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<バイク界の逸話>バルーンタイヤを履いた異色のファンバイク! 「スズキVanVan RV90」
前後に履かされた超幅広の低圧タイヤ!
浜松のスズキ本社でVanVan RV90を渡され、いろいろと説明を受けた。車体そのものは、70年の東京モーターショーで参考出品されたものと変わりないように見える。そもそも何でボクがここにいるのかと言うと、在籍していた編集部に、このバイクをスズキが貸してくれると連絡があり、それならいっちょツーリングでもして、レポートを書いてみようということになったからだ。
このバイクは、かなり「変わっている」。というか「ヘン」でもある。誰もがまっ先に目にするのは、前後に履かされた超幅広の低圧タイヤだ。どのくらい幅広かと言うと、前も後ろも6・70! もある。しかも前から...
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<バイク界の逸話>思い出のクラシック・モンスター(その1)カワサキ 500SSマッハⅢ
ブレーキング、しかし前輪は宙にあった!
この速さは何だ!? 全段かき上げ式のトランスミッションを3速にホールドし、上半身をハンドルバーにかぶせるようにしながらアクセルを全開にすると、同じ方向を走る周囲の車列は一瞬、止まる。次にはその車列が、もの凄い勢いで後方に吹っ飛んで行くのだ。けたたましいサウンドを撒き散らすこのモデルは、カワサキ500SSマッハⅢ。
国内では発売前のことでもあり、グレーのパールメタリックにブラックストライプ仕上げのマッハⅢの広報車両は、昨68年の東京モーターショーで発表された姿そのままに、目黒川に沿ったメグロの倉庫の片隅に置かれていた。ナンバープレートはトラック用に違...
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<バイク界の逸話>目標は「鈴鹿4耐」制覇! キーは算数で使う「分度器」?
鈴鹿4耐にスズキGSX400Eで挑戦!
バイクショップ「モーターサイクルドクターSUDA」の総代である須田高正さんには、世間をアッと言わせたエピソードがいくつもある。その中でも1980年と81年の、2年にわたる鈴鹿4時間耐久レースでの出来事は、本当に尋常ではない。須田さんは、このレースにスズキGSX400Eで挑戦した。このモデルのエンジンはDОHC4バルブの空冷2気筒で、チューニングパーツなど何ひとつ用意されていない。
同じ市販車でもエンジンだけ見れば、発売されて間もないカワサキZ400FXはDОHCヘッド(2バルブだったが)の空冷4気筒で、こちらの方が分がありそうに見えるのだが、須田さ...