新風を巻き起こしたニューコンセプト
絶対的な性能を追求するのではなく、公道での扱いやすさや快適さ、ランニングコストも含めたコストパフォーマンスの高さを実現することを目指したホンダの「ニューミッドコンセプト」にもとづき、12年にデビューしたのがNCシリーズだ。
水冷並列2気筒エンジンは270度クランクを採用。
最新の四輪車で培われた技術を投入、二輪車としては珍しい、中低速トルク重視のパワー特性で穏やかで力強い走りを可能とし、低フリクション化などで驚異的な好燃費も実現。
そのエンジンのシリンダーを大きく前傾させ、ダイヤモンドフレームなど車体全体も低重心化を図ることで取り回しやすさも極めて良好となった。
このエンジンと車体から、ネイキッド仕様のNC700S、アドベンチャーツアラー仕様のNC700X、スクーター的ルックスのインテグラという3モデルを開発。
燃料タンク部に設けられた大容量の収納スペースや、ボタン操作で変速でき自動変速モードも備え、イージーライドが可能なDCT仕様が設定されたことによる優れた実用性が高く評価。
さらに低く抑えられた価格もあって、異例の大ヒットとなった。
14年モデルのモデルチェンジでは優れたパッケージはそのままにエンジンの排気量を745ccに拡大、バランサーを2軸式に変更して振動も低減、DCTの特性変更などで完成度をアップ。
さらにNC系のエンジンはクルーザーのCTX700、未来的スタイルで注目されたNM4にも採用、新時代のベーシックモデルとして幅広い支持を集めつつある。
まとめ:オートバイ編集部