純粋なモーターサイクルのEV(電動車)のみ・・・ではなく、ハイブリッド車そのほか様々な古今東西の「ローエミッション」な2輪車を紹介する連載企画。今回はアメリカを代表するメーカー、ハーレーダビットソン初の2輪EVであるライブワイヤーを紹介します。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2021年6月29日に公開されたものを転載しています。

メジャーブランドが手がけた電動バイク!

一般的に2輪EVの類は、それまで2輪生産に関わりのなかった新興メーカーが参入する例が多く、ICE(内燃機関)車生産販売で実績あるメーカーは、腰が引けるというか・・・従来どおりICE車ファンのための製品作りを優先することが多く、2輪EVの市販化に果敢に挑戦!! という例はレアです。

ハーレーダビットソンのライブワイヤーは、メジャーブランドが2輪EV市販に果敢に挑戦!! の最たる例でしょう。ブランド初の2輪EVであるライブワイヤーは、2014年6月に初展示されましたが、そのデリバリー開始は2019年秋まで時間がかかりました。これは、いかに2輪EVを従来のICE車と同様の品質保証で市販することが難しいかを示しているといえるでしょう。

画像: 2014年、英国バーミンガムのNECに展示されたライブワイヤー・プロトタイプ。 en.wikipedia.org

2014年、英国バーミンガムのNECに展示されたライブワイヤー・プロトタイプ。

en.wikipedia.org

日本市場的には、CHAdeMO(チャデモ)に対応しているのがウリです!

100馬力級の本格スポーツ2輪EVであるライブワイヤーは、2020年12月3日から予約を開始し、日本市場にも導入されることになりました。0〜100km/h加速は約3秒! 航続距離は235km(レンジモード使用時)で、高速道路巡航時でも最大152kmを可能としています。

もちろんICE車の航続距離よりは大分短いのは事実ですが、日本仕様のライブワイヤーは3種類の充電方式を備えるのが特徴で、出先でも充電に困ることが少ないのが大きな長所です。日本仕様に用意されたシート下のCHAdeMO規格対応ソケットを使えば、高速道路のサービスエリアなどにある急速充電器を使って、休憩時に充電をすることも可能です。

画像: 日本仕様のライブワイヤーは、200Vコンセント(付属のケーブルを使用)、J1772、そしてCHAdeMO規格で充電をすることができるので、充電するシチュエーションで困ることは稀でしょう。なお、CHAdeMOでの充電に要する時間は、0から100%充電で1時間です。 www.autoby.jp

日本仕様のライブワイヤーは、200Vコンセント(付属のケーブルを使用)、J1772、そしてCHAdeMO規格で充電をすることができるので、充電するシチュエーションで困ることは稀でしょう。なお、CHAdeMOでの充電に要する時間は、0から100%充電で1時間です。

www.autoby.jp
画像: 日本仕様のライブワイヤーの最高出力は75 kW(100hp)です。 www.harley-davidson.com

日本仕様のライブワイヤーの最高出力は75 kW(100hp)です。

www.harley-davidson.com

2021年5月、ハーレーダビットソンはライブワイヤーを2輪EVのブランドとして独立させました。そのため、今現在市場に流通している初期型ライブワイヤーが、ハーレーダビットソンのエンブレムをつけた「最初で最後」の2輪EVになる可能性は高いです。熱烈なハーレーダビットソンファンの方や、将来のプレミアを期待する人は、今すぐにライブワイヤーを入手するのが吉・・・かもしれませんね?

ハーレーダビットソン ライブワイヤー 主要諸元 ※日本仕様
全長 2.135mm シート高 795mm 最低地上高 130mm レイク 24.5度 トレール 108mm ホイールベース 1.490mm タイヤサイズ 前 120/70 ZR17 58W 後 180/55 ZR17 73W 車両重量 255kg
電気モーター Revelation™ 高電圧バッテリー 15.5kWh 充電式エネルギー貯蔵システム(RESS)
普通充電 0から100%充電で12.5時間 急速充電(CHADEMO)0から100%充電で1時間 範囲テスト方法 市街地=235km、高速道路=152km 最大トルク 86 ft-lb 最高出力 100HP / x75 kW
リーンアングル、左右45度
価格 349万3,600円(税込)

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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