmのNOBLESTヴォスナーピストンで1123cc化、クランクはダイナミックバランス&ジャーナルラッピングなどでセットアップ。クランクケースはポンピングロス加工、クラッチもハウジング分解後にダンパーを新品にしてリビルド等、フルに手が入っている。

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キャブレターはTMR-MJNφ38mmのデュアルスタックファンネル仕様。ブラック外観のエンジンや各部に合わせてブラックボディを選択した。

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フロントフォークはオーリンズ正立E×Mパッケージ。フロントブレーキはブレンボCNC.484キャリパー+RCMコンセプトφ320ディスクの組み合わせ。

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ホイールはO・Zレーシング・アルミ鍛造のGASS RS-Aで3.50-17/6.00-17サイズ。ブレーキはブレンボキャリパー+サンスターディスク。フレームは17インチディメンションやリヤタイヤのワイド化に合わせてワイドレイダウン加工や補強を行い、パウダーコート仕上げが施される。

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スイングアームはスカルプチャーR.C.M.専用ワイドスイングアームのブラックコートで、リヤショックはオーリンズ・ブラックラインだ。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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