モチーフの’90年代スポーツを素材質感から再現してみる

ヤマハヨーロッパがカスタムビルドの後押しをしてこれからのバイクやバイクライフのヒントを作る企画、ヤードビルト(Yard Built)。今回は’25年に作られた“XZR900サンダーボルト〟を紹介してみよう。XZRと書いてあるけど車名はXSR900じゃないの? と思いそうだが、その作り込みと成り立ちを見れば納得できるかもしれない。
製作したのはイギリス・ロンドンでハッシュモトを運営するマーク・ベルさん。’80~’90年代のレーシングシーンが好きで、“オールドスクールルックにモダンパフォーマンス”を標榜しながら当時のレーサーをモチーフにしたヘリテイジ・カスタムレーサーを手がけてきた。全日本戦や鈴鹿8耐、AMAスーパーバイクを走るヨシムラGSX-R750の姿をGSX-R1100に投影したり、’90年代ファクトリーレーサーのイメージをGSX-R1000K9に盛り込んだりといった具合だ。もちろんレースでもそれらを走らせる。
そんな中で出会ったのが、XSR900だった。今のヤマハの主力3気筒エンジンにアルミフレーム等、まさに現代スペックを生かしながら往時スタイルの外装をまとったネオクラシック。そこにマークさんは、自身の好きな時代のヤマハのレーサー、あるいはレプリカの姿をオーバーラップすることをひらめく。TZR250にYZR500、FZR750……と、多くの車両の画像を集めて、どう再解釈するといいかを検討していく。

タンクも含めてオールアルミ、ハンドメイドで外装が作られる。これは従来のモデルでも手がけてきたマークさんの得意分野。でもそれだけにとどまらず、サーキットで走らせるから車体側はレーシング仕立てに。前後の3本スポークホイール
は往時を思わせるダイマグ、テールを上げてリヤサスのリンクを削り出し、MaxtonショックやHELブレーキシステムといったイギリス発のチューニングパーツを使っていく。動力系もSeton Tuningで再マッピングを行い10%のパワーアップを達成。そうして’90年代風味たっぷりのカラーリングを施して完成する。
ところで冒頭で触れた車名はというと、ベースの「XSR」にかつてのレーサー&レプリカの「FZR」を重ねて「XZR」。そして’90年代後半ヤマハスポーツのYZF1000Rサンダーエース、YZF600Rサンダーキャットから自然に「サンダーボルト」が思い浮かんで、これを合わせたとのこと。
ヤマハ自体もXSR900を元にフロントカウルを加えるなどして’80年代レーサー風味で仕立てたXSR900GPを送り出し、純正アクセサリーでビキニカウルやシートカウルを用意しているけれど、こんなもうちょっと進めた解釈も楽しいと思える仕上がりを得ている。なおハッシュモトではこのXZR900サンダーボルトのオーダー製作、アレンジも受け付ける(他の車両も可)とのこと。連絡はインスタグラムの @haxchmoto またはHPを通じてとなる。
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Detailed Description 詳細説明

Haxch Motoのマーク・ベル(Marc Bell)さん。家具デザインを学びインテリアや建築用オーダーメイド金属加工の職に就いた後、サーキット走行に目覚めてコースを走れるカスタムレーサー製作を手がけるようになったという。

トップブリッジにはHAXCHのロゴ文字が刻まれバフ仕上げ。フロントマスターやステンレスメッシュのブレーキラインには英・HEL製を使う。

アルミツインスパーフレームは純正ブラックを剥がして磨き込み、レーサー風に見えるヘアライン仕上げ(マークさんの得意分野という)で別物感も見せる。フューエルタンクも当然のようにアルミ製だ。

一見純正流用や樹脂製かと思えるフロント&テールカウルなど外装もマークさん/ハッシュモトのハンドメイド品。

サーキットを走るカスタムとしてディメンションや軽量化にも配慮する。フロントフォークのインナーカートリッジはMaxton Suspension製でブレーキキャリパーはHEL、ホイールはダイマグと、足まわりパーツはHaxch Motoと同じイギリスメイドで構成される。

キャスターとトレールを減らすためリヤのリンクを削り出し、削り出しボディのGP7リヤショックはMaxton Suspension製だ。






