東京でアパートを借り、プロへのスタートラインに立った楠先生。もちろん、漫画家としての収入だけでは生活できない。楠先生には、かねてからやってみたい職業が、東京にはあった。
 
©楠みちはる/講談社 ※全ての写真及び記事の無断転載を硬く禁じます。

第9回「ヨンフォアとホークⅡ/Ⅲと湾岸ミッドナイト」

「東京に着いた翌日、バイトの面接へ。競馬新聞のダービーニュースです。1日5000円で週に2日働き、月に4万円。手当がついて手取り4万5000円。四畳半の家賃が1万3000円だから、ギリギリやっていける金額ですが、思ったより楽しい日々が始まったのです。それはバイクに乗り放題だったからです」。

1980年、競馬新聞を運ぶプレスライダーとなる。1960年代から70年代、オートバイに乗る花形職業はプレスライダーだった。新聞社や通信社のライダーは現場からフィルムを受け取り、他社に先駆けようとレースのようにカッ飛ぶ。当時の改造のお手本も、風防、絞りハンドルというプレス仕様だった。

「ダービーニュースで最初に与えられたバイクはCB400フォア。見かけはキレイだったんですが使い込まれてボロボロ。すぐ動かなくなり次はちょっとボロのホークⅡ。コレは見てくれと違い、よく走るタフなバイクでした」。

画像: CB400FOURに次いでダービーニュース社で与えられたのはホークⅡ。楠先生のホークⅡに隠れているのもブルーのホークⅡ。リア側にあるのはヤマハの2スト、RD250。

CB400FOURに次いでダービーニュース社で与えられたのはホークⅡ。楠先生のホークⅡに隠れているのもブルーのホークⅡ。リア側にあるのはヤマハの2スト、RD250。

画像: ホンダ CB400T ホークⅡ ヨンフォアの後継として77年5月にデビュー。4気筒を上回る2気筒を目指し、吸気2、排気1の3バルブを採用。動力性能ではヨンフォアを上回る。丸いタンク、アップハンドル、分厚いシートというスタイリングながら販売台数的には大成功だった。 【CB400T主要諸元】 ●エンジン形式:空冷4ストOHC3バルブ並列2気筒●総排気量:395cc●最高出力:40PS/9500rpm●最大トルク:3.2kg-m/8000rpm●整備重量:181kg●燃料タンク容量:13ℓ●タイヤサイズ前・後:3.60S19・4.10S18●発売年月:1977年5月●発売当時の新車価格:31万9000円

ホンダ CB400T ホークⅡ
 
ヨンフォアの後継として77年5月にデビュー。4気筒を上回る2気筒を目指し、吸気2、排気1の3バルブを採用。動力性能ではヨンフォアを上回る。丸いタンク、アップハンドル、分厚いシートというスタイリングながら販売台数的には大成功だった。
 
【CB400T主要諸元】
●エンジン形式:空冷4ストOHC3バルブ並列2気筒●総排気量:395cc●最高出力:40PS/9500rpm●最大トルク:3.2kg-m/8000rpm●整備重量:181kg●燃料タンク容量:13ℓ●タイヤサイズ前・後:3.60S19・4.10S18●発売年月:1977年5月●発売当時の新車価格:31万9000円

「ダービーニュースでの最初の担当は横浜方面で横羽線をブッとばします。ホークⅡは全然ヘコたれないし渋滞でもグズらない。エンジンがダメになる最後の最後まで元気よく回ってました。名車です。

ホークⅡの次に新車を買ってくれました。ホークⅢ。嬉しかったですねえ。きっちりナラシをしたら元気のいいエンジンになって下道はもちろん、首都高のどのコースでも速くて楽しかったですね」。

画像: ダービーニュースでの仕事も1年が過ぎ、3台目のバイクはホンダ・ホークⅢに。同僚と一緒に撮った写真には、RZ250やGSX400Fの姿もある。

ダービーニュースでの仕事も1年が過ぎ、3台目のバイクはホンダ・ホークⅢに。同僚と一緒に撮った写真には、RZ250やGSX400Fの姿もある。

画像: ホンダ CB400N ホークⅢ 独特のスタイルだったホークⅡとは共通の車体とエンジンながら、CB900Fのイメージを踏襲するヨーロピアン・スタイルに変身。フロントにダブルディスク、ミッションは6速、ハンドルはセミフラットに、シートも低くスリムになった。 【CB400N主要諸元】 ●エンジン形式:空冷4ストOHC3バルブ並列2気筒●総排気量:395cc●最高出力:40PS/9500rpm●最大トルク:3.2kg-m/8000rpm●整備重量:184kg●燃料タンク容量:14ℓ●タイヤサイズ前・後:3.60S19・4.10S18●発売年月:1978年8月●発売当時の新車価格:34万9000円

ホンダ CB400N ホークⅢ
 
独特のスタイルだったホークⅡとは共通の車体とエンジンながら、CB900Fのイメージを踏襲するヨーロピアン・スタイルに変身。フロントにダブルディスク、ミッションは6速、ハンドルはセミフラットに、シートも低くスリムになった。
 
【CB400N主要諸元】
●エンジン形式:空冷4ストOHC3バルブ並列2気筒●総排気量:395cc●最高出力:40PS/9500rpm●最大トルク:3.2kg-m/8000rpm●整備重量:184kg●燃料タンク容量:14ℓ●タイヤサイズ前・後:3.60S19・4.10S18●発売年月:1978年8月●発売当時の新車価格:34万9000円

「週に5日、アパートに籠り漫画を描き、金・土はバイトで首都高を走り回る。この頃、首都高を走り回った経験が、後の『湾岸ミッドナイト』などのベースにもなってます。いいバイトをしたと思ってます」。

上京した1980年も暮れようとしていた。楠先生にふたつの大きな出来事が起こった。

(以下、第10回「巻き込まれ事故と月例新人賞」をお楽しみに!)

過去の回はこちらからご覧いただけます。

「あいつとララバイ ファンブック」(モーターマガジン社)好評発売中

画像: 「あいつとララバイ ファンブック」(モーターマガジン社)好評発売中

研二のモデルとなった「菱木哲哉さんインタビュー」や楠みちはる先生書き下ろしの「僕のバイク道・漫画道」2万字バージョンなど盛り沢山の内容です。

■A4変型ワイド版・オールカラー164ページ
■定価:1527円+税

Amazonでもお買い求めいただけます。

あいつとララバイ ファンブック (Motor Magazine Mook)

モーターマガジン社 (2019-10-30)
売り上げランキング: 27

This article is a sponsored article by
''.