前回までのお話…
お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…
キャンプ最終日の4日目、いよいよ大会が行なわれます。ここでロシアでのジムカーナのクラス分けを紹介すると、A~C2級までは基準タイム比(C2・115%まで)も日本と同じです。日本だとその下からノービスですが、ロシアではC3(120%まで)、D1(130%まで)、D2(140%まで)、D3(150%まで)、D4(160%まで)と細かく分かれ、その下にノービスが位置します。割合でいえばC2未満が全体の約9割ですが、C3~D4まで細かくクラス分けすることで技量の向上がすぐにリザルト(昇格)に反映されるという仕組みで、非シード選手のモチベーションアップになっているようです。
![画像1: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/69a7281027919792d8c8d205365444d8987632f3_xlarge.jpg)
![画像2: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/e8a4ae0ad5419eadb5c4247ca2275bf088a724b3_xlarge.jpg)
![画像3: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/575bf44dd94ae0cdd33eb28c53be63bdb0563b0d_xlarge.jpg)
あとマシンは外車が多いのかなと思いきや、その大半は日本車でした。特に人気があるのがホンダVTR250やCBR600、ヤマハMT07やカワサキEr6-f、そしてスズキGSX-R750などで、日本のジムカーナでも実績のある車種がやはり多いようです。大会では辻家さんはGSX-R750、伊藤さんはZ650、私、吉竹はVTR250をお借りして走ることに。
![画像4: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/a1a30099fb7d90c02c4f884fdc38f708029ab837_xlarge.jpg)
なお、この大会のコースはオートバイ杯の競技運営も担当するJAGEで、コース設定も担当している安達代表に作成してもらったものでした。主催者のパーベルさんによると「自分たちのコースは、どうしても色々なセクションを欲張って盛り込み過ぎ、複雑になり過ぎてしまう」とのこと。「その点、日本のコースはとてもバランスが良い。この大会では、ぜひロシアのみんなにもMr. アダチのコースを楽しんでもらいたい」という、たっての希望が実現したのです。
![画像5: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/7c7ba0453f2cfc537112ae432fd2d152abd76a89_xlarge.jpg)
スタート前には、サプライズでベラルーシの選手からお揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームをプレゼントされました! これに袖を通すと集中力が高まり、アドレナリンが吹き出します。
![画像6: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/9a36cf477cf872783663d2e0355184a750f618b7_xlarge.jpg)
日本選手の第1ライダーは、伊藤さんです。途中で惜しくも転倒をしてしまいましたが、持ち味の豪快且つしなやかなライディング、そしてクイックな回転は健在で、走りを見守るロシアの選手たちの目を釘付けに!
![画像7: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/cdd35e6832402da14d0e7b069f020732e90b4fa0_xlarge.jpg)
次に走ったのは、私・吉竹。私のライディングは、まだまだ辻家さん&伊藤さんの足元にも及びませんが、それでも「日本選手団の一員として恥じない走りがしたい」と思い、無我夢中で走りました。暫定リザルトでC2タイム(115%)が出せたので、まずまず爪痕は残せた…でしょうか。
![画像8: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/ce6173c9fc4256263dcabccec249e5b1ca03acad_xlarge.jpg)
圧巻だったのは辻家さん。借り物のマシンだというのに、股下で暴れるじゃじゃ馬を乗りこなすロデオのように、流れるタイヤを抑えつけながら、次々とセクションをクリアしていきます。ゴールの瞬間には、全選手から割れんばかりの拍手が鳴り響きました。リザルトは、堂々の3位!
![画像9: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/1bbe3f3d5007dd9a27bf7e8917368eda66aa6fe5_xlarge.jpg)
なお、大会で優勝タイムを出したのはパーベルさん。約半年前からキャンプの準備をし、4日間にわたって早朝から深夜までスタッフとして走り回り、そのうえインストラクターもこなしながら、さらに選手としてアタック。それで最速タイムを叩き出すスーパーガイには脱帽するしかありません。
![画像10: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/12a6b6bbd17f848fb6c7c7be28720e0d31dff290_xlarge.jpg)
私たちが走り終わってしばらくすると、晴天続きだった空から大きな雨粒が降ってきて、あっという間にゲリラ豪雨となり一時中断。スケートリンクのようにツルツルになった路面を見て、恐怖に震え上がる私。しかし、しばらくして再開されると、鏡のようなコースにノービス選手たちが果敢にアタックしていきます。そんな走りを見ていて、私はロシアのライダーにライディングを教えているつもりで、実際は、私も学んでいたのだと気づきました。ジムカーナに対する情熱、ライディングに向き合う素直さ、他の選手へのリスペクト、困難でもチャレンジする心の強さ、その全てを教えてもらったような気がします。
![画像11: お揃いの「TEAM JAPAN」ユニフォームを着て…](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/e4b77ced3fbc2621853dfea5d00411abf925b8df_xlarge.jpg)
大会も半ば、私たちの帰国フライトの時間が迫ってきた頃、パーベルさんが大会を一時ストップして、私たちをコース中央へ呼び寄せました。何とそこにはポディウムがあり、私達3人への「ありがとうセレモニー」が用意されていたのです。ジムカーナキャンプの参加修了証と感謝状、そして民族衣装の帽子をいただいた後、コース全体が120名の選手からの「スパシーバ(=ありがとう)」コールの大合唱に包まれました。あの温かく優しい至福の時間は一生忘れないでしょう。
大会後、空港まで私たちを送ってくれた主催者の方から掛けられた言葉も、とても心に沁みました。「僕たちは、たとえ国籍が違っていても、どこに住んでいても、バイクで繋がった家族、大きなワンファミリーだよ。家族だから助け合える、家族だから喜びを分かち合える。日本とロシア、離れていても、これからもお互い頑張ろうね!」(吉竹智美)
![画像: 私に4日間バイクを貸してくれたエヴゲニーさんと。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/10/16/9e84dd69fb19bc1c6dde0aac05275879379a5afc_xlarge.jpg)
私に4日間バイクを貸してくれたエヴゲニーさんと。