ハスラー250からみるスズキオフロードの系譜
1970 HUSTLER 250(TS250 2型)
![画像: 1970 HUSTLER 250(TS250 2型)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/08b6438289dae1003f9672099ee62caea9ee1d33_xlarge.jpg)
1970 HUSTLER 250(TS250 2型)
![画像: 1970 HUSTLER 250(TS250 2型) エンジンのスペックだけでなく、最高速度や0→200m加速タイムが堂々と掲載されているのが興味深い。1型からは、フレームを3㎏軽量化したほか、エンジンの熟成化、テールランプステーの強度向上、ハンドルの形状およびメーターデザインの変更などがなされた。また、燃料タンクのグラフィックにSUZUKIの文字が入り、エグゾーストシステムの外側にあるヒートガード(鉄棒を加工)の形状も変わっている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/7030c11a2461ca50d082eeab7b947222ed337072_xlarge.jpg)
1970 HUSTLER 250(TS250 2型)
エンジンのスペックだけでなく、最高速度や0→200m加速タイムが堂々と掲載されているのが興味深い。1型からは、フレームを3㎏軽量化したほか、エンジンの熟成化、テールランプステーの強度向上、ハンドルの形状およびメーターデザインの変更などがなされた。また、燃料タンクのグラフィックにSUZUKIの文字が入り、エグゾーストシステムの外側にあるヒートガード(鉄棒を加工)の形状も変わっている。
オンロードバイクをベースにしたストリートスクランブラーしかなかった1960年代の日本にあって、初めて本格的なオフロードモデルとして造られたのが、ヤマハが1968年に発売した2サイクル250㏄のDT-1だ。
しかし、世界モトクロスGPで活躍していたスズキも、その技術を生かした同じく2サイクル250㏄のハスラー250を1969年1月に投入。開発期間を考えると、DT-1の発売以前にスズキも同様の構想を練っていたと考えられる。
その後、ハスラー250は1971年にプライマリーキックとEPI点火を採用した新型エンジンに変更。さらに1977年には、リアショックユニットをモトクロッサー譲りのレイダウン式とした車体と、それまでのピストンバルブをパワーリードバルブに改めた新エンジンを搭載。
しかし環境規制の時流には逆らえず、1981年型を最後に4サイクル単気筒のDR250Sに取って代わられた。
1969 HUSTLER 250(TS250 1型)
![画像: 1969 HUSTLER 250(TS250 1型) 初代のハスラー250。それまでスズキは、2サイクル2気筒のロードスポーツ、T250にひとまわり太いタイヤとアップマフラーを装着したストリートスクランブラー、TC250を市販していたが、ハスラー250は世界モトクロスGPで活躍したワークスマシーンRH系の技術を生かした2サイクル単気筒の本格的トレールモデルで、モトクロス用のキットパーツも揃っていた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/63f4613742eea30e3314a7d7e1f6a23229456f30.jpg)
1969 HUSTLER 250(TS250 1型)
初代のハスラー250。それまでスズキは、2サイクル2気筒のロードスポーツ、T250にひとまわり太いタイヤとアップマフラーを装着したストリートスクランブラー、TC250を市販していたが、ハスラー250は世界モトクロスGPで活躍したワークスマシーンRH系の技術を生かした2サイクル単気筒の本格的トレールモデルで、モトクロス用のキットパーツも揃っていた。
1973 HUSTLER 250(TS250 5型)
![画像: 1973 HUSTLER 250(TS250 5型) 1971年の3型でハスラー250はエンジンを一新。写真は1973年の5型で、薄型・小径だったヘッドライドは大径化されており、アルミ製アウターチューブを備えたフロントフォークや、5段階にプリロード調整ができるリアショックを採用している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/5c48473c1fdb36515bb6b030d7b54ce117006fed_xlarge.jpg)
1973 HUSTLER 250(TS250 5型)
1971年の3型でハスラー250はエンジンを一新。写真は1973年の5型で、薄型・小径だったヘッドライドは大径化されており、アルミ製アウターチューブを備えたフロントフォークや、5段階にプリロード調整ができるリアショックを採用している。
1977 HUSTLER 250(TS250 9型)
![画像: 1977 HUSTLER 250(TS250 9型) 1977年に発売された9型は、リアの2本ショックを前傾させた新型フレームに、パワーリードバルブ(ピストンリードとクランクリードを併用する機構)採用の新開発エンジンを搭載。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/d3d9deda0cb2c83b03ad1c1de0f24ffb8d31b8a5_xlarge.jpg)
1977 HUSTLER 250(TS250 9型)
1977年に発売された9型は、リアの2本ショックを前傾させた新型フレームに、パワーリードバルブ(ピストンリードとクランクリードを併用する機構)採用の新開発エンジンを搭載。
【付録】スズキ・オフローダー遍歴
スズキの2サイクル250cc車は、オンロードバイクだけではなく、1970年前後からオフロードバイクも登場。ここからは、公道を走れるトレール車に加え、市販モトクロッサーやトライアル車も紹介する。
1981 TS250
