アドベンチャーのF450GS、ネイキッドのF450Rに続き、BMWの新たな450シリーズ第3弾となるフルカウルスポーツ、F450RRがついに正式発表された。10月8日のティーザー画像公開以来、世界中のライダーが注目していた謎のミドルクラスの全貌が明らかになっている。

まとめ:吉岡直矢
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ティーザー公開を経て遂にヴェールを脱いだ待望のフルカウルスポーツ

BMWモトラッドは、アドベンチャーモデルのF450GS、そして10月2日に発表されたスポーツネイキッドのF450Rに続き、450シリーズの新たなモデルとしてフルカウルスポーツの「F450RR」を正式発表した。日本時間の10月8日深夜にウイングレットを備えたマシンのシルエットとともに「Something's waiting in the fast lane.」というティーザー予告が公開され、欧州時間10月15日の正式発表を示唆していたが、ついにその全貌が明らかになった。

画像: BMW F450RR 2027年モデル 総排気量:420cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:790mm 車両重量:177kg(ERC装着車178kg) 価格&発売時期:未発表

BMW
F450RR
2027年モデル

総排気量:420cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:790mm
車両重量:177kg(ERC装着車178kg)

価格&発売時期:未発表

F450RRは、欧州のA2ライセンスカテゴリーに対応する48馬力クラスの軽量スーパースポーツであり、BMWの誇るRRファミリーへの新たなエントリーモデルとして位置付けられている。日本では大型二輪免許カテゴリーに属するが、F450GSの人気ぶりを見ればF450RRも大きな存在感を放ちそうだ。

S1000RR譲りのアグレッシブなフォルムと洗練されたライディングポジション

スタイリングは、フラッグシップモデルであるS1000RRのデザイン言語を色濃く継承。強めの前傾姿勢によりフロント荷重を意識したシルエットや、アイコンであるRRフライライン、フロントカウルに装備されたウイングレット、右サイドのエアディフューザー(エラ形状)、スプリットフェイスなど、ひと目でRRファミリーと分かるアグレッシブな造形が与えられている。左右のLEDポジションライトには、S1000RRとよく似た表情のデイタイムランニングライトが組み込まれる。

画像1: S1000RR譲りのアグレッシブなフォルムと洗練されたライディングポジション

ライディングポジションは、鍛造アルミ製トップブリッジに直接マウントされたクリップオンハンドルと緻密に計算された三角形(ハンドル、シート、ステップ)により、スポーティでありながら快適性も両立した弱めの前傾姿勢を実現している。容量14Lの燃料タンクとボディワークはニーグリップしやすい形状とされた。

画像2: S1000RR譲りのアグレッシブなフォルムと洗練されたライディングポジション

標準シート高は790mmに設定されており、純正アクセサリーのローシート(-15mm)やハイポジションのスポーツシート(+20mm)を選択することで、775mmから810mmまで自分に合わせたシート高の設定が可能だ。チェンジペダル、ブレーキペダル、サイドスタンドは鍛造アルミニウム製とされ、タンデムステップブラケットがリアフレームにボルト留めされている点もスポーツ走行派にはありがたい。

135度位相クランクを採用する420cc並列2気筒エンジン

画像: 135度位相クランクを採用する420cc並列2気筒エンジン

パワーユニットには、F450GSやF450Rにも搭載される新開発の420cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒エンジンを採用。ボア72mm×ストローク51.6mm、圧縮比13.0:1のショートストローク設計で、最高出力は48PS/8750rpm、最大トルクは4.38kgf・m/6750rpmを発揮する。わずか3000rpmという低回転域から最大トルクの80%を発生させるという低中速域の力強さも特筆ポイントだ。

エンジン構造の大きな特徴が、クランクピンを135度オフセットさせた独自の位相クランクだ。不等間隔爆発による独特のなサウンドとフィーリングを生み出しつつ、一次バランサーシャフトとの組み合わせによってライダーに伝わる不快な振動を抑制。

さらに、クラッチやトランスミッションのカバーにはマグネシウム素材が採用され、ステンレス製アンダーフロアマフラーとともに低重心化と軽量化に貢献している。WMTCモードでの燃料消費率は100kmあたり3.8リットル(約26.3km/L)を達成し、容量14Lの燃料タンクとの組み合わせで理論上は350km以上の航続距離を確保した。

イージーライドクラッチ(ERC)と高度な電子制御システム

トランスミッションは6段リターン式で、シフトアシストプロを組み合わせることでクラッチ操作を行わずに迅速なシフトアップ/ダウンが可能。サーキット走行を考慮して、チェンジパターンを逆チェンジ仕様へ容易に変更できる設計も取り入れられている。

