伊藤真一さんにホンダのオートバイを思う存分乗り尽くしてもらい、新しい魅力を発見するロングラン研究所。今回は、フロントが19インチ化され、各所もマイナーチェンジしたミドルアドベンチャーの400Xに試乗します!

400Xは誰にでも乗りやすいサイズ感で実用性の高いアドンベンチャーバイクですね(伊藤)

400Xに乗るのは、この連載で2016年に取り上げたとき以来ですね。

フロントホイールが19インチになった新型ですが、スタイリングについてはカタログで見たときより格好良くなっているな、と思いました。

実際に跨ってみると、燃料タンクもカウリングも、CRF1000Lアフリカツインほどは圧迫感がない。

700cc以上や、リッターオーバーのアドベンチャーはちょっと大きすぎ、と感じる人にはちょうど良いサイズ感だと思います。

足着き性も悪くないから、女性ライダーにも向いているモデルだと思いますね。

画像1: 400Xは誰にでも乗りやすいサイズ感で実用性の高いアドンベンチャーバイクですね(伊藤)

今回の取材は、都内から高速道路と一般道を使って千葉県の犬吠埼を目指したのですが、高速道路を降りてからは下道で市街地を結構走ることになりました。

それで下道を走ったときに思ったのですけれど……400Xは下道を走っているとき、本当に素晴らしいですね。

もちろん高速道路でも、とても良いです。高くなったスクリーンも風防効果は高いし、非常に扱いやすくて快適です。

でも、400Xの良さが一番光るのは下道を走っているときですね。

エンジンの印象ですが、信号待ちから発進してからあっという間にギアが6速に入るような感じです。

画像2: 400Xは誰にでも乗りやすいサイズ感で実用性の高いアドンベンチャーバイクですね(伊藤)

エンジンの改良により低中速トルクがアップしているので、どんどんシフトアップしていってもそれで事足りる。

2気筒らしいパルス感があるのは低回転域までで、高回転域では薄れます。

Vツインとか、270度クランクの並列2気筒の方が、パルス感はやっぱりありますね。

画像3: 400Xは誰にでも乗りやすいサイズ感で実用性の高いアドンベンチャーバイクですね(伊藤)

400Xのエンジンはバックラッシュ感がなく、駆動系の仕上がりもとてもいいと思いました。

シフトフィールも節度がすごく良くて、きっちりカチャカチャと入ります。

クラッチも軽くて、非常にコントロールしやすい。微小ストロークの領域で、クラッチのつながりがとてもわかりやすいです。

この辺りはクラッチ作動部のレシオがちょうど良い設定になっているのかもしれませんね。

単にクラッチの操作感が軽いというだけでなく、クラッチのコントロールがしやすいのがとても好印象でした。

フロントの19インチ化で前輪の接地感が良くなって回頭性が上がり、ハンドリングが良くなっています

下道を走っているとき、クロスカブやCRF250L系と通ずる市街地での扱いやすさが、400Xにはあると思いました。

それでいて250ccモデルよりはトルクもあるので、400Xは高速道路も快適に走ることができます。

80~90 km/hまでエンジンにはすごい余力があるので、エンジン特性が良いことも相まって乗りやすくてとても楽です。

画像1: フロントの19インチ化で前輪の接地感が良くなって回頭性が上がり、ハンドリングが良くなっています

X系のクロスオーバーモデルにはNC750XやVFR800Xもありますが、それらに比べると400Xは車重が軽いのも魅力でしょう。

軽やかに走ろう、と思ったら400Xが最良の選択なのでしょうね。

またメーターの燃費表示を見ると35.1km/ℓと表示していたのですが、400Xは実燃費も良さそうです。

燃料タンクは17リッター入るので、航続距離はとても長そうですね。

画像2: フロントの19インチ化で前輪の接地感が良くなって回頭性が上がり、ハンドリングが良くなっています

ツーリングに使う=実用という前提では、400Xは最高の「実用車」ですね。

400Xの乗るとどこまでも行けるような気になりますし、ツーリング用としては最適な1台です。

大型免許持っているからと言って購入候補を大排気量車にこだわらず、400Xみたいなモデルに乗ると良いですよ、と思いましたね。

ライディングポジションは基本楽チンで、ハンドルの幅も高さも自分にはちょうど良い感じです。

画像3: フロントの19インチ化で前輪の接地感が良くなって回頭性が上がり、ハンドリングが良くなっています

バックミラーも非常に見やすいですね。ただステップについては、体が小さい人には低すぎるかな? と思いました。

こんなにステップ位置低い車種は珍しいかな、と思うくらい低く感じました。

でも市街地の信号待ちで地面に足を着いて、発進するときに足をステップの上に乗せるとき、足を移動させる距離が短いことも街乗りがしやすいという感覚につながっているのかもしれませんね。

あと面白いな、と思ったのが、400Xに乗っているときはフレームが鉄なのかアルミなのか、ということが全く気にならなかったことですね。

鉄フレームのCBR400Rなどに乗っているときは、フレームの剛性がどうたら、とかフレームの共振点がどうだとかに意識が行ってしまうのですが、400Xに乗っているときは全く気にならないんですよね。

画像4: フロントの19インチ化で前輪の接地感が良くなって回頭性が上がり、ハンドリングが良くなっています

CBR400Rと同じフレームを使っていても、フレームの材質が鉄なのかアルミなのかが気にならないのは、400Xではそういうことは不思議とどうでもよくなるんです。

旧型の17インチから19インチになった新型400Xのフロントホイールですが、前輪の接地感が良くなって、回頭性が穏やかになってハンドリングが良くなった印象です。

舵の入り方がゆっくりになった分、フロントまわりから受ける緊張感がなくなり、大らかな気持ちで走ることができます。

画像5: フロントの19インチ化で前輪の接地感が良くなって回頭性が上がり、ハンドリングが良くなっています

この改良の効果は大きいと思いました。

旧型はフロント17インチで、ハンドリングのまとまりはとても良かったですが、フラットなダートを走ることを考慮するとやっぱり19インチの方が良いですね。

フロント17インチは、オンロードの感覚では前に16インチを履いているような感覚ですよね?

でも400Xはクロスオーバー車ではあるけれど、オフロードバイクではないですね。

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