1980年代を代表する名車のひとつがCB750F。「スペンサーカラー」と呼ばれるようになった、シルバーにブルーのグラフィックはこのモデルから始まったことでもわかるように、CBシリーズ、特に空冷CBの頂点を極めた機種のひとつで、いまなお憧れるライダーも多い。

ホンダ「CB750F」の特徴

画像: Honda CB750F 1979年登場(写真は1981年式) 総排気量:748cc エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ4気筒 車両重量:246kg 1981年 当時価格:59万5000円

Honda CB750F
1979年登場(写真は1981年式)

総排気量:748cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ4気筒
車両重量:246kg

1981年 当時価格:59万5000円

RCBの技術が活きる空冷CBの代表作!

ホンダは1969年に世界初の量産4気筒スポーツであるCB750Fourを発売し、スポーツバイクの歴史を大きく書きかえた。

しかし、1972年登場のカワサキZ1・Z2をはじめ、スズキやヤマハからも次々に大排気量スポーツが登場する中、ホンダは1970年代半ばになってもCB750Fourを改良したモデルを主力に生産を続け、大排気量クラスでのホンダの存在感が小さくなっていった。

これを一気に挽回するために、1979年に登場したのがCB-Fシリーズ。一新された車体、流麗なスタイル、パワフルなDOHC4バルブエンジンなど、全身に世界耐久選手権で活躍したRCBのノウハウを活かした先進技術でスポーティな走りを追求し、世界中から熱烈な支持を集める。

日本ではCB750Fが発売され、国内最強のスポーツモデルとして発売と同時に大人気に。

その人気は、月刊『オートバイ』の読者投票企画「ジャパンバイクオブザイヤー」にも結果として現れた。1981年に400cc~クラスで1位の栄冠を手にしている。

画像1: ホンダ「CB750F」を解説! 空冷CBの頂点を極めた栄光のモデル“エフ”【バイクの歴史】

天才スペンサーとともにAMAスーパーバイクを席捲

鈴鹿8耐など数々のレースにCB-Fは使われた。中でも世界GPで3つのタイトルを獲得した天才、フレディ・スペンサーがCB750Fレーサーを駆り、1981〜82年のアメリカ・AMAスーパーバイクで大活躍したことは、CB-Fの歴史を彩る伝説だ。

ホンダ「CB750F」各部装備・ディテール解説

画像: 長いタンクが目立つ美しくもスポーティな流れるようなスタイル、ダブルクレードル構造のフレームなどは、輸出向けのCB900Fと基本的に共通。空冷直4エンジン、2本出しマフラーなどは標準的な造りではあるものの、あらゆる部分に新機軸を盛り込んで高性能と高い完成度を実現した。

長いタンクが目立つ美しくもスポーティな流れるようなスタイル、ダブルクレードル構造のフレームなどは、輸出向けのCB900Fと基本的に共通。空冷直4エンジン、2本出しマフラーなどは標準的な造りではあるものの、あらゆる部分に新機軸を盛り込んで高性能と高い完成度を実現した。

ライバルたちと同じくDOHCだが、高出力を可能にする4バルブの採用でCB-Fは先んじた。基本設計が共通な900cc、1100ccモデルも存在する。

シンプルな丸型ライトにダブルホーンを組み合わせたフロントマスク。国内モデル初のジュラルミン鍛造製セパレートハンドルも採用。

画像: アナログの速度計&回転計を並べた視認性に優れたメーター。回転計は10000回転スケール、速度計は国内仕様のため180km/hスケール。

アナログの速度計&回転計を並べた視認性に優れたメーター。回転計は10000回転スケール、速度計は国内仕様のため180km/hスケール。

画像: 動作速度に応じて可変的な減衰力特性を備え、圧側2段、伸び側3段の減衰力調整も可能なFVQダンパーが標準で装着されている。

動作速度に応じて可変的な減衰力特性を備え、圧側2段、伸び側3段の減衰力調整も可能なFVQダンパーが標準で装着されている。

ホンダ「CB750F」主なスペック

※1981年式となります。

全長×全幅×全高2190×790×1125mm
ホイールベース1515mm
最低地上高150mm
車両重量246kg
エンジン形式空冷4ストDOHC4バルブ4気筒
総排気量748cc
ボア×ストローク62.0×62.0mm
圧縮比9.2
最高出力70PS/9000rpm
最大トルク6.0kgf・m/7500rpm
燃料タンク容量20L
変速機形式5速リターン
キャスター角27°30′
トレール量117mm
タイヤサイズ(前・後)3.25H19-4PR・4.00H18-4PR
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
当時価格59万5000円

※この記事は月刊『オートバイ』2021年7月号の特集から一部抜粋し、再構成して掲載しています。当特集のスタッフ 文:太田安治、小松信夫、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、稲田浩章、小見哲彦、小平 寛、鶴見 健、冨樫秀明、栃内隆吉、西田 格、南 孝幸、松川 忍、盛長幸夫、森 浩輔、山口真利、永元秀和(月刊オートバイ誌)、玉井 充(月刊オートバイ誌)

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