スクランブラーを生み出し、ドゥカティは新境地へ達した
BMWのRnineT、トライアンフはこの新型ドゥカティと同名となるスクランブラー、国産バイクでもホンダCB1100やカワサキW800などネオクラシックと呼ばれるようなジャンルは、いま世界中で流行するアドベンチャーバイクと同時進行で、静かにその人気を高めて続けている。
だから、ドゥカティもその流れに倣って新しくスクランブラーを誕生させた。
そう考えるのは自然だけど、その推測は正しくもあり、間違いでもあった。
![画像: 最高出力:75PS/8250rpm 最大トルク:6.93kg-m/5750rpm](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/4c491d1d51e4276647601532455c35a0509ef988_xlarge.jpg)
最高出力:75PS/8250rpm 最大トルク:6.93kg-m/5750rpm
アメリカ、カリフォルニアの砂漠エリアとなるパームスプリングスで行なわれたスクランブラー試乗会。そこにあったのは単純なクラシックの枠には絶対に収まらない、新しさを持ったオートバイだったのだ。
試乗したのはキャストホイール仕様の最もベーシックなモデルとなるICON(アイコン)。
このほかにもスクランブラーは、スポーティな仕様のフルスロットル、スポークホイール&スチールフェンダーのクラシック、オフロードイメージの強いアーバンエンデューロの合計4モデルを同時にラインアップすることになるのだけれども、このアイコン以外に3タイプがラインアップされていることが、スクランブラーのキャラクターをわかりやすく表わしていると言えばいいのかもしれない。
![画像1: スクランブラーを生み出し、ドゥカティは新境地へ達した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/047f42467df1addabdde14ee97e1846baa957576_xlarge.jpg)
つまり、スクランブラーはフルスロットルで表現するようなスポーティと、クラシックから感じる味わい深さ、アーバンエンデューロに潜む冒険バイク的要素も備えているのだ。
例えば同社のアドベンチャーバイク、ムルティストラーダは電子制御によって1台4役をこなすオートバイだが、スクランブラーは言うなればその逆の発想。
スポーツ、味わい、冒険ゴコロを1台に集約していると考えたほうがいい。
![画像2: スクランブラーを生み出し、ドゥカティは新境地へ達した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/36f61dbd954d2ed3929810172574f580d9b7b116_xlarge.jpg)
そして、それらのキャラクターとイメージのバランスの中心にあるのが、今回試乗したアイコン、という訳だ。
スクランブラーの試乗のステージとなったカリフォルニア州パームスプリングスは砂漠地帯。
冬でも温かければ日中は20度近い気温になる反面、砂漠らしく朝晩はかなり冷え込む環境で、市街地を離れワインディングを駆け上がれば、春のような温かさから一転、道路脇に雪が残るという場面まである。
もちろん砂漠地帯らしく道路には砂が浮いているような場所もザラだし、ひどい時は走りやすいワインディングの高速コーナーを抜けた先の路面が、半分くらいサラッサラの砂で覆われていてドキッ!なんてこともある(笑)
![画像3: スクランブラーを生み出し、ドゥカティは新境地へ達した](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/f96277c5d77e51a6685cfaf841fe2b0666bffd53_xlarge.jpg)
でも、そんな環境の中でも、ドゥカティのスクランブラーは常に安定して、面白い!
ここで勘違いしてほしくないのが、ドゥカティらしく常に安定して「速い」のではないということ。
気温も路面状況もすべてカバーした上で、スピードレンジもライダーの技量も関係なく乗り手を楽しい気持ちにさせてくれるのだ。
ピュアレーシングブランドたるドゥカティらしくないと言えばそうかもしれない。
でも、これは間違いなくディアベル登場に続くドゥカティの新境地と言っていい!
SPECIFICATION
エンジン:空冷4ストDOHC4バルブL型2気筒
総排気量:803cc
ボア×ストローク 88mm×66mm
最高出力:75PS/8250rpm
最大トルク:6.93kg-m/5750rpm
圧縮比:11:1
燃料供給装置:フューエルインジェクション
全長×全幅×全高:2100~2165×845×1150
軸間距離:1445mm
シート高:790mm(オプションローシート有/770mm)
車両重量:186kg
燃料タンク容量:13.5L
ブレーキ前・後:φ330mmシングルディスク・φ245mmシングルディスク
タイヤ前・後:110/80ZR18・180/55ZR17
※諸元はICON(イタリア本国仕様)
スクランブラーの個性をデザインする
![画像1: スクランブラーの個性をデザインする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/bf945837fc3388804636b3ac2996a1fc712161e7_xlarge.jpg)
フルスロットルは低いハンドルと2本出しマフラーでスポーティに。
![画像2: スクランブラーの個性をデザインする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/5d94657cb334b0a3a4888f71ae2c8beae33aa37f_xlarge.jpg)
クラシックはスポークホイールでヘリテイジ感を強め、アーバンエンデューロはワイルド&タフに演出される。
![画像3: スクランブラーの個性をデザインする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/31/b075c5f9a4d7323ee8d1c0ebcd9248e2de9b8c47_xlarge.jpg)
それらすべての個性を1台に集約した走りをスクランブラーは披露してくれる。