確実に速く、パワフルだが扱いやすさも大きく進歩!
驚いたのはそのパワーの扱いやすさだ。シャープなツキになる傾向の「レース」モードで走ったが、そのレスポンスタッチに過度なシャープさはなく、とても優しい。
特にパワフルな1万1000〜1万4000回転あたりをキープするのでさえ、非常にたやすい。
加えて、切り返しでの動きが身軽になっていた。
このあたりは今回「狙って」手を加えられたパートだと思っていいだろう。
![画像1: 確実に速く、パワフルだが扱いやすさも大きく進歩!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/8252df672653bd50c1b095e720964748a5b728bc_xlarge.jpg)
この後、セミアクティブサス・DDC付きの車両に乗り換え、今度はいつもテストをする西伊豆方面までツーリングした。
今度の試乗車は、サス、トラコン、エンブレ、ABSなどを一括可変できるシステムの付いたオプションパッケージ仕様。これがまたよくできている。
S1000RRは、これまで4000〜5000回転から上でかなり硬質の振動がハンドルなどに出ていて、新型になるたび少しずつ弱まってはいたが、ツーリングモデルから乗り換えたライダーにはキツかった。
![画像2: 確実に速く、パワフルだが扱いやすさも大きく進歩!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/63bc53cc92055ea57704866f30662026a76b297b_xlarge.jpg)
これが今回の新型にはほぼない。低中回転域から6速でも走れるし、峠で1速・1万4500回転まで使える扱いやすさまであった。
ライディングモードPROを「ロード」モードにして走るとサスは非常にソフトな動きで、ツーリングモデルなみに乗り心地がよくなる。
![画像3: 確実に速く、パワフルだが扱いやすさも大きく進歩!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/67f4c778c9d3d37b58a9b57953e966c175aca7ab_xlarge.jpg)
「ダイナミック」にすると少し強めの減衰でピッチングは減り、峠でちょっとスポーツしたいときにはハンドリングタッチもSSらしくカチッとしたものになる。
「レース」にするとコーナー進入時の一次旋回、スロットルを合わせてからの旋回性まで、ごく自然かつ強力になるが、かつてのS1000RRや新型のスタンダードほどバネの反発力は感じないから、サスコントロールの手強さを感じないですむ。
![画像4: 確実に速く、パワフルだが扱いやすさも大きく進歩!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/5d0e48b2ef12e46d62d4436973d22f543ab523a4_xlarge.jpg)
むやみにトラコンも作動しないし、気分よく回せる。
しかも、荒れた路面でもラインを変えることなく、しっかりしたスタビリティも発揮する。この制御の進化も新型の大きな魅力だ。
でも、新型S1000RR最大の魅力は、速くなった、力強くなった、軽快になった、快適になった、という個々の進化点より、それらをバランスよく「使える魅力」として上手にまとめたことなのだ。
DETAILS 各部をチェック!
![画像1: DETAILS 各部をチェック!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/b9670382d7a0055bd51da996aa1590193a5e402a_xlarge.jpg)
先代モデルのスタイリングは初代モデルを継承したものだったが、新型はまったく新しいスタイリングを採用。
まるでムダをそぎ落とした、アスリートのようなフォルムだ。
![画像2: DETAILS 各部をチェック!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/df98f1b973d694cf4830f45f8f20e8846c3f99a5_xlarge.jpg)
最近のスーパースポーツではマストアイテムになりつつあるクイックシフターを標準装備。
素早いシフトチェンジを可能にする。
![画像3: DETAILS 各部をチェック!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/c02fea0394b4bdf791727b160de0c16a7946ccca_xlarge.jpg)
ブレーキランプは従来の別体式ではなく、左右のLEDウインカーに内蔵される、ハーレーのような方式に変更された。
![画像4: DETAILS 各部をチェック!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/08/29/0e9b44ad1623273940ee448e5a43280e539ccb6b_xlarge.jpg)
単体重量で4キロもの軽量化を果たしたエンジンは、非常にコンパクト。
シフトカムや逆回転クランクなどの採用で、パワーと運動性能の向上を実現している。
●PHOTO:南 孝幸 ●TEXT:宮崎敬一郎、本誌編集部