林道じゃ『DR-Z4S』のフルパワーのAモードなんて絶対使わないと思ってた……
突然の雨に絶望しかけた私(北岡)でしたが、天気予報は再びハズれて一気に晴天へ! そこで感じたのは意外なほどに楽しいオンロードでのコーナリング性能でした。
やっぱり『パワーがある』っていうのは単純に楽しい! 林道以外は楽しくない……そんな心配とはDR-Z4Sは無縁です!
でもね、オフロードはオンロードとは全然違うから。
パワーだけあってもダメなんです。この時点で私にとってDR-Z4SのMAX38馬力は「凶器」のように感じられていました。一度、そのパワーに翻弄されて転倒した経験が頭から離れません。

勇気を出して行くか。身長に。林道区間は約15kmくらい。
Vストローム250SXでこの道を走った時はド雨だったけど思った以上に楽しかった。まさかDR-Z4Sが「それ以下」なんてことにはならないはず。
期待に胸を膨らませつつも、しっかりSDMS(スズキドライブモードセレクター)を最も安心な『C』へセット!
いざオフロードへ!

えっと、ねぇ……
平和?
というか何も起こらない。こう言ってはアレですが、私程度の腕前でも「平和すぎてツマラナイ」と感じるほど。DR-Z4Sの車体性能があればVストローム250SXよりも楽に走れるだろうと予想していましたが……楽すぎて逆に物足りない。
オフロードでの安心感、こんなに違うものなのか。

ちなみに、ここに至るまでの道程の中で「ひょっとしたら前後サスペンションはちょっと硬めに感じるかもしれない」と予想していました。400ccエンジンの高出力に見合ったセッティングになっている気配を感じていたんです。
でも実際にダートに入ってみたら初期セッティングのままでもぜんぜん余裕。突き詰めていけば林道に合わせて、もう少しサスのセッティングをしなやか方向に変えたくなるかもしれないけど、今回の「御荷鉾山スーパー林道」を普通のペースで楽しむぶんにはノーマルのままで十分です。タイヤの空気圧も規定値のままで問題ありません。

Vストローム250SXの時はもっとこう「がんばって走ってる感」があったし、それを楽しいと思っていたんだけど。
DR-Z4Sはどうやら棲む世界が違うみたい。レベルが違うと言ってもいい。
というか、林道でフルパワーの『A』モードなんて絶対に使うことなんて無いと思っていたのに!?

Aモードにしたい気持ちが抑えられませんでした。トラクションコントロールは『1』で保険を掛けつつですが(笑)
でも、そこからめちゃくちゃ楽しくなった!?
どこからでも瞬時に欲しいパワーを引き出せる安心感。すこしバランスを崩しかけてもアクセルオンで強硬突破! なんならちょっとした段差にわざとフロントをぶつけてフロントアップを試してみたり、ワダチを使ってコーナーを楽しんでみたり。
うわぁ……イイぞ。これは面白いッ!?

あと、スゴいことに気づいた!
フルパワー『A』モードなんだけど、アクセル全閉からほんの1mmだけ開ける、加速体勢に移るその瞬間のパワーがものすごく繊細に制御されてると思う。これはキャブレター車じゃ絶対に無理なフィーリング。
それを使ってバイクを優しく加速体勢に移行させてから、その後は400ccのパワーでドンッ!

ちょっとくらいガレてきてもおかまいなし(笑)
優秀なサスペンションと新設計フレームの安心感、電子制御の後ろ盾に守られつつだけどDR-Z4Sのパワーをちゃんと楽しめる!
先にも同じことを言ったけど「必要なパワーをいつでも必要なだけ取り出せる」ことが絶大な安心感につながっていました。ひょっとしたらこの部分こそが旧DR-Z400Sに対する『新型』の最大のアドバンテージなのかもしれません。

私のライディングスキル基準だと、DR-Z4Sは林道を「楽に走れるバイク」なんだと思っていたけど違ったみたいです。
これはオフロードを積極的に楽しみたくなるバイク。ダートの感触をもっと味わいたいと言うか、走ることを突き詰めたくなる!
DR-Z4Sで走る林道、めちゃくちゃ楽しい!?

ダート区間の約15km、あっという間に終わっちゃいました(笑)
この時点で私の脳内にあったのは『往復したい』という気持ちです。Vストローム250SXの時はそうは思いませんでした。でもDR-Z4Sは『もっとこのバイクで舗装されていないダートを楽しみたい!』という気持ちでいっぱいに。
だが今回は、先へ進まなければならない理由がある!
それが…………

御荷鉾山スーパー林道の展望台だッ!
【③ ツーリング編】からお読み頂いているかたには説明不要だと思いますが、昨年Vストローム250SXでここに来た時は雨と霧で真っ白でした。あの時に私は「次こそは……」という誓いを立てていたのです。
念願、叶ったり!
最高。文句なし。例えばオフロード初心者の人がDR-Z4Sを買ってこういう経験をしたら、たぶん愛車のことをもっと好きになっちゃうと思う。

スズキさんがこのバイクの試乗会で『ライダーのスキルアップに合わせて長く付き合える1台』だと言っていたのを思い出しました。
オフロードコースでのメーカー試乗会ではそれどころじゃなかったけど、今日、その意味がわかったように思います。DR-Z4Sは『これから林道デビューの人』にも楽しめるバイクだと納得した。
だって『もっと色んな林道に行ってみたい!』 って欲が出て止まらない!?
(下に続きます)
こんなのオフロード初心者の人が買ったら、たぶん泥沼だぞ? さらに刺激的な林道を求めて各地に遠征を繰り返すオフロードジャンキーが育つ未来しか想像できません。
そして今回、いちばん伝えておきたいのは!

DR-Z4Sってピークパワー38馬力に目が行きがちだけど、本当に大事なのはそこじゃなかったという事実です。それ以上に重要なのは排気量400ccならではのトルクと、そのトルクを扱いやすく、いつでも瞬時に取り出せること!
メーカー試乗会での経験からDR-Z4Sはエキスパート限定バイクだと思っていたけど、それは大間違いでした。実際は『エキスパート“も”楽しめるバイク』だったみたい……
スキルに関係なく林道で心が燃える!?
DR-Z4Sって、実はそういうバイクだったんです!










