イタリア・ボローニャ。ドゥカティの魂が宿るその聖地で、新型「ハイパーモタードV2」の国際メディア試乗会が開催された。第4世代に生まれ変わった最新マシンの進化ぶりをケニー佐川が読み解く。
文:佐川健太郎写真:ドゥカティ
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ドゥカティ「ハイパーモタードV2/SP」インプレ(佐川健太郎)

画像: DUCATI Hypermotard V2 総排気量:890cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:880mm(SP)/865mm(STD) 車両重量:177kg(SP)/180kg(STD) 予想価格:199万円 (STD)/249万円(SP) 標準モデル(上写真)は街乗りにも適したシックな装い。エンジンとシャーシはSPと共通でパニガーレV2譲りのモノコック構造。赤いサブフレームは初代から伝統のトレリスタイプに戻った。サスペンションはKYB製。

DUCATI
Hypermotard V2 

総排気量:890cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:880mm(SP)/865mm(STD)
車両重量:177kg(SP)/180kg(STD)

予想価格:199万円 (STD)/249万円(SP)

標準モデル(上写真)は街乗りにも適したシックな装い。エンジンとシャーシはSPと共通でパニガーレV2譲りのモノコック構造。赤いサブフレームは初代から伝統のトレリスタイプに戻った。サスペンションはKYB製。

速さだけではない〝操る歓び〟の再発見

初代登場から20年。ハイパーモタードはついに大きな転換期を迎えた。長年の象徴だったデスモドロミック機構や鋼管トレリスフレームを手放し「より軽く、速く、扱いやすく」を純粋に突き詰めた。新型V2は従来のドゥカティ像を大胆に塗り替えた一台となるであろう。

細マッチョなボクサーのようにシェイプアップされた車体は、大排気量モデルとは思えないほど軽い。880mm(SP)という高めのシート高にもかかわらず、スリムに絞り込まれた車体のおかげで威圧感は希薄。跨った瞬間から身体と自然に馴染み、まるで以前から乗っていた愛車のような感覚さえある。

搭載される890ccの新世代Lツインは実に刺激的だ。吸気可変バルブ機構IVTにより、歴代最強となる120PSとワイドトルクを両立し、驚くほど扱いやすいキャラクターに仕上げてきた。低回転から太いトルクを発揮し、コーナー立ち上がりではフロントがふわりと浮き上がってくる。

でも従来型950のような荒々しさではなく、回転フィールは驚くほど滑らか。アクセル操作に対して実に自然に加速していき、高回転域まで一気に吹け切る。気づけばモデナ・サーキットの短いストレートでも200km/hを軽く超えていた。

そして注目は徹底した軽量化だ。新たにモノコックフレームや両持ちスイングアームを投入し、先代比で13kgも絞ってきた。特に今回試乗したSP仕様は177kgという、もはや400ccクラス並みの軽さである。

オーリンズ製サスペンションと鍛造ホイールの組み合わせも秀逸で、フットワークは軽快かつ安定感があり接地感も豊富。ワイドハンドルに軽く入力するだけで、車体は驚くほど俊敏にインへ切り込んでいく。このダイレクト感はモノコックフレームによるところが大きいと思う。

画像: Hypermotard V2 SP

Hypermotard V2 SP 

コーナリング中は前後の長い足が旋回Gをため込み、ディアブロ・ロッソIVコルサが強烈なグリップで路面を蹴とばして加速する感覚が楽しい。

さらに最新6軸IMUによる電子制御もフル装備し、ハイパーモタードらしい〝ヤンチャさ〟を現代のテクノロジーでさらに磨き上げている。その中でもライダーのハートを射抜く〝遊び心〟ともいえるのが「スライド・バイ・ブレーキ」だ。リアブレーキ操作に合わせてABSが滑り量を緻密に制御し、進入スライドをサポートしてくれる。

もちろん度胸と相応の進入速度は必要だが、かつてはトップライダーだけの世界だった超絶テクニックが現実的な距離まで近づいてきた。丸一日サーキットを走っても疲労感が少なく、まだ走りたいと思えたことが意外だった。軽さと扱いやすさで体力を温存できたのだろう。

ハイパーモタードV2は単なる高性能マシンではない。〝操る歓び〟そのものを思い起こさせてくれるバイクなのだ。

ドゥカティ「ハイパーモタードV2 SP」ライディングポジション・足つき性

シート高:880mm(SP)
ライダーの身長・体重:179cm・73kg

上体が起きた見晴らしの良いライポジ。SPのシート高は880mmで従来型と同じだが、形状がスリムになり足つき性は向上。ちなみにオプションのローシートで865mm、標準仕様はさらにローサスペンションで850mmまで下げられる。

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