11月にV4エンジンを搭載した新型ドゥカティ・パニガーレを発表!
MotoGPで好調なドゥカティが、その好調を支える圧倒的なパフォーマンスを誇る4気筒デスモセディチGPの経験を基に、新しい90°V4エンジン「デスモセディチ・ストラダーレ」を開発、次世代モデルに搭載することを発表した。ドゥカティ史上もっともパワフルなエンジンを、モータースポーツの世界から量産モデルのスポーツモデルに採用し、ドゥカティファンならずとも話題となるモデルが登場することは間違いない。第一弾として、日本時間11月6日午前5時に新型ドゥカティ・パニガーレを発表することも告げられた。
以下、メーカーリリース。
デスモセディチ・ストラダーレ:ドゥカティの新しいV4 エンジン
ドゥカティは、MotoGP で培ってきた経験をもとに、将来のドゥカティ・ハイパフォーマンス・モデルに搭載する、新しい90°V4 エンジンを開発しました。デスモセディチ・ストラダーレ(Desmosedici Stradale)と名付けられたこのエンジンは、ドゥカティの歴史における新たなマイルストーンとなるものです。ドゥカティは、このエンジンとともに新たな歴史の扉を開き、個性的なニューモデルを開発することで、輝かしい未来へと進もうとしています。
デスモセディチ・ストラダーレは、MotoGP マシンに搭載されているV4 エンジンから誕生しました。このパワーユニットは、デスモセディチGP に搭載されているエンジンの寸法とジオメトリーを踏襲し、卓越したフルードダイナミクスを実現しています。さらにこのエンジンは、デスモセディチGP と同じエンジン型式(90°V4)を採用し、42°後方に傾けられています。このソリューションによって、新型V4 エンジンは、非常にコンパクトに仕上がり、マスを集中化させて、シャシと完璧に一体化することが可能になりました。
MotoGP マシンと同様、このエンジンはカウンター・ローテーティング(逆回転)・クランクシャフトを搭載し、ホイールのジャイロ効果を低減させることによってコーナー切り返しにおけるハンドリングや俊敏性を向上させると同時に、加速時のウィリーやハードブレーキング時におけるリアホイールのリフトアップを抑制しています。70°オフセットされたクランクピンによって、「ツインパルス」と呼ばれるイグニッション・システムが実現しています。これにより、このエンジンは独特なエグゾースト・サンドを奏で、扱い易いハンドリングとコーナー出口における素晴らしいトラクションを生み出しています。
デスモセディチ・ストラダーレは、サーキット走行でその真価を発揮するエンジンですが、一般道におけるニーズも十分満たすように設計されています。そのため、一般道でライディングを楽しむために重要な要素となる中速域のトルクを最大化し、低回転域におけるトルクとパワーを向上させるため、排気量をMotoGPマシンのエンジンよりも若干拡大して1,103cc としています。最高出力は155kW(210ps)以上/13,000rpm、最大トルクは120Nm(12.2Kgm)以上/8,750~12,250rpm で、ユーロ4 規制に適合しています。デスモセディチ・ストラダーレにも、デスモドロミック・システムが採用されています。デスモドロミックは、気筒あたり4 本のバルブを精密に制御することによって、デスモセディチGP をMotoGP クラス最速のマシンにすることに大きく貢献している技術です。この高回転型「デスモ」エンジンには、最先端のテクノロジーが投入され、かつてないレベルの洗練性、コンパクト性、軽量性を実現することに成功しました。
MotoGP マシンと同様、このエンジンはボアを81mm に設定して設計作業が進められました。81mm のボアは、MotoGP のテクニカル・レギュレーションで認められている最大値であり、スーパースポーツ4気筒セグメントにおいても最も大きなサイズとなります。デスモセディチGP と同じボアを採用することは、パワーを生み出すためのあらゆる流体力学(バルブ、インテーク・パイプ、スロットル・ボディを通過するエアの流れ)が、MotoGP マシンのエンジンと非常に近くなることを意味しています。
エンジンへの吸気は、可変長エアインテーク・ファンネルに接続されたスロットル・ボディを介して行なわれ、あらゆる回転域にわたってシリンダーへのエアフローを最適化することにより、パワーデリバリーおよび扱い易さの両面で大きなメリットが得られています。楕円スロットル・ボディには、2 本のインジェクターが組み込まれており、スロットル・バタフライの上下に設置されています。
MotoGP から生まれ、デイリーユースにおいても高い信頼性を実現するテクニカル・ソリューション・パッケージは、構造およびテクノロジー面で類まれなモーターサイクル用V4 エンジンを生み出すことのできる、ドゥカティの高い技術力を示すものです。
主要技術データ
• 1,103cc、4気筒、90°V型エンジン
• ボア×ストローク:81×53.5mm
• 圧縮比:14.0:1
• 最高出力:155 kW(210ps)以上/13,000rpm
• 最大トルク:120Nm(12.2Kgm)以上/8,750〜12,250rpm
• カウンター・ロテーティング(逆回転)・クランクシャフト
• ツインパルス点火シーケンス、クランクピン・オフセット:70°
• ユーロ4規制に適合
• デスモドロミック・ハイブリッド・チェーン駆動バルブ・タイミング・システム、デュアル・オーバーヘッド・カムシャフト(DOHC)、気筒あたり4バルブ
• 湿式多板アンチパター(スリッパー)/サーボ・クラッチ
• セミ・ドライサンプ潤滑システム、オイルポンプ×4(サプライ×1、リターン×3)
• 楕円スロットル・ボディ(52mm径相当)×4、可変長インテーク・ファンネル
• 6速ギアボックス、DQS(アップ/ダウン)
• バルブクリアランス調整・点検間隔(デスモサービス)/24,000km毎
※諸元値はイタリア本国仕様の数値。