文:太田安治 写真:南 孝幸、松川 忍 撮影協力:東京ドイツ村
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カワサキ「Z1100 SE」インプレ(太田安治)

KAWASAKI
Z1100 SE
2026年モデル
総排気量:1098cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:815mm
車両重量:221kg
価格:176万円
発売:2026年2月14日
意外なほどの優しさで、流しても爽快なファイター
“ストリートファイター"と呼ばれるモデル達は、スーパースポーツに迫る動力性能と、公道での扱いやすさを犠牲にしない車体設定、ハンドルに入力しやすいライディングポジションというパッケージングが特徴。スキルのあるライダーが振り回すイメージがあるが、多くのライダーは普段使いでの乗り味も気になるはず。今回は街乗りと駆け足ペースのワインディング走行で、新型Z1100 SEのパフォーマンスを検証した。
エンジンと車体の基本構成はスポーツツアラーのニンジャ1100SXに準じているが、フルカウルを脱いでシャープな造形のヘッドライトユニットを採用して雰囲気は一変。カワサキが「Sugomi(凄み)デザイン」と呼んでいるように、猛獣が獲物を睨み付けるような威圧感を漂わせている。

ところが、乗ってみると、獰猛な外観に反して、乗り手には意外なほど優しい。低中回転域からトルクが湧き上がってくる4気筒エンジンはゼロ発進がたやすく、早めにシフトアップして低い回転域で走らせてもグズらないどころか、6速・アイドリング回転からスロットルをワイドに開けてもノッキングを起こさずスムーズに速度が増していく。
この力強さに加え、レスポンスに唐突さがなく、微妙な速度コントロールしやすいことも街乗りでの扱いやすさを生んでいる。
とはいえ、6000回転あたりから1万回転程度までのパワーは強烈そのもの。最新の6軸IMUを搭載し、ABSやトラコンをトータルでコントロールする電子制御は感心、というより感動するほど秀逸で、路面状況の変化やライダーの操作ミスをかなりの範囲までカバーしてくれる。
加えて、5速、6速のギアレシオをロング(高速型)設定としてクルージング中のエンジン回転数を抑え、せわしなさを解消していることも見逃せないポイントだ。

ツアラー指向のニンジャと決定的に異なるのがハンドリング。幅広かつ前寄りのハンドルバーで、前輪に掛かる荷重が多いため、ライダーの操作に対する反応がダイレクトで、コーナリングの一時旋回力が高く、フロントからグイッ! と向きを変えていくダイナミックな感覚がある。この『SE』はフロントにショーワのSFF-BP、リアにオーリンズのS46ショックユニットを装備していて、旋回中の安定感と接地感、公道での乗り心地を絶妙にバランスさせたセッティングになっている。
スポーツライディングではフロントフォークが動き過ぎて車体姿勢の変化量が大きくなるが、前後ともスプリングプリロードと減衰力の調整機構を備えているから、サーキット走行向きにセットアップする楽しみもある。

パワー特性もハンドリングも前モデルのZ1000より公道での扱いやすさと快適さを意識した仕上がり。ニンジャの「ロングツーリング中にワインディングも楽しめる」というキャラクターに対し、「ワインディング比率が多めのショートツーリングが爽快」という溌剌とした性格を持っているのがZ1100だ。
カワサキ「Z1100 SE」ライディングポジション・足つき性
シート高:815mm
ライダーの身長・体重:176cm・63kg


Z1000からハンドル形状を変更。上体を前傾させると車体を上から抱え込むような感覚になるが、SSモデル的な深い前傾ではないから街乗りが苦にならない。シート高は815mmで、車格の割に足つき性は良好だ。
