純粋なモーターサイクルのEV(電動車)のみ・・・ではなく、ハイブリッド車そのほか様々な古今東西の「ローエミッション」な2輪車を紹介する連載企画。今回はユニークなスタイリングが当時話題となったヤマハEC-02をご紹介します。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2021年5月22日に公開されたものを転載しています。

パッソルに続いて登場した電動コミューター!

2005年5月21日に発売されたヤマハ エレクトリックコミューター「EC-02」は、2002年11月に発売した「Passol(パッソル)」に続くヤマハ製EVの第2弾です。

開発コンセプトは「ミニマム・ファン・コミューター」。独自の制御技術により、動力性能を向上したモーターとエネルギー密度を高めたバッテリーを採用。(財)日本自動車研究所の、電気自動車等導入費補助事業補助金の補助金給付対象車両として認可されていたので、1台につき上限5万円の補助金が給付されていました。

EC-02のパワーユニットは、パッソル同様に超薄型のYIPU(ヤマハ・インテグレイテッド・パワー・ユニット)を採用。後輪ハブにモーター、コントローラー、遊星減速機、ドラムブレーキをまとめたのがYIPUの特徴ですが、EC-02ではモーターに異方性ボンド磁石を採用。発進時や中速域、および登坂時のパワーを向上させています。

画像: カラーリングは銀(シルバー8)と黒(マットブラック2)の2色を設定。販売計画は3,000台(国内/年)でした。 www.autoby.jp

カラーリングは銀(シルバー8)と黒(マットブラック2)の2色を設定。販売計画は3,000台(国内/年)でした。

www.autoby.jp

アルミダイキャストフレームを採用し、その車重は47kgと軽量でした!

2002年発売のパッソルは1970年代のICE(内燃機関)の初代パッソル同様に、女性ユーザー層を意識したデザインとカラーリングが与えられていましたが、EC-02は男性にもウケる・・・という視点で作り込まれたEVでした。

global.yamaha-motor.com

アルミダイキャストフレームを採用するEC-02は、全長1,385mm、車重47kg(バッテリー未装着時41kg)という軽量コンパクトさが大きな特徴でした。一般的なICE車のようにガソリンを使わないので、室内に保管してもガソリン臭が気になることはなく、また折りたたんで横倒しにして4輪車のトランクなどに収納することもできました。

画像: ハンドルとフートレストを折りたたむことで、寝かし置きすることも可能です。 global.yamaha-motor.com

ハンドルとフートレストを折りたたむことで、寝かし置きすることも可能です。

global.yamaha-motor.com

振り返ると2000年代は、国内の自転車ブームの流れの中、収納性に優れる折りたたみ自転車の人気が高まっていた時代でした。もしかしたらEC-02の折りたたみ機能も、そのような時代の影響があるのかもしれませんね?

ヤマハ EC-02 主要諸元
全長×全幅×全高(折りたたみ時)1,385mm×620mm×935mm(1,385mm×362mm×737mm)軸間距離 920mm 最低地上高 115mm シート高 715mm 車両重量 47kg(バッテリー未装着時41kg)乗車定員. 1名 1充電走行距離 43km(30km/h定地走行テスト値) 最小回転半径 1.6m
原動機型式 Y802E 原動機種類 交流同期電動機 定格出力 0.58kW 最高出力 1.2kW(2250r/min) 変速機形式 遊星減速機
ブレーキ形式(前/後) ドラム(リーディングトレーリング) タイヤサイズ(前/後) 60/100-10 33J / 60/100-12 36J(チューブタイプ)懸架方式(前/後) テレスコピック/ユニットスイング フレーム形式 バックボーン(アルミダイキャスト) バッテリー種類/型式 リチウムイオンバッテリー / IM24-m バッテリー電圧/容量 25V/24Ah 充電時間 約6時間 バッテリー充電電源 AC100V
メーカー希望小売価格 209,790円(税込)

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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