ロシアのサイドカーメーカーであるウラルは、第2次世界大戦中のソ連にあった軍用サイドカー工場がルーツ。それから約80年、現在ではシンプルで古典的なかつての軍用サイドカーのメカニズムをベースにした、民間向けのヘビーデューティなサイドカーを生産。ウラルの代表的モデルであるギアアップは通常の駆動輪に加えてサイドカー側の車輪も駆動可能、パートタイム2WD機構を備える。
文:山口銀次郎、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行/モデル:葉月美優/協力:ウラルジャパン

ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

画像1: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

エンジン

軍用車の面影を残す749cc空冷フラットツインエンジン。永く熟成されてきたシンプルなメカニズムは高い信頼性と粘り強いパワー特性を備えるが、セルスターターも装備し、燃料供給もFI化されるなどの近代化もされている。エンジンのブラック仕上げはオプション(価格13万2000円)。


画像2: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

フロントサスペンションまわり

フロントフォークはテレスコピックではなく、サイドカーならではのリーディングリンクフォークが装着されている。フロントブレーキにはブレンボ製対向4ポットキャリパーを採用し、Φ295mmのフローティングローターと組み合わせる。


画像3: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

マフラー・リアサスペンション(バイク側)

スチール製のフレームも、2本ショックレイアウトのリアサスペンションも古典的な構造だが、それだけに頑丈で信頼性は高い。リアブレーキはHB製シングルピストンキャリパー+Φ256mmローター。マフラーはシンプルな左右2本出しレイアウト。スイングアームピポットの前方にはキックアームが見えている。


画像4: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

リアタイヤ(サイドカー側)

オフロード走行も想定したノビータイヤのデューロHF308を装着。カー側の前後ホイールと、サイドカー側のホイールで全て共通の4.00-19サイズが採用されているのも、ハードな用途を想定したギアアップらしいところ。


画像5: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

ドライブシャフト

カー側のリアホイールハブから、ユニバーサルジョイントを介してサイドカー側のホイールに伸びるドライブシャフトが、ギアアップの最大の特徴である2WDシステムの証。デフを持たないシンプルな構造で、高い信頼性と不整地での抜群の走破性を実現。2WDへは、カーとサイドカーの間にあるレバーの操作で簡単に切り替えられる。


画像6: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

ヘッドライト

ウラルらしいクラシカルなデザインのヘッドライトは、汎用性の高いH4バルブを使用している。写真で装着されている、ワイルドなイメージを感じさせる金属製のヘッドライトグリルは純正オプションとして用意されているもの(価格1万3200円)。


画像7: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

メーター

ヘッドライトケースに埋め込まれている160km/hスケールのアナログスピードメーター。大きなサイズとシンプルなデザインで視認性は良好だ。盤面には各種警告灯に加えて、距離計や回転計などの機能を備える多機能小型液晶パネルも埋め込まれている。


画像8: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

ハンドガード

ハードな環境下でライダーの手を寒さや泥などから保護する、写真のハンドガードはオプションパーツ。ボディはプラスチック、芯材にアルミを使用したハイブリッド構造で耐久性にも優れている(価格1万9800円)。


画像9: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

燃料タンク

シンプルなキャップやクラシカルな雰囲気のタンクパッドが目立つ、シンプルな形状の燃料タンクの容量は19L。メーカー公称で走行可能距離は約250~300kmとされている。


画像10: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

レッグマッドガード

ダート走行での泥はねなどを防ぐために、フレームに取り付ける構造のレッグマッドガードもオプションとして用意される(価格7920円)。左右に張り出したシリンダーを守るエンジンガードは標準装備。


画像11: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

ジェリ缶

サイドカーの後部左側にはキャリアを介して無骨なジェリ缶が搭載されている。ルーツが軍用サイドカーであることを感じさせるへビーデューティなディテールだ。


画像12: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

サイドカー側シート

サイドカー側のシートは余裕のあるサイズ設定と上質な造りで、長時間走行も快適に過ごすことができる。


画像13: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

トランク(サイドカー後部)

サイドカーの後部には4輪車のようなトランクが設けられている。容量は82Lという大きなサイズで、大量の荷物を苦もなくスマートに収納。後ろヒンジのトランクリッドはロックも可能で、スペアタイヤ上のラックを持ち手にして簡単に開閉できる。


画像14: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

スペアホイール

サイドカーのトランクリッド上に搭載されているスペアホイール。サイドカー側はもちろんカー側の前後輪にも使用できるユニバーサル構造となっていて、トラブルへの対応性を高めている。スペアホイールの上には大型のラックを備え、大きなサイズの荷物も搭載することが可能だ。


画像15: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

サイドカー用ショートシールド

オプションとして用意されている、軽快なイメージで快適性も高めるサイドカー用のショートシールド(価格4万3560円)。ドイツ・MRA製の透明感のある高品質スクリーンはクリア、スモークが選択でき、エプロン部もコーデュラとビニールから選ぶことができる。


画像16: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

フォグランプ

サイドカーの最前部には、大光量のLEDフォグランプが標準装備されている。


画像17: ウラル「ギアアップ」各部装備・ディテール解説

テールまわり

大きなサイズのテールランプが飛び石や障害物の影響で割れないように、しっかりと保護するための頑丈なスチール製プロテクターもオプションとして設定されている(価格1万2540円)。

ウラル「ギアアップ」主なスペックと価格

全長×全幅×全高2510×1620×1380mm
シート高810mm
最低地上高173mm
車両重量331kg(乾燥)
エンジン形式空冷4ストOHV2バルブ水平対向2気筒
総排気量749cc
ボア×ストローク78×78mm
最高出力30.6kW(41HP)/5500rpm
最大トルク57N・m(5.81kgf・m)/5500rpm
燃料タンク容量19L
変速機形式前進4段/後退1段
タイヤサイズ(前・後)4.00-19(3輪共通)
ブレーキ形式(前・後)Φ295mmディスク・Φ256mmディスク
メーカー希望小売価格256万8500円~(消費税10%込)

文:山口銀次郎、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行/モデル:葉月美優/協力:ウラルジャパン

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