ロングトリップもお任せのGTビースト
主戦場がストリートであっても、妥協することがないレーシングスペックともいえる獰猛さを全面に押し出しているキャラクターのKTMスーパーデューク。
怒涛のパフォーマンスを手の内にできる、ハイレベルでバランスさせたパッケージにより、ホットな走りを求める多くのファンを虜にしている。そして今回紹介する「1290 SUPER DUKE GT」は、そんなスーパーデュークのビースト感を引き継ぎ、グランツーリスモに求められる機能と性能をアップデートしたモデルとなる。
![画像1: ロングトリップもお任せのGTビースト](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/14c73b01f581a4df30935bc2e387d5abf2dcc5eb_xlarge.jpg)
コーナリングライトやターンシグナルをビルドインするミッドカウルは、より鋭利となり独創的なヘッドライトに繋がるラインを構成し、一目でスーパーデュークと判断できる表情を演出している。そして、アドベンチャーモデル並みの大型スクリーンをセットさせることにより、GTとしての凄みを増している。
![画像2: ロングトリップもお任せのGTビースト](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/c15989ac4c43fb54ac3425e7d7cbf46aebe5a0b7_xlarge.jpg)
獰猛さは折り紙付きのVツインエンジンは、GTとしてのマッチングはいかがなものなのか? 即答になってしまうが、走り出してすぐに「アリだな」と。
むしろ「旅のプランを立てたくなる!」といった、旅気分を盛り上げてくれる。それは、きめ細やかでコシのあるショックユニットと、車体のまとまり感の融合により、スポーツモデルを連想させる軽快さの中にドッシリ落ち着き払う重厚感が共存するのだ。
![画像3: ロングトリップもお任せのGTビースト](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/05bcc6facfbade7a48851356dd57064c58827685_xlarge.jpg)
重厚感といっても重々しいという訳ではない。また、電子制御システムを持つショックユニットは、ライダーの好みや乗車人数に荷物、状況に応じて即座にハンドルのボタンにて変更調整が可能となっている。
電子制御システムは、ショック調整に加え、ABSやトラクションコントロール、そして走行モードなど豪勢に配備し、それらを好みに合わせるだけ、自分仕様のスペシャマシンに仕上がってしまう。なので、ゆったり快適性を追求したセッティングや、軽快なステップを踏むスポーツ走行等々、一台で様々な性格に変貌を遂げられる。
![画像1: 〈試乗インプレ〉KTM「1290 SUPER DUKE GT」(2019年)/デュークシリーズ最大排気量のスポーツツアラーの実力はいかに?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/a690ee344999c80f73a5d57cef3bbb0baf3893be_xlarge.jpg)
![画像2: 〈試乗インプレ〉KTM「1290 SUPER DUKE GT」(2019年)/デュークシリーズ最大排気量のスポーツツアラーの実力はいかに?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/7da6ed54163aeeada8a4915be7cffd348185b54a_xlarge.jpg)
ツアラーとしての重要要素のライディングポジションは、体格に合わせ操縦のキモとなるハンドルバーを始めアジャストを可能とし、アップライトなもので極自然で自由度の高い姿勢がとれるようになっている。
胸を張って広く視界を得るような乗車姿勢をとっても、スクリーンの恩恵にあやかれるので、長時間走行に於いての疲労の蓄積具合は格段に低くなるだろう。
![画像4: ロングトリップもお任せのGTビースト](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/c4d7bf6feebe0848ff39ece4261119665d853e77_xlarge.jpg)
多種の走行モードがあるとはいえ、凶暴なツインパルス感がウリのVツインエンジンのフィーリングが、どことなく優雅にすら感じさせるジェントルな印象となっている。
気を揉みそうなノイジーな振動が、うまく車体全体で収束させているような印象で、スパルタンなモデルラインアップを誇るKTMに於いて新感覚にすら捉えられた。
無論、強烈なパワーデリバイリーから牙を抜いた訳ではなく、その気に即座に答えてくれるワイルドな一面は健在だ。
文:山口銀次郎/写真:松川 忍
![画像5: ロングトリップもお任せのGTビースト](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/12/19/b01e82ca75e35dddc7052a50371acf2c058275ee_xlarge.jpg)