Z900RSオーナー必見! 往年の名車が持つ雰囲気をカスタムで手に入れる
カワサキZ900RSのルックスはZ2(750RS)をオマージュしながら造られた。Z2は最先端スポーツモデルとして73年に登場したが、デザインは今でいうネイキッドタイプ。
しかし、イギリス発のカフェレーサーブームが日本に伝わるとヘッドライト周りを覆う小ぶりな『ビキニカウル』がファッション性と実用性を兼ね備えたパーツとして認知され、Z2をはじめとするロードスポーツモデルにビキニカウルを装着するカスタマイズが大人気となった。
これを受けてFRP製品を作るショップ/メーカーが数多く誕生したが、80年代からオリジナルパーツの製作を続け、現在では日本有数の工房に成長したのが「シックデザイン」。ここで紹介するのは、2020年2月に発売されたZ900RS用ビキニカウル、『マスカロード』だ。
Z900RSの市販開始からマスカロードの製品化まで2年以上を要しているが、シックデザイン代表であり、デザイナーである田中氏のキャラクターを知っている人なら納得の期間。実車を購入して様々なシチュエーションに置き、あらゆる角度から眺めてデザインをイメージし、何種類もの試作品を作っては細かく手直しするという手法で、途方もない時間と手間を掛けているからだ。
Z900RS用はシャープな直線と複雑な曲面構成を組み合わせて適度なボリューム感を与えたデザインが特長。車体への固定はヘッドライト左右のラバーマウントと下部ステーによる3点留めなので余分なステー類がなく、装着状態もスッキリしている。後付けカウルに発生しやすい走行中のビビリ、乱流、スクリーンの歪みもなく、街乗りから高速走行までネイキッドの開放感を損なうことなく快適性が高められている。
田中氏がこだわり抜いたデザインと機能性、熟練スタッフによる丁寧な作り込みで品質の高さは文句なし。Z900RS+マスカロードの組み合わせは、70年代Z2カスタムの再現を超える現代的カスタマイズだ。
シックデザインの定番製品「ロードコメット」もチェック!
同社の定番製品がやや丸みを帯びた『ロードコメット』。Z900RS用は専用カットラインによりボルトオンで装着可能。引き締まったデザインで精悍なイメージを演出する。
文:太田安治/写真:南 孝幸