スーパースポーツは格好いいけどツーリングにも行きたい……そんないいとこ取りのコンセプトで登場したのがNinja1000。レプリカも最高速モデルも一巡した時代の波に乗り、瞬く間に市民権を獲得。間もなく10周年を迎える。

カワサキ「Ninja 1000SX」誕生の歴史

画像: Kawasaki Ninja 1000SX エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 総排気量:1043cc 最高出力:141PS/10000rpm 最大トルク:11.3kgf・m/8000rpm シート高:820mm 車両重量:236kg 燃料タンク容量:19L タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・190/50ZR17 メーカー希望小売価格:148万5000円(消費税10%込)

Kawasaki Ninja 1000SX

エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:1043cc 
最高出力:141PS/10000rpm
最大トルク:11.3kgf・m/8000rpm
シート高:820mm
車両重量:236kg
燃料タンク容量:19L
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・190/50ZR17
メーカー希望小売価格:148万5000円(消費税10%込)

快適で速さも充分以上。荷物も詰めて格好いい!

ニンジャ1000がデビューしたのは2011年。スーパースポーツが著しく進化し、同年のZX-10Rは200PSに到達した。「とても扱い切れない……」と多くのライダーが感じていたのは間違いなく、スタイリッシュで実用性を備えたニンジャ1000のヒットがそれを証明しているだろう。

ニンジャ10000は2010年にフルモデルチェンジしたZ1000がベースで、アップライトなライディングポジションを踏襲。それでもSSのような低いスタイルに見えるのは、角度調整式スクリーンのおかげだ。

テールまわりもコンパクトに作られているが、2014年型からGIVI製のパニアケースが純正アクセサリーで用意され、フルフェイスも収容できる片側28Lの容量を確保した。1043ccのエンジンは、現行の2020年型「SX」で141PSを発揮し電子制御スロットルによるクルーズコントロールも装備。全方位隙のないオールラウンダーだ。

画像: スーパースポーツのスタイリングで、長距離ツーリングも楽しみたいライダーに多くの支持を受けてきたNinja 1000SX。

スーパースポーツのスタイリングで、長距離ツーリングも楽しみたいライダーに多くの支持を受けてきたNinja 1000SX。

画像: エンジンはZ1000譲りだが進化はニンジャがリードし、2020年型で電子制御スロットルを採用。開度センサーはハンドル部に設置

エンジンはZ1000譲りだが進化はニンジャがリードし、2020年型で電子制御スロットルを採用。開度センサーはハンドル部に設置

画像: メーターはカラー液晶となり表示も選択可能。スマートフォンとブルートゥースで接続され、走行ログを記録、閲覧できる。

メーターはカラー液晶となり表示も選択可能。スマートフォンとブルートゥースで接続され、走行ログを記録、閲覧できる。

画像: 従来は4本出し風の両側マフラーを採用していたが2020年型で片側に変更。2kg減で全体の重量増を抑えている。

従来は4本出し風の両側マフラーを採用していたが2020年型で片側に変更。2kg減で全体の重量増を抑えている。

カワサキ「Ninja1000SX」ショート・インプレッション(太田安治)

画像1: カワサキ「Ninja1000SX」ショート・インプレッション(太田安治)

初代を新車で購入してから、いまだに不満を感じることもないが、2020年4月に発売された4代目(Ninja1000SX)は大いに気になっている。僕が勝手に想像していた「ニンジャ1000の理想の進化形」が現実になって登場したからだ。

乗ってまず感じるのがFI制御の緻密さ。常用する低中回転域で少々ラフに操作してもギクシャクせず滑らかに反応する。4000回転近辺でのトルク感が高まり、中間加速の力強さを増したこともあり、さらに疲れない特性になった。

ライディングモードは刻々と変化する路面状況でも安心でき、荒っぽいブレーキングやコーナー立ち上がりのフル加速でも、各種制御が介入する不自然さはまったくない。これまでとは比較にならないほど大幅な進化だ。

Ninja 1000SXの足つき性・ライディングポジション
シート高:820mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像2: カワサキ「Ninja1000SX」ショート・インプレッション(太田安治)

足着き性を考慮して前下がり形状だったシート座面がフラットに変更され、着座位置が前側にずれてお尻が痛くなる弱点を解消。市街地走行も長時間走行も楽にこなせるアップライトなポジションは受け継がれている。

カワサキ「Ninja 1000SX」ブランドヒストリー

現代に結実したカワサキ独自のオールラウンダー

2011年にデビューしたニンジャ1000のルーツはカワサキ独自のスポーツツアラーと言えるだろう。だが、1995年のGPZ1100や2001年のZRX1200S、2002年のZZ-R1200などいずれもヒットに至らず。対してニンジャ1000はツアラーでもエッジの効いたデザイン、装備は最先端という従来にない提案が受け入れられた。

アルミツインチューブフレームや水平マウントのリアサスペンションなどのスポーティな装備に、2017年型ではIMUによる電子制御を投入。さらに2020年型ではスマホアプリに対応するなど、新機能をいち早く導入している。

1995年 GPZ1100

GPZ1100はZZ-R1100のツアラー仕様。GIVI製パニアケースがオプション設定されており、コンセプトはニンジャ1000に通じる

2001年 ZRX1200S

ZRX1200SはGPZ1100のエンジンを使用したZRX1100から発展した、ZRX1200のツアラー仕様。GPZ1100の生まれ変わりと言える。

2002年 ZZR1200

高性能スポーツツアラーとして人気を集めたZZ-R1100の後継でZRX1200Sと同じ1164ccの排気量を獲得。フルカウルで性格もニンジャ1000により近い。

2011年 Ninja1000

ニンジャ1000はツーリング性能を兼ね備えたスーパースポーツモデルとして開発された。ライダーの志向の変化を捉えてヒットした。

2014年 Ninja1000

3モードのトラクションコントロールやパワーモードセレクターを装備。フロントブレーキキャリパーはモノブロックに変更された。

2016年 Ninja1000

基本スタイルに大きな変更はなく、カラーリングの違いがメイン。装備面ではアシスト&スリッパークラッチが新たに追加された。

2017年 Ninja1000

灯火類がLED化されヘッドライトはデザインが変更されるとともに両目点灯に。6軸IMUを採用しトラコンとABS制御が緻密化。

文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、森 浩輔

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