近年増えてきているスニーカースタイルのライディングシューズ。その中でも個人的に特に推したいのが、防水性を持った本革製のもの。実体験をもとになぜおすすめなのかをお伝えします。記事後半では各社の「防水×本革」ライディングスニーカーをピックアップ!
レポート:西野鉄兵

すべての条件を満たせるバイク用の靴はない

バイクに乗る上で、ベストな靴とはどんなものなのか? 非常に難しい問題です。

ライディング時の操作性や安全性を重視する人は多いと思います。ツーリング中に散策を楽しむ人なら、歩きやすさに重きを置くでしょう。デザイン優先で、少々バイクに乗りにくくても自分の趣味に合ったものをチョイスする人もいます。

結局のところ「一足ですべてをカバーするのは無理!」と僕は諦めています。

バイク用の靴を複数持つ。そう考えたとき、絶対的におすすめしたいタイプがひとつあります。それが「防水×本革」のスニーカースタイルのライディングシューズです。

防水×本革のライディングスニーカーがおすすめな理由

日々バイクに乗る生活を始めて約18年、そのなかでもっとも長い時間をともに過ごしてきた靴がこちらのライディングシューズです。

画像: Alpinestars J-6 WATERPROOF SHOES ※写真は西野が約6年間履き続けたもの(旧モデル) 現行モデルの税込価格:30,580円

Alpinestars J-6 WATERPROOF SHOES

※写真は西野が約6年間履き続けたもの(旧モデル)
現行モデルの税込価格:30,580円

アルパインスターズの「J-6」。2015年5月から2021年6月現在まで約6年間履き続けてきました。春夏秋冬問わず平均で週3~4日は履いていたかも。完全にローテーションの主軸です。

「J-6」は、いまでこそ流行している「防水×本革」のスニーカースタイルのライディングシューズの走り的な存在でした。

バイクに乗らない日もかっこよく履けて、歩きやすい。カジュアルな装いならジーンズ、チノパン、カーゴパンツなどさまざまなパンツとの相性がいい。さらにライディング時の操作性や安全性も考慮されており、しかも防水!

こればかり履いてしまうわけです。何も考えずに家を出るときはパッとこの靴を選んでしまう、そんなシューズでした。

画像1: 防水×本革のライディングスニーカーがおすすめな理由

驚いたのは、その耐久性。通常のスニーカーなら、週3~4日も履いていれば、1~2年で不具合が出るでしょう。表面が破れることなく6年の月日を過ごせたのは、本革だったからにほかなりません。

もちろんアルパインスターズのフットウエア造りが優れているということもあります。しかし化繊や布製だったら、必ず甲の折れ曲がる部分が裂けていたはず。また左足の甲部分は度重なるシフトアップによって、摩耗していきます。J-6は生地が破れることはありませんでした。メンテナンスもほとんどせず、砂だらけになったら拭く程度。濡れたら中敷きを外して干しました。

いよいよ寿命だと感じたのは、ソールのかかと部分に穴が空いたから。よくぞここまで立派に働いてくれました。

画像: ▲これから修理予定。あまりに長い時間を共にしたため、お別れは寂しすぎます。ちなみにこのJ-6は現在少しデザインが変わり二輪用品店等で販売されています。間違いなく名作!

▲これから修理予定。あまりに長い時間を共にしたため、お別れは寂しすぎます。ちなみにこのJ-6は現在少しデザインが変わり二輪用品店等で販売されています。間違いなく名作!

後継モデルを新調しようかと思ったのですが、最近気になる製品が登場しました。TCXの「ストリート3 ウォータープルーフ」。「防水×本革」のスニーカースタイル、色はJ-6と同様にブラウンを選びました。

画像: TCX 9407W Street3 Waterproof 税込価格:21,890円

TCX 9407W Street3 Waterproof

税込価格:21,890円

茶色の靴は、スニーカーに限らずブーツでもさまざまなカラーのパンツと合わせやすく、すっと馴染みます。意外と黒よりも汚れが目立ちにくい。あと、黒い靴は夏場に日差しを受けると暑いんですよね。透湿防水ではあるものの、どうしても防水性が優先されるため通気性は犠牲となります。

本革であることのメリットは耐久性だけに限りません。「熱や火に強い」というのも革製品の魅力のひとつ。

エンジンが熱を強く持つ機種の場合、本革だと安心感があります。アッパー素材が合皮やエナメルの場合、エンジンの熱で変色してしまうことも。本革でも変色は起こりますが、馴染み方が合皮と異なり、それが味とも思えてきます。

画像2: 防水×本革のライディングスニーカーがおすすめな理由

そして、焚き火にも強い! キャンプツーリングで焚き火を行なうとき、化繊のシューズでは怖くて近づけません。それが本革のブーツやシューズなら火の粉をほとんど気にすることなく、焚き火いじりを楽しめるのです。

以上のような理由から、「防水×本革」ブラウンのスニーカータイプのライディングシューズは、バイク乗りがもっとも高頻度で履ける靴だと思うわけです。

画像3: 防水×本革のライディングスニーカーがおすすめな理由

欠点があるとすれば、足つき性のアップがほとんど期待できないこと。愛車の足つきに不安を抱えて、バイクに乗るとき常にかかとが高いブーツを履いている人には、控えた方がいいでしょう。

あと、中に水を入れてしまうと乾かすのが大変。濡らしてしまうと、普通の靴より臭いがキツくなることも。雨が降っているときは、レインパンツの裾でしっかりと履き口をカバーしておくのがおすすめです。

TCX「ストリート3 ウォータープルーフ」の特徴

画像1: TCX「ストリート3 ウォータープルーフ」の特徴

TCX「ストリート3 ウォータープルーフ」は、ソールも魅力的でした。スニーカータイプのライディングシューズは、フラットなソールを採用していることが多いのですが、独特なパターンにより高いグリップ力を確保。

凹凸の高さは約2mm。気になる耐久力(すり減りの早さ)はまだ分かりません。ひとまず履きはじめてここ数日は、タンクソールのブーツを履いているときと同様の安心感を得ています。

安全性の面では、くるぶしにD3Oプロテクターを内蔵。つま先とかかとには補強材が仕込まれています。

画像2: TCX「ストリート3 ウォータープルーフ」の特徴

歩きやすさも申し分なし。有名な「オーソライト」のインソールが標準装備されていて、クッション性も良好。ランニングシューズやアウトドアブランドの高機能シューズとまではいきませんが、類似したデザインの一般的なスニーカーと比べたら、だいぶ歩きやすく感じます。

画像3: TCX「ストリート3 ウォータープルーフ」の特徴

ミッドソールの表面には流行りの汚れ加工が。新品のスニーカーって、ワクワクするけどちょっと気恥ずかしさを感じませんか? この微妙な薄汚れ加工がこなれ感を出しています。

このTCX「ストリート3 ウォータープルーフ」はまたしばらく履いた後、webオートバイでレビューをしたいと思います。

This article is a sponsored article by
''.