文:小川 勤 写真:南 孝幸
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ビモータ「KB998 Rimini」インプレ(小川 勤)

BIMOTA
KB998 Rimini
2025年モデル
総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:830mm
車両重量:207kg
価格:693万円
発売:2025年11月8日
美しさと速さを兼備するSBKレースベース車
レースで勝つために生まれたビモータ。それが、ZX-10RRエンジンをオリジナルフレームに搭載するKB998リミニだ。その挑戦は、まず見た目からしてユニーク。パフォーマンスだけでなくクラフトマンシップまで追求する姿勢は、いかにもビモータらしい。
フルカーボンボディに内包されるフレームは、エンジンに寄り添うようにレイアウトされたスチールパイプトレリスと、超巨大なアルミブロックから削り出されたパーツを組み合わせたハイブリッド構造。スイングアームも同様にアルミ削り出しで、思わず車体の裏側まで覗き込みたくなる。
693万円という価格は敷居の高いものだが、そのディテールから伝わる手間暇がそれを納得させ、量産車という常識から逸脱した存在であることがわかる。まさに職人が作り上げたレーサーだ。
以前、一般道で試乗した際は、ソリッドさが際立ち、計算し尽くされたディメンションを走らせる感覚が、コーナーで筆者を大いに興奮させた。圧倒的なパフォーマンスを特別なシャシーで走らせている感覚は、まさに別世界。そして、まるでレーサーのようなパワフルなエンジンが、2000回転から常用できることや、クルーズコントロールを標準装備していることにも驚かされた。

今回は袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで試乗。板のように硬く高いシートに跨り、低いハンドルへ手を伸ばす。ライディングポジションはスーパースポーツの中でもかなり厳しい部類。跨った瞬間からレーシーな香りが立ち込め、そこに優しさはないが、ブレーキレバーを握ると可変ウイングがピョコピョコと動くあたりには、イタリアンならではの遊び心が感じられる。
サーキットでは、まさにレースベース車といった印象だ。国産スーパースポーツのような万人向けの味付けではなく、その性能を発揮するには、ある程度のセットアップが必要になる。

サスペンションはかなりハードで、このコースのアベレージスピードだとハンドリングはやや重め。また、コーナー進入前半で、スロットル全閉から微開にした際のツキが良すぎるため、上手くパーシャル状態を作れず、理想的なラインに乗せづらい。十分なスキルがあればスピードを乗せたままスロットル閉めっぱなしで旋回することも可能だろうが、筆者には困難だった。

それでも立ち上がりのパフォーマンスは感動的だ。ZX-10RR譲りのスペシャルエンジンが吠える。200PSユニットが生み出す咆哮は、カワサキ製並列4気筒の極みだ。1万回転を超えてもなお、どこまでも鋭く回ろうとする感覚にはゾクゾクさせられ、スペック以上に回転が上昇していくフィーリングが気持ちいい。
走り出した瞬間からライダーに馴染むような優しさはないものの、それは攻略する楽しみとも捉えることができる。一筋縄ではいかないところも、KB998リミニのキャラクターとして割り切って楽しみたい。

心地よい疲労感に包まれながら、サーキットに佇むKB998リミニに魅入る。やはりこのバイクにはサーキットが似合うし、たまらなく美しい。スーパースポーツというカテゴリーにもイタリアン特有の美しさを与えるのがビモータで、その存在は唯一無二。この高い趣味性を、存分に謳歌していただきたい。
ビモータ「KB998 Rimini」ライディングポジション・足つき性
シート高:830mm
ライダーの身長・体重:165cm・68kg


乗車時にほとんどサスペンションは沈まず、両足をつくのは厳しい。ポジションはかなりの前傾。タンクも長く大きいため、小柄なライダーにはかなりキツイ。車格も大柄で、腰を大きくズラしていると筆者の場合、ステップが低く感じる。
