文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
クシタニ「GPゼスト ウインターグローブ」|テスト&レポート
スポーツライディング対応のウインターグローブ
寒い時の走行では指先が冷えて痛みや痺れが出て、ブレーキやスイッチ類の操作に支障をきたす。そこで寒風を手指に伝えない断熱性と体温を逃がさない保温性を得るため、通常のグローブにはない中綿を入れたり、風を通さないフィルムをインサートするなどの工夫を凝らしてあるのがウインターグローブ。
とは言っても暖かさと引き換えに操作感覚は確実に低下する。事実、レーシングライダーは寒い時期でも雨でもウインターグローブを使わないし、「ウインターグローブを着けるくらいならハンドルカバーを装着した方がマシ」というライダーも少なくない。
クシタニのGPゼストウインターグローブは、レース用グローブでも豊富なノウハウを持つので、それを随所に活かし、防寒性と操作性を絶妙にバランスさせた作りが特徴。
グリップを握る手のひら部分とレバーを引く指の内側部分の中綿が薄めになっているのは、操作感の鈍化を防ぐため。走行風を受けて冷える手の甲側は、プロテクターとして機能する革を重ねることで防寒性を高めている。もちろん通常のグローブに比べればレバーやスイッチ操作の感覚が鈍るが、5分も経たないうちにウインターグローブであることを忘れてしまうレベル。
冬場のスポーツライディング、サーキット走行はもちろん、ツーリングでもストレスフリーな仕上がりだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
運動量の多さで体が暖まるスポーツ走行、サーキット走行にちょうどいい保温力。グリップヒーター併用なら一桁の気温でも大丈夫そう。欲を言えば防水にして欲しいけど、操作性が悪化するならこのままでいい。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海