バイクは経験とともに、安全運転技術が高まっていくものだと思います。ただ! 知っているだけで回避できるトラブルもなかにはあります。これからバイクライフを楽しむ方へ向けて、webオートバイ編集部員・西野が個人的にお伝えしたいことをまとめました!
まとめ:西野鉄兵

⑥ 高速道路でほかのクルマやバイクに迷惑かけがち

画像: ⑥ 高速道路でほかのクルマやバイクに迷惑かけがち

先にクルマの免許を取得した方は、必ず皆さん高速道路の走行経験があるはず。しかし、バイクの免許から高速道路デビューをしたライダーは教習経験もなく、いきなり本番となります。

初めての高速道路走行は僕もハラハラドキドキでした。でも信号のない道をバイクで走る爽快感は格別。「自由だー!」と叫んだのを思い出します。

ただ、先輩ライダーと初めて高速道路を走ったとき、えらく怒られました。

「クルマ抜いてから、元の車線戻るの早すぎるぞ(怒)」

一番左側の走行車線を走り、遅いクルマが現れたら追い越し車線に出て抜きますよね? で、元の左側車線に戻るとき、後ろのクルマとの距離をどのくらい開けていますか?

軽快にすぐ、ひょいっと戻っていませんか?

軽快な気分で追い抜いたのは自分だけ。後ろのクルマからしたらたまったもんじゃありません。それがもとで後ろのクルマがブレーキを踏み、渋滞が発生したり、最悪、追突事故が起きるかも……。

バックミラーいっぱいにクルマが写っているようなタイミングは絶対NG。何ならバックミラーで後ろのクルマが見えなくなるくらいで戻ろう! と言ってもいいくらい。ちゃんとウインカーを出して、しっかり目視もしてから元の車線に戻りましょう。

画像: 首都高など都市高速は難易度が高いので、広めの高速道路(自動車専用道路)でデビューするのがおすすめ。

首都高など都市高速は難易度が高いので、広めの高速道路(自動車専用道路)でデビューするのがおすすめ。

一般道でもそうですがとくに高速道路での安全運転は、車間距離が肝だと思います。

「前のクルマがわざと急ブレーキを踏んでも余裕で止まれる距離をあけるんだぞ」

これは僕がバイクの免許を取った際、父親から言われた言葉。なぜか、ずっと覚えています。いまは、前のクルマがピタッとその場で止まったとしても余裕で止まれるくらいの距離をあけています。

周りに一台もクルマがいなければ、事故なんてそうそう起きるもんじゃないんです。とにかく距離を取るようにしましょうね! 

⑦ マフラーでいろいろなものを焼きがち

画像: ⑦ マフラーでいろいろなものを焼きがち

エンジンやマフラーが熱くなるのは、ライダーなら誰もが知っていることだと思います。

しかし、二人乗りをするときのタンデマーは、知らないかも。散歩しているワンちゃんは知りません。当然「あ、バイクだ!かっこいい!」と寄ってくるお子さんも知りません。

自分が気を付けるのはもちろんですが、周りのことまで気を配りましょう。

画像: サイレンサーのみでなく、エキゾーストパイプやエンジンも要注意。

サイレンサーのみでなく、エキゾーストパイプやエンジンも要注意。

ライダーでもよくエンジンやマフラーで焼いてしまうものがあると思います。

ひとつは、バイクカバー。

手で触れるくらいまで冷えた、と思っても安物の薄っぺらいカバーは、一瞬で溶けることがあります。カバーに穴が開くだけでなく、バイクのマフラーにべっとりと痕が残るので、ダブルパンチ。テンションがた落ち。

僕はレジ袋を数回溶かしました。コンビニで買い物して、手首にレジ袋を引っ掛けながらバイクに乗ったら、ハンドルを切った際にエキパイに接触。一瞬で溶けました。ついでに空いた穴から中身をバラまくことに。ダブルパンチ。テンションがた落ち。

お気をつけてくださいね!

