最新モデルでないがゆえにあって当たり前、スポットライトが当たらなくなった現行モデルにもう一度、じっくり乗ってみる現行車再検証。今月は、激戦の250㏄スポーツモデルの中にあって常に販売ランキングの上位を走るMT-25を再検証。MT-25とYZF-R25の兄弟、実は「ある世代」にバカ受けなのです。
※月刊オートバイ2019年3月号掲載「現行車再検証」より

2気筒の250ccって、こんなに良かったっけ?

画像: YAMAHA MT-25

YAMAHA MT-25

オートバイユーザーの平均年齢は50歳を超えたのだそうだ。50歳っていうと、1970年生まれ近辺。免許が取れる16歳の時に80年代中盤、つまりレーサーレプリカブーム真っただ中を味わった世代だね。

けれど、ユーザー平均年齢なんてデータ、自動車工業会が免許取得データから調べているはずで、実際に街に出てみると、そのデータが必ずしも現実に即していないことはわかる。

だって、50歳にもなったら、二輪免許は持っていても、しばらくオートバイ乗っていないし、持ってもいないよ、って人はたくさんいるはず。

対して若いライダーたちは、うれしくてうれしくて毎日のように乗り回しているとすると、やっぱり街に出ているライダーたちは、実際の平均年齢データより、ずっと若いのだ。

事実、休日にツーリングに出かけると、あちこちの休憩所、パーキングエリアの風景は、この数年で確実に変わってきている。街中だって、一時期すっかり見なくなった街乗りバイクの数が台数が、また復活してきているようにも見える。

すべてヒイキ目で見ているから? いやそうじゃない。オートバイ乗りに、若い人たちが帰ってきているのだ。

言うまでもなく、その立役者は2008年に登場したカワサキ・ニンジャ250だ。新しい時代の、肩ひじ張らない、高性能すぎないスポーツバイクが、また若い人たちの関心を呼び戻したのだろう。

画像1: 2気筒の250ccって、こんなに良かったっけ?

そして今、そのポジションにヤマハYZF-R25が、そしてMT-25がいる。ヤマハの調べによると、YZF-R25のユーザー層は30歳前後なのだという。データ上の平均ユーザーよりも20歳も若い!

フルカウルモデルYZF-R25、R3/MT-03も含めると、このファミリーはまずサイズ感がいい。小さすぎず、大きくない。免許取りたての女子ライダーだって、リターン層のおじさんだって乗れる。

車検のないYZF-R25/MT-25を軸にお話しすると、250ccかぁ、パワーは大丈夫? って疑問にも、きちんと答えは出せる。YZF-R25/MT-25の水冷ツインは、必要にして十分の力があるのだ。

画像2: 2気筒の250ccって、こんなに良かったっけ?

別の機会に250ccのライバル車と乗り比べたんだけれど、YZF‐R25/MT‐25は、ホンダ・CBR250RRよりカワサキ・ニンジャ250より低回転域からトルクがあって、スズキ・GSX250Rよりも上まで回る。現在の250ccスポーツの中では、いちばん使える回転域が広いのだ。

街乗りで使いやすく、高速道路では交通の流れに乗って走るのが苦ではなく、ワインディングでは思った通りに振り回せる。あれ、250ccってこんなにイイんだっけ、と久しぶりに250㏄に乗るおじさんたちは思うだろうし、初めて乗る若者たちはこれが250ccかぁ、って感動するはず。

きっとYZF-R1より街で注目を浴びるMT-25

画像1: きっとYZF-R1より街で注目を浴びるMT-25

今回の取材では、往復300kmくらいの日帰りツーリングをしてみた。都内の渋滞を抜けて高速道路に乗って、編集部から100kmほど離れたワインディングを走り回る。

途中ご飯を食べて、日帰り温泉に(入らずに・笑)寄ったし、帰りにはバイパスを使って、一般道も使って、高速道路で戻った。

画像2: きっとYZF-R1より街で注目を浴びるMT-25

どのステージでもMT-25は扱いやすく、キビキビと走った。そりゃぁ、高速道路をカッ飛んで1日500㎞走って、行った先のワイデンィングでフルバンクがりがり、なんて使い方だけは向かないけれど、アッという間に日常を抜け出して、1日のんびり、オートバイと付き合うことができた。

別日には、都内をお使いに、買い物に走り回って、250㏄ならではの機動力を味わうこともできた。高回転まで回さなくとも力のある、ギアチェンジもそうせわしなくない低〜中回転域のトルクが、本当に使いやすい。この250ccにできないことなんて、なにもない。

街中で若い人の視線をたくさん浴びるバイクだ。MT-25人気、わかりかけてきたなぁ。

文:中村浩史/写真:島村栄二

画像3: きっとYZF-R1より街で注目を浴びるMT-25

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