さらに注目の機能として、F450GSやF450Rと同様に遠心クラッチ機構を利用したイージーライドクラッチ(ERC)仕様も設定される。これはエンジン回転数に応じて自動でクラッチを断続する、日本のF.C.C.によるシステムで、発進時や停止時にクラッチレバーを操作する必要がなくなる。また、減速時には停車直前までクラッチが接続された状態を維持するため自然なエンジンブレーキが得られ、アイドリング回転まで下がると自動で切れるためエンストの心配も不要だ。

手動のクラッチレバーもそのまま残されているため、ライダーの意図に応じた手動操作でいつでも介入できる。特にライダーの好みや状況で手動操作を使いたくなる低速ターンの際などにはこれがありがたい。

電子制御も充実しており、レイン、ロード、レースの3つのライディングモードを標準搭載。さらに、バンク角に対応したBMW Motorrad ABS Proをはじめ、ダイナミックブレーキコントロール(DBC)、ダイナミックトラクションコントロール(DTC)、エンジンドラッグトルクコントロール(MSR)などの安全装備が網羅されている。上位グレード等に搭載されるライディングモードプロでは、各種制御の割り込み具合を個別に設定できるレースプロモードが追加される。

鋼管スペースフレームと177kgの軽量車体がもたらす軽快な足まわり

車体骨格には、エンジンを強度メンバーとして活用する鋼管スペースフレームを採用する。車重は標準仕様で177kg、ERC装備車でも178kgに抑えられ、ホイールベースは1405mm、キャスター角は23.4度、トレールは110mmと、軽快なハンドリングと高い走行安定性を両立する設定だ。

画像1: 鋼管スペースフレームと177kgの軽量車体がもたらす軽快な足まわり

足まわりには、フロントにΦ43mmのKYB製倒立フロントフォーク(ホイールトラベル140mm)、リアにはアルミ中空キャスト製スイングアームとKYB製センタースプリングストラット(ホイールトラベル140mm)を採用。スポーツサスペンション仕様ではフロントフォークの伸/圧とも減衰力調整が可能となっている。

ホイールは前後17インチの鋳造アルミ製で、前輪110/70ZR17、後輪150/60ZR17のラジアルタイヤを組み合わせる。ブレーキシステムは、フロントにΦ310mmシングルディスクとブレンボ製4ピストンモノブロックキャリパー、リアにΦ240mmディスクとバイブレ製シングルピストンキャリパーを採用し、強力な制動力を確保する。

画像2: 鋼管スペースフレームと177kgの軽量車体がもたらす軽快な足まわり

コクピットには6.5インチのTFTカラーディスプレイとUSB-Cポートを配置し、スマートフォン接続によるナビゲーション機能や通話・音楽再生に対応。グリップヒーターも標準装備するのはさすがBMWといったところか。

4グレードによるラインナップ構成

カラーリングおよびグレードの構成は、全4パターンの展開だ。

1つ目は、コズミックブラックのカラーリングを纏うベースモデル。

2つ目は、レーシングレッドのボディカラーにシフトアシストプロとスポーツサスペンションを追加装備したスポーツ。

3つ目は、ホワイトフレームやMモータースポーツカラーのリムステッカーを施したスノーフェルホワイトの車体に、ライディングモードプロ、シフトアシストプロ、スポーツサスペンションを標準装備したMスポーツ。

4つ目は、Mスポーツの装備に加えてイージーライドクラッチ(ERC)を標準搭載する最上位グレードのMスポーツ・イノベーションパッケージとなっている。

日本市場への投入時期や価格などは未発表だが、楽しみなミドルクラスの発売を心待ちにしたい。

画像: F450RR M Sport with Innovation Package[Snaefell white / M Motorsport with a white frame and rim stickers in M Motorsport colors]

F450RR M Sport with Innovation Package[Snaefell white / M Motorsport with a white frame and rim stickers in M Motorsport colors]

画像1: アクセサリー装着車

アクセサリー装着車

画像2: アクセサリー装着車

アクセサリー装着車

BMW「F450RR」の主要スペック

全長×全幅×全高2002×770×─mm
ホイールベース1405mm
シート高790mm
車両重量177kg(ERC仕様=178kg)
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量420cc
ボア×ストローク72×51.6mm
圧縮比13.0
最高出力35kW(48PS)/8750rpm
最大トルク43N・m(4.38kgf・m)/6750rpm
燃料タンク容量14L
変速機形式常時噛合式6段リターン
ブレーキ形式(前・後)油圧式ディスク・油圧式ディスク
タイヤサイズ(前・後)110/70ZR17・150/60ZR17
乗車定員2名
燃料消費率(WMTCモード値)26.3km/L
価格&発売時期未発表

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    コズミックブラック(Base)
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    レーシングレッド(Sport)
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    Mモータースポーツ(M Sport)
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    Mモータースポーツ(M Sport ERC)
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    Mモータースポーツ(M Sport ERC)
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