![画像: 1981 TS250 1980年型でゼッケンプレートを模したサイドカバーや、上下三ツ叉まで被う形状のヘッドライトケースを用いる。サスペンションのストロークも延長したハスラー250は、車名を型式と同じTS250に変更した写真の1981年型が最終モデルとなった。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/d75561c936b0fd6c3bedcdcc5ee55baa1384e3c1_xlarge.jpg)
1981 TS250
1980年型でゼッケンプレートを模したサイドカバーや、上下三ツ叉まで被う形状のヘッドライトケースを用いる。サスペンションのストロークも延長したハスラー250は、車名を型式と同じTS250に変更した写真の1981年型が最終モデルとなった。
1998 RMX250S
![画像: 1998 RMX250S モトクロッサーRM250、エンデューロレーサーRMX250と同時開発され、1人乗りに割り切った本格派のレーサーレプリカ。1992年に初代が登場し、写真の1998年型まで販売された。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/10bd9d406a679c03bd788efdcba3ceb224e2254a_xlarge.jpg)
1998 RMX250S
モトクロッサーRM250、エンデューロレーサーRMX250と同時開発され、1人乗りに割り切った本格派のレーサーレプリカ。1992年に初代が登場し、写真の1998年型まで販売された。
市販モトクロッサーの歴史はハスラー250よりも古い
スズキの市販モトクロッサーは1968年型TM250からと、歴史は長い(無論125㏄もあった)。その後、1976年からワークスモトクロッサーレプリカのRM250へ発展。
しかし2004年から併売されている4サイクルのRM-Z450にその座を譲り、2008年型を最後に販売を終了した。一方、トライアルは保安部品付きのRL250と競技専用のRL250Lが1974年からの2年間だけ販売された。
1968 TM250
![画像: 1968 TM250 1968年型のTM250はスズキ初の市販モトクロッサーだが、ツインポートシリンダー+ツインエグゾーストなどその内容は前年のワークスマシーンRH67(スズキのワークスモトクロッサーは、250㏄はRH、125ccはRA、500㏄はRNと称し、後に年式が付く)とほぼ同じもので、十数台が生産されただけと伝えられている。ブルーのフレームにシルバーのタンクというカラーリングは当時のロードレーサーと同じである。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/7d8c4395ed753714727ddc5b7e72868ea13816c4.jpg)
1968 TM250
1968年型のTM250はスズキ初の市販モトクロッサーだが、ツインポートシリンダー+ツインエグゾーストなどその内容は前年のワークスマシーンRH67(スズキのワークスモトクロッサーは、250㏄はRH、125ccはRA、500㏄はRNと称し、後に年式が付く)とほぼ同じもので、十数台が生産されただけと伝えられている。ブルーのフレームにシルバーのタンクというカラーリングは当時のロードレーサーと同じである。
1972 TM250
![画像: 1972 TM250 スズキの250㏄市販モトクロッサーで量産されたのは、この1972年型TM250から。写真は輸出向けのカタログで、車名のあとに"チャンピオン"とあるのは、1970年から世界モトクロス選手権で2連覇を果たしたことを意味する。なお、世界チャンピオンの座は1973年まで守り、4連覇を果たした。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/9f822c97563768feb51bb21845260920ea302282_xlarge.jpg)
1972 TM250
スズキの250㏄市販モトクロッサーで量産されたのは、この1972年型TM250から。写真は輸出向けのカタログで、車名のあとに"チャンピオン"とあるのは、1970年から世界モトクロス選手権で2連覇を果たしたことを意味する。なお、世界チャンピオンの座は1973年まで守り、4連覇を果たした。
1974 RL250
![画像: 1974 RL250 ハスラー250を低中速域重視に変更した2サイクル単気筒250㏄エンジンを、ツインショックのクロモリ製フレームに搭載した保安部品付きトライアルマシーンのRL250。ほかに、競技専用のRL250Lもあった。写真は1974年型のカタログで、翌年型は燃料タンクのライン形状やロゴの色などが異なる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/b7fe330a0b7a0c387b2029ee2200e18031756cab_xlarge.jpg)
1974 RL250
ハスラー250を低中速域重視に変更した2サイクル単気筒250㏄エンジンを、ツインショックのクロモリ製フレームに搭載した保安部品付きトライアルマシーンのRL250。ほかに、競技専用のRL250Lもあった。写真は1974年型のカタログで、翌年型は燃料タンクのライン形状やロゴの色などが異なる。
2008 RM250 K8
![画像: 2008 RM250 K8 車名をそれまでのRHから125の市販モトクロッサーと同じRMとした初代RM250は、1975年のワークスレーサーRH75のレプリカとして1986年に発売される。その後、ワークスレーサーと連動して進化を続けたが、写真の2008年型がスズキの2サイクル250㏄モトクロッサーの最終モデルとなった。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/09/20/292a80de6aa0e4ad92a75a7b05eede6ac2b26517_xlarge.jpg)
2008 RM250 K8
車名をそれまでのRHから125の市販モトクロッサーと同じRMとした初代RM250は、1975年のワークスレーサーRH75のレプリカとして1986年に発売される。その後、ワークスレーサーと連動して進化を続けたが、写真の2008年型がスズキの2サイクル250㏄モトクロッサーの最終モデルとなった。
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