⑧ ツーリングでものを忘れがち・失くしがち

画像: 西野のキャンプツーリングのときの持ち物。

西野のキャンプツーリングのときの持ち物。

普段の街乗りなら、そんなにものを失くすことはないでしょう。

ただ、ツーリングになると荷物が増えて、いつもと勝手がだいぶ異なります。

僕が初心者の頃によく失くしたのはサングラス。バイクに乗るときだけ格好付けてかけていました。サングラスを扱う習慣がなかったため、気づくとなくなっていることがしばしば。置き忘れた場所に100kmくらい戻ったこともあったなあ……。

あとはグローブを片方、一時的に失くすことも。

さらに泊まりがけのツーリングでは、洗面用具や着替え、携帯電話の充電器など持ち物が格段に増えます。ものを忘れる・失くすリスクも倍増です。

画像: 宿では、細かいものは全部1カ所にまとめておくのがおすすめ。

宿では、細かいものは全部1カ所にまとめておくのがおすすめ。

ここで参考程度に僕の経験をもとにした、ものを失くさない・忘れないポイントをお伝えします。

あらかじめ、すべての持ち物を「これはこの場所に入れる!」と決めちゃうことが大事!

僕は小分けのスタッフバッグを愛用し、いつも同じパッキングになるよう心がけています。

あと、失くしがちなのが、バイクのキー。これがめちゃくちゃ焦る。

僕の場合、いつしかズボンの右手側ポケットに入れるようになりました。

画像: ⑧ ツーリングでものを忘れがち・失くしがち

ライディングジャケットのポケットは、季節や気分で、着るものが変わり、ポケットの配置・形状が変わるので、戸惑います。

だけどパンツの場合は、ジーンズにしろカーゴにしろチノパンにしろ、だいたいどんなパンツも前部の左右にポケットが付いているじゃないですか。そこで僕は利き手の右手側ポケットに入れているというわけです。

もしくは、「必ずファスナーが付いたポケットに入れる!」など、自分でルールをつくるのもいいでしょう。

画像: 鍵をたくさん持ち歩いている人は、キーホルダーが便利。 右手側の腰にぶら下げるとバイクを取りまわす際に傷つけてしまうので、ライダーは左手側の腰にぶら下げている人が多い気がします。

鍵をたくさん持ち歩いている人は、キーホルダーが便利。

右手側の腰にぶら下げるとバイクを取りまわす際に傷つけてしまうので、ライダーは左手側の腰にぶら下げている人が多い気がします。

⑨ バイクに積んだ荷物をぶちまけがち

画像: ⑨ バイクに積んだ荷物をぶちまけがち

持ち物が増えるツーリングでは、リアシートやキャリアに荷物を積まなくてはならないことも。重いリュックを背負って1泊2日とかしんどいですからね。

ただ、そのときの積載(パッキング)がいいかげんだと非常に危険です。

特に個人的に危険だと思っているのは、一般的に「ツーリングネット」と呼ばれているアミアミの積載道具。すこぶる便利なんですが、いい意味でも悪い意味でもあいまいな固定となり、隙間から抜け落ちたり、場合によって走行中にすべてぶちまけることにもなりかねません。

画像: ツーリングネットの一例。とにかく便利。このアイテムが悪いのではなく、便利さに頼りすぎるのが危険なんです。複数のものをこれひとつでパッキングしたり、大荷物を留めたりするのは避けたい。濡れたカッパなどをバッグの上で留めるのは、賢い使用法だと思います。

ツーリングネットの一例。とにかく便利。このアイテムが悪いのではなく、便利さに頼りすぎるのが危険なんです。複数のものをこれひとつでパッキングしたり、大荷物を留めたりするのは避けたい。濡れたカッパなどをバッグの上で留めるのは、賢い使用法だと思います。

画像: 10代の頃の西野のパッキング。ストレッチコードを使ってはいたものの、バッグには入れていませんでした。 すると雨が降ったとき困るんです。テントと寝袋、全部びしゃびしゃ。バイク用のシートバッグにはたいていレインカバーが付属していますから、急な雨でも安心です。

