![画像1: 進化するウラルサイドカーはあらゆる道を制覇する
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まずは、今回試乗する「ウラルモーターサイクル」について紹介しよう。ウラルは最新のサイドカーをラインアップする、ロシアのサイドカー専門メーカーである。日本ではオートバイ単体での販売は行っておらず、後付けのサイドカーではなく初めからサイドカーとしての開発設計が行われている、世界でも珍しいメーカーとなっている。ウラルはそのサイドカーの可能性を広げるべく、車輪の駆動方式も通常のオートバイの1輪駆動のものから、2輪駆動可能なものまでラインアップされている。
![画像2: 進化するウラルサイドカーはあらゆる道を制覇する
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2019年モデルとして、主にエンジンを中心に大幅な改良が加えられたギアアップシリーズは、省エネルギー化と環境性能の向上等を達成。実車を前にすると、正直なトコロ永年変わらぬ質実剛健なミリタリーなルックスに大きな変化がないために、モデルチェンジを受けたという印象が少し薄いかもしれない。しかし、よく見るとエンジンを中心にブラッシュアップされ、その操作性やフィーリングが向上しているのがわかる。
![画像3: 進化するウラルサイドカーはあらゆる道を制覇する
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2輪駆動のギアアップシリーズの特長は、1輪駆動と2輪駆動をパートタイムで切り替え可能なシステムを搭載し、普通自動車免許(マニュアルに限る)にて運転可能なサイドカーである。オートバイでの登録となっているが、4輪車扱いとなるので、基本的にヘルメットの着用義務はない(1輪駆動を除く)。しかし、転倒(サイドカーの場合は転覆という)もあり得るので、ヘルメットは着用することをオススメする。
さて、今回試乗したギアアップシリーズのニューモデル「スポーツマン」は、通常のギアアップシリーズにフォグランプやジェリィ缶、ユーティリティシャベルに荷物ラック等を標準装備したアップデートモデルで、よりディープなアドベンチャーライディングを可能にしてくれる。さらに、オプション設定の「スポーツマンキャンプパッケージ」は、LEDヘッドライトやサイドカーウインドシールド、マッドガードやリアバンパー等より、扱いやすさやタフネスを向上させている。
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前モデルから大きく変更を受けたエンジンのフィーリングは、車重に対して小さく思える749ccだが、トルクの発生をコントロールした演出が秀逸で、必要にして十分な太いトルクを発生させ、極低回転域を使用しようとも不満を覚える事はないだろう。また、フラットなヘッドカバーやより深みを増したフィンなど、新エンジンのルックスは伝統を引き継ぎつつも新たな時代を迎えた事が伺える仕上がりとなっている。
![画像5: 進化するウラルサイドカーはあらゆる道を制覇する
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未舗装路やガレ場が多く存在するロシアで鍛えられただけあって、一見シンプルに見えてもその堅牢な造りと深いデータの蓄積によって生まれるバランスは一級品。日本では、よっぽどな場所や走行するチャンスは訪れないであろうシチュエーションを、ウラルサイドカーは問答無用に突き進んでくれる。これは実証済みなのでとても心強い。もちろんアドベンチャーライディングをする上では、この上ないタフな相棒である事は間違いない。
![画像6: 進化するウラルサイドカーはあらゆる道を制覇する
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サイドカーと聞いて身構えてしまうライダーも多いかと思うが、普通に走行させるだけでもアドベンチャー感に満ちているのがサイドカーの操縦だと思う。オートバイにはない独特の操作感は、状況によってはアンバランスであり、セオリーが通らなく、車体の挙動を感じダイナミックに舵やスロットル操作を必要とする。リーンすることで、クセのないスムーズなハンドリングのオートバイに比べ、初めてサイドカーに乗るライダーは手に汗を握ることになるかもしれない。ただし、独特の操作感を把握すれば、長い距離を乗れば乗るほど、そのクセは魅力となり、よりハードルの高さを求めてしまうというもの。慣れてくる頃には、気軽な旅はより気軽に、ハードルの高い旅を何の気なしにこなせてしまう、そんな懐深いアドベンチャーの世界から抜け出せなくなっているだろう。
![画像: SPECIFICATIONS](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/407c7ca24a11c5e8530a4ee9f022ba5dbd618a01_xlarge.jpg)
SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高:2510×1615×1380mm シート高:810mm 乾燥車両重量:330kg エンジン形式:空冷4スト水平対向2気筒OHV2バルブ 総排気量:749cc ボア×ストローク:78×78mm 最高出力:41PS/5500rpm 最大トルク:4.2kgm/6000rpm 燃料供給方式:FI 燃料タンク容量:19ℓ 変速機形式:4速リターン-: バック1速 タイヤサイズ前・後・横:4.0×19 価格 245万9200 円〜(税込)
URAL GEAR-UP SPORTSMAN
SPECIFICATIONS
![画像1: URAL GEAR-UP SPORTSMAN](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/0b6e27b8b6d416a0fc1bc7ed9aa8e699b57d4b95_xlarge.jpg)
2019 年モデルのブラックアウトされた749cc エンジンは大幅な改良が加えられ、冷却フィンは表面積の拡大により冷却効率を向上。フューエルインジェクションには新たにケイヒン製を採用して排気ガス規制に対応。
![画像2: URAL GEAR-UP SPORTSMAN](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/d3277f61f38cb198aea5d7307151b8513a2d5f85_xlarge.jpg)
サイドカー後部に容量82 ℓに及ぶトランクを設ける。トランクのフタには荷物ラックを標準で装備。
![画像3: URAL GEAR-UP SPORTSMAN](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/a55442808d945d8e88dbdc3c58b6bfcec5e39518_xlarge.jpg)
サイドカー先端には標準装備のLED フォグランプを装備。
![画像4: URAL GEAR-UP SPORTSMAN](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/9761eaf70267467e43d00af74f3f3de51eb77ed4_xlarge.jpg)
フロントサスペンションはIMZ 製リーディングフォークにザックス製ショックアブソーバーを組み合わせる。フロントブレーキはφ 295mm の大型フローティングディスクとブレンボ製4ポットキャリパーのシングルタイプ。
![画像5: URAL GEAR-UP SPORTSMAN](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/cd06b051d272f099452be5524a72c2b79e257183_xlarge.jpg)
燃料タンクは容量19 ℓを誇る。
![画像6: URAL GEAR-UP SPORTSMAN](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/0fc215e5c9a3e24eff80de6347b1e83a261ad5f0_xlarge.jpg)
シャフトドライブがサイドカーと連結し、1 輪駆動と2 輪駆動を可能にしている。
ウラルモーターサイクルとは?
1939 年、第二次大戦前の旧ソビエトで創業したIMZ 社は、長年にわたって「ウラル」のモデル名でヘビーデューティなサイドカーを製造し続けているメーカー。ウラル・ジャパンは、2007 年11 月に日本の代理店としてのサービスをスタートし、正規輸入やアフターサービスを通じて日本のユーザーをサポート。大阪のショールームでは車両販売をはじめ、試乗車もあり、関連グッズも多数販売している。
![画像: ウラルモーターサイクルとは?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2019/07/20/354051468f1a2a92214d2c4c1c175adc732498d1_xlarge.jpg)
撮影/関野 温 文/山口銀次郎 モデル/葉月美優