元気の良さと耐久性を両立するメニューが人気大に
ブラックベースのタイガーパターンで仕上げられた、サンクチュアリー・コンプリートカスタムのカワサキZ1。RCM-535というシリアルナンバーが付けられているが、外観の特徴となっているハーフカウルと同等以上に注目したいのは、エンジンの仕様だろうか。
「この車両は先頃出来上がったものですが、エンジンには最近のRCMの傾向と、今のZ事情がそれぞれ反映されています」と言うのは、ACサンクチュアリーの中村さん。詳細を聞いてみよう。
「今のZ事情で言うと、クランクシャフトを初めとして状態がひどくなってきています。なので分解/バランス/新品ベアリング使用で再組み立て必須。そこに表面処理なども加えて、いいクランクが仕上がる。そうした仕上げのクランクを使うことが増えました。それも含めて、素材や表面処理含めた加工、ガスケットなどパーツの進化によって、パワーとライフを両立できる仕様のエンジンが供給できるようになりました。
最近のRCMでは、ビッグボア+フルメニュークランクに6速クロスミッションとEvoシステム&トロコイドポンプ組み込み、ツインプラグ化にハイカム、ビッグバルブというエンジン仕様の車両が増えました。いろんな部分が良くなることで全体が底上げされて、新しい定番が出来た感じです」
従来はパワーかライフかという選択だったものが、その両立という選択肢が選べるようになったということ。この仕様は今後も増える傾向だという。
もちろん車体まわりも17インチに合わせた構成や、オーナーのオーダーを反映したパーツセレクトをきっちり行い、個性はアメリカンドリーム製ハーフカウルで出したというこの車両。実はオーナーはファミリーで3台のRCMを所有するというから、それぞれの仕様の違いを味わうという格別な楽しみも、そこにはありそうだ。
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Detailed Description 詳細説明
アメリカンドリーム製カフェレーサーカウルキットでハーフカウル化。出来が良く、そのままでも問題なかったところが「RCMとして装着にひと手間加えるところを凝り過ぎて」(中村さん)側面ブラケットを新作。ミラーはマジカルレーシング製カーボンを装着する。
カウル追加に合わせてハンドルはデイトナ・セパレート、メーターは'06年型Z1000用デジタルに。左右マスターはブレンボRCSとする。
タイガーパターンベースとしたペイントはエンジェルが担当。シートはRCMに最適化されたスペックのデイトナ・RCMコンセプトシートだ。
エンジンはRCMの最新フルメニュー仕様。ピスタル製φ74mm鍛造ピストンによる1135cc仕様でハイカム&ツインプラグ化にクランクは芯出し、YRPタイプトロコイドオイルポンプKITやHFバルブなども使う。クランクケースはポンピングロス低減加工も行われる。
キャブレターはTMR-MJNφ38mmのデュアルスタックファンネル仕様。TMR、MJN、デュアルスタックファンネルとも最近のRCMでは定番化されたパーツ群。
ミッションは6速クロス+サンクチュアリー・コウガ製Evoシステムで、その装着により通常タイプのフラットスプロケットが使え、支持剛性も高める。
排気系はナイトロレーシング手曲げチタンのショートテールで、サイレンサーは同ストレートチタンV-3。ともにヒートポリッシュ仕様だ。
フロントフォークはオーリンズE×Mパッケージによってφ[純正値:36→]43mmのRWUをセット、フロントブレーキはブレンボGP4 RXキャリパー+サンスターRCMコンセプトディスクφ320mmの組み合わせ。ラジアルマウントキャリパーを使うのも最近のRCMでは標準化しているという。
スイングアームはスカルプチャーR.C.M専用ワイドスイングアームに下側スタビを追加、リヤショックはオーリンズ・ブラックライン。
前後ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズ。リヤブレーキはブレンボCNC・2ピストンキャリパー+サンスターφ250mmディスク。フレームは12カ所の補強やワイドレイダウン加工、チェーンラインオフセット軌道対応加工等を行っている。