10代の頃の西野のパッキング。ストレッチコードを使ってはいたものの、バッグには入れていませんでした。

すると雨が降ったとき困るんです。テントと寝袋、全部びしゃびしゃ。バイク用のシートバッグにはたいていレインカバーが付属していますから、急な雨でも安心です。

なのでビギナーライダーさんには、バイク用に開発された用品メーカー各社のバッグをおすすめしています。

やっぱり専用品は分かりやすくて、安全への配慮もしっかりしていますからね。

画像: おすすめのシリーズその1。ヘンリービギンズのツーリングシートバッグ。同じタイプでさまざまなサイズが用意されています。

おすすめのシリーズその1。ヘンリービギンズのツーリングシートバッグ。同じタイプでさまざまなサイズが用意されています。

手持ちのバッグを使いたい場合は、ツーリングネットではなく、ストレッチコードやロックストラップのご使用をおすすめします。

ストレッチコードの場合は、太さ8mm以上のしっかりとしたものがいいでしょう。ロックストラップはモーターサイクル用のものが無難です。

画像: ストレッチコードでのパッキング例。

ストレッチコードでのパッキング例。

画像: ロックストラップを使ったパッキング例。

ロックストラップを使ったパッキング例。

ただ、ストレッチコードやロックストラップの場合は、バイクの機種によって工夫しないと使えないことも。

不安な方はやはり、バイク用のバッグ。どれを選んだらいいか分からない方はナップスやライコランドなど大きな二輪用品販売店で、お店のスタッフさんに相談するのが一番安心でしょう。

その際は自分の愛車で用品店に訪れてくださいね。あなたのバイクのリアシートやキャリアなどを見て、きっとお店のスタッフさんが最適なバッグを判断してくれるはずです。

⑩ ブレーキパッドの磨耗を無視しがち

画像: ⑩ ブレーキパッドの磨耗を無視しがち

エンジンオイル交換は、3000kmなり5000kmなりで交換時期の目安を覚えやすく「そろそろ換えるか」と気づきやすいもの。

初心者の方にとってやっかいなのは、ブレーキパッドだと思います。

使い切る直前まで体感的に気づきにくく、交換距離の目安も車種や乗り手の運転によりバラバラ。目視して確認するしかありません。

画像: 取り外した状態のブレーキパッド(左)と新品のブレーキパッド(右)。※一般的なディスクブレーキのパッドは取り外さなくても目視で残量を確認できます。 www.autoby.jp

取り外した状態のブレーキパッド(左)と新品のブレーキパッド(右)。※一般的なディスクブレーキのパッドは取り外さなくても目視で残量を確認できます。

www.autoby.jp

最初はどのくらい残っていたら大丈夫なのか、というのも分からないと思います。バイクを買ったお店の方に愛車のブレーキパッドの見方、擦り減りの目安を聞いてみるといいでしょう。

ブレーキパッドがなくなった状態だと、制動力が落ちるのはもちろん、異音を放ち、ディスクローター本体をガリガリと削っていきます。

ブレーキパッドの交換なら数千円~1万5千円程度で済んだのに、ディスクの交換となると悲惨ですよ。一気に10倍以上の値段に膨れ上がるかも。そして、何より危険です。

【まとめ】初心者のうちは周りのベテラン・ライダーにいろいろ聞いてみるのがおすすめ!

画像: 【まとめ】初心者のうちは周りのベテラン・ライダーにいろいろ聞いてみるのがおすすめ!

以上、webオートバイ編集部員西野が、初心者の方、これからバイクに乗ろうと思っている方にお伝えしたかった10個の失敗あるあるでした。

僕自身、ここに書いたことほぼすべて、失敗の経験をしています。まったくもって、お恥ずかしい話です。

ベテランライダーに怒られたときは「知らんわそんなの! 習ってない!」と心で思っていましたが、いまではただただ感謝しています。

何事も自分ひとりだと分からないこと、気づかないことがあるもの。ひとりで走るのがお好きな人も、特にはじめのうちは、いっぱいベテランの方やお店の方に質問してみるのがおすすめです!

まとめ:西野鉄兵

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