ヤマハが国内市場に送り出した、渾身の4気筒スポーツモデル
1970〜1980年代の、多くの国産400㏄モデルは輸出用500〜600㏄モデルを主として開発されているが、ヤマハのXJ400は国内市場に的を絞っていた。ユーザーの中心となる、国内の20歳以下の若者たちの意識調査から企画され、外観は大柄ながらも高性能というコンセプトが固められた。これは、免許や経済的な事情で、ナナハンに乗れない若者たちの所有欲を満たす狙いであった。

先行して作られた、XJ650に似た作り込みが与えられたXJ400だが、ホイールには新型のキャストタイプをおごるなど、基本的にすべてが新設計された豪華な仕様であった。ホイールベースは1405㎜と、当時のヤマハの基準では長めで、大柄なスタイリングという企画コンセプトどおり。
完全新設計の空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブエンジンは、ACGをシリンダー背面に配置するのが特徴。この結果、機関全幅は2気筒のヤマハGX400と同等の、446㎜という寸法に収まっている。クランクケースの前2軸、後1軸のエンジン懸架方式にはラバーマウントを採用。フレームをとおして、ライダーに伝わる不快なエンジン振動を、低減する効果を狙っている。

既存のナナハン並みに大きく見え、そして高性能というテーマで生み出されたXJ400。先に生み出されたXJ650よりも、外装デザインは意図的にクラシカルな意匠が与えられていた。実際の乗車ポジションはコンパクトだ。
DETAIL

16L容量の燃料タンクは、上位機種のXJ650に似たスタイリング。両側面のプレスが、ニーグリップしやすい形状になっており、コーナリング時のホールド感を高めている。

フロントタイヤは19インチを採用。比較的長めのホイールベースとともに、穏やかなハンドリングを提供する。ブレーキはコントロール性に優れるダブルディスク式だった。

リアブレーキはドラム式を採用。マフラーは後端がせり上がったデザインの2本出しで、躍動感あるスタイリングを演出。キャストホイールは、新設計されたパーツであった。

ヤマハが4連メーターと称したコクピットまわり。重量車にも採用されることが珍しい電圧計と、燃料計を速度計と回転計の間に配置。デラックスさを追求した仕様と言えるだろう。
SPECIFICATIONS
エンジン型式	空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量	398㏄
内径╳行程	51.0╳48.8㎜
圧縮比	9.5
最高出力	43PS/7500rpm
最大トルク	3.5㎏-m/8000rpm
燃料供給方式	キャブレター[BS28]
変速機型式	常時噛み合い式6速リターン
全長	2060㎜
全幅	760㎜
全高	1130㎜
軸間距離	1405㎜
乾燥重量	176㎏
キャスター/トレール	27°/109㎜
燃料タンク容量	16L
タイヤサイズ(前)	3.00-19
タイヤサイズ(後)	110/90-18
当時価格	41万円

 
				
				
 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							