現行のニンジャ400は、250と同時開発したことでスポーツ性が飛躍的に向上している!
現在の日本国内で400㏄車に高いスポーツ性を求めるユーザーは少数派であり、国内市場での販売台数を考えるとバイクブームの頃のように開発コストを掛けることは難しい。
そこで500㏄~650㏄程度の輸出仕様車をベースに、エンジンの排気量だけを縮小して400㏄モデルを作るという手法が当たり前になっていた。
前モデルのニンジャ400も650㏄をベースとしていたが、新しいニンジャ400は650ベースではなく、18年型でフルモデルチェンジされた新型ニンジャ250と同時開発という思い切った手法を採った。
これは世界的に見れば排気量に見合った運動性能を求めるユーザーが多いという判断だろう。
![画像: 2017年モデルのニンジャ400](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/22/95c7dcf04a60ec8c030549a24116b7d95cf2ae91_xlarge.jpg)
2017年モデルのニンジャ400
![画像: 2019年モデルのニンジャ400](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/22/56067a8c65cb3d32c933fe121eedde5f49ed1570_xlarge.jpg)
2019年モデルのニンジャ400
新旧ニンジャ400の場合、ピークパワーの差はわずかながら、車重は前モデルの211㎏に対して新型は167㎏。44㎏も軽くなっていれば加減速はもちろん、コーナリング性能も比較にならないほど向上する。
開発陣はニンジャ400の特徴だった堂々とした車格と落ち着いた乗り味よりも、ライトウエイトクラスらしい溌剌としたスポーツ性能を選択したということだ。
![画像1: 現行のニンジャ400は、250と同時開発したことでスポーツ性が飛躍的に向上している!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/22/4588ed9ac951d7415de6d7882277011422a853e2_xlarge.jpg)
エンジンは250のボアアップ版ではなく、共通部品はクランクケース程度しかない。パワー特性は想像していたよりもフラットで、高回転では250のほうがエキサイティング。
400は太いトルクを活かし、中回転域を多用してシフト回数を減らすような走り方のほうがスムーズで、結果的に速い。
![画像2: 現行のニンジャ400は、250と同時開発したことでスポーツ性が飛躍的に向上している!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/22/b05260c256aa6d469c0c4c2276a5497359f2d79b_xlarge.jpg)
市街地でも同様で、クラッチを無造作に離しても難なく発進でき、高めのギアでの追い越し加速も強力。ある程度のスキルを持ったライダーが攻め込むなら250のパワー特性に面白さを感じるだろうが、ビギナーなら400の方が間違いなく乗りやすい。
250と共通の車体で400㏄のパワーに対応できるのか? と思うかもしれないが、剛性面での不安は一切ない。
![画像3: 現行のニンジャ400は、250と同時開発したことでスポーツ性が飛躍的に向上している!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/22/438b7083ed77587a544eac178fa3f2f8cb485979_xlarge.jpg)
ブレーキを握ったまま寝かし込んでもステアリングヘッドやスイングアームが捻れる感触はなく、コーナーでの初期旋回は前モデルよりはるかに鋭く接地感も高い。標準装着タイヤがラジアルで、リアは1サイズ太いため、深いバンク角での安定性も高く、安心して攻め込める。
スポーツ性能を大きく高めた新型ニンジャ400は、日本の交通事情にもよくマッチした1台。250の購入を考えている人も、一度試乗することをお勧めする。
文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