神様を祀り、そこで行なわれる神事は土地に根付く文化といっても過言ではない。
今回紹介するのは、オリンピック開催地としても注目される千葉県は一之宮、1200年以上の歴史をもつ、房総最古の浜降り神事が行なわれる一之宮 玉前神社です。
※今回の記事は月刊オートバイ2017年11月号で掲載したものを加筆修正しております。
お祭りは、出逢いの場!ではありません……
祭りといえば、小さい頃は意味もわからず町内会の山車を引いていましたし、綿菓子やお面を買ってもらえる日だと思っていたような気がします。
中学生の頃なんて「女子と会えるかもしれない場所」と、考えていたほどです。万年モテないグループだった僕にとって、町のお祭りは女子と話せるかもしれない絶好の機会。
しかし、万年モテないボーイは、何年たってもモテないボーイ。自分で勝手にドキドキしていただけで、お祭りで恋が始まったことは1回もありませんでした。
ギターを始めたのは、今思えばモテるための最後の手段だったのかもしれません。だとすれば、未だに結果は出ていませんが……。
今回の神社拝走記で向かったのは、千葉県一宮町に鎮座する玉前神社。
外房、九十九里浜の南部に位置します。早速、参拝させていただきます。玉前神社の最大の特徴は、手を合わせた時に、目の前に建つ社殿です。こちらの社殿は黒漆塗りで、かなり珍しいもの。
しかも、今年の3月に大修理が竣工したばかりなんです。社殿など境内の建築物を新しくした年は、神様の力が強くなると言われています。
とても良いタイミングで参拝。漆塗りの深さと神社建築の凹凸が相まって、静かな迫力を感じました。訪れた日は、ちょうど秋のお祭りの期間中。しかも例祭(れいさい)といって、1年で一番大きなお祭りの日の前日でした。
神社に到着した時には、大勢の人が準備作業をされていました。作業をされていたのは氏子の皆さんをはじめ、地域のみなさんでした。
こちらのお祭りは盛大で、周りの地域や神社から神輿が集結します。境内には既に2基の神輿がありました。神社だけではなく、近くの道路にも注連縄(しめなわ)が張られたりと、町も人も、まさにお祭りムードでした。