日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回はチリで発見、ホンダ・CB1!?
文:小松信夫

遠く南米の地で今なお愛されるモデル「CB1」とは

ホンダのCBシリーズ(広義のね、CBXとかCBRも含む)は、60年以上の歴史の中で大は1300ccから小は50cc、空冷水冷、単気筒2気筒4気筒6気筒、スポーツバイクやツアラー、実用車的なモデルまで、多種多様なモデルが存在してます。さらに国内だけじゃなくて、海外向けにもう嫌ってほどいろんなモデルが存在しててですねぇ。そんな中に、現在チリで販売されている「CB1」ってモデルがあるんですよ。

画像: ホンダ CB-1 国内仕様・1989年モデル

ホンダ CB-1
国内仕様・1989年モデル

「CB-1」って日本でも昔ありましたねー。1989年にデビューした、CBRベースの水冷直4エンジンを積んだ400ccのネイキッド。レプリカのメカニズムにモダンなカウルレススタイルを組み合わせて売り出したら、ほぼ同時にデビューした空冷直4+古典的スタイルのカワサキ・ゼファーが大ヒット。「ネイキッド」というジャンルを確立した陰に隠れ、あんまり注目されずにゼファーの対抗馬として開発されたCB400SFに取って代わられちゃったアレ。

画像: ホンダ CB1 TUF チリ仕様・現行モデル

ホンダ CB1 TUF

チリ仕様・現行モデル

えっ、あのCB-1を今時チリで売ってるのかって?…さすがにそんな訳はありまっせん。そもそも昔のアレは「CB-1」で、チリで今も売ってるのは「CB1」(正確には「CB1 TUF」)なんです。ただ同じ「CB」の名を戴くモデルである、というのが両車を繋ぐ唯一の共通点。

画像1: 遠く南米の地で今なお愛されるモデル「CB1」とは

このチリのCB1は、125ccの空冷単気筒エンジンを積んだ極めてシンプルな造りの実用モデル。ブレーキも前後ドラム。フロントフェンダーとかタイヤとか、ヘッドライトのガードとかは、悪路での使用に配慮したのかオフロード寄りの造り。チェーンカバーも過酷な環境に強いフルカバータイプだ。スターターはセル・キック併用。

画像: ホンダ CB1 TUF

ホンダ CB1 TUF

ホームページの紹介文を読んでも、ことのほか経済性、信頼性について大きく触れてましてですね。チリは農業や畜産が盛んな国だし、この連載ではおなじみの農業バイクのかほりがプンプンします。ハイフンの有り無しで大違いですな。

画像: ホンダ Ace Tuff

ホンダ Ace Tuff

どうもこのCB1と基本的に同じメカニズムを採用したモデルが、世界各地で生産されてるようで。分かりやすいところで、東アフリカはケニヤのホンダが売ってる「Ace Tuff」は、かなりCB1に近い存在。明確に違うのはAceの方がシートが大きくなってるのと、ヘッドライトガードの形状? あ、マフラーのヒートガードも違うね。あとは、タンクとかサイドカバーとか、ほとんど同じでしょう。

画像2: 遠く南米の地で今なお愛されるモデル「CB1」とは

ただ「使い倒せればいいや」とばかりに、諸元と最低限の画像くらいしかないAce Tuffのホームページに比べて、チリ・ホンダのCB1のホームページは、ディテールを紹介するにしても、いちいち農業感皆無なイメージ画像っぽい感じだったりして。誰に何をアピールしたいんだろう。

画像3: 遠く南米の地で今なお愛されるモデル「CB1」とは

案外、CB1の農業バイク需要は小さくて、スタンダードなコミュータ的な用途の方が強いってことなのか? 髭面のお兄さんが颯爽とCB1を走らせてる画像を見ながら、そんなことを思う年の瀬なのでした。

文:小松信夫

画像: 【ホンジュラスの公式動画】CB1 TUF www.youtube.com

【ホンジュラスの公式動画】CB1 TUF

www.youtube.com

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