BMWがRシリーズに導入しているASA(Automated Shift Assistant)は、クラッチレバーの操作が不要で、ライダーの手間を軽減しながら、一方でシフト操作を駆使してバイクを操る、マニュアルの楽しさも味わえる新世代トランスミッション。今回はその魅力を、最新RシリーズのASA搭載モデルに試乗しながら検証してみよう!
写真:南 孝幸 文:太田安治、オートバイ編集部
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クラッチ操作から解放され、ATもマニュアルも楽しめる!

BMWのASA搭載車は全部で5モデル!

画像: 左から「R1300GS TOURING ASA」「R1300R TOURING ASA」「R1300GS ADVENTURE TOURING ASA」 「R1300RT ASA」「R1300RS TOURING ASA」

左から「R1300GS TOURING ASA」「R1300R TOURING ASA」「R1300GS ADVENTURE TOURING ASA」
「R1300RT ASA」「R1300RS TOURING ASA」

「ASA」って何? その仕組みと特徴

キモは「スパイラルギア」!

画像: BMWのRシリーズに搭載している新世代トランスミッションが「ASA(Automated Shift Assistant)」。その内部機構。

BMWのRシリーズに搭載している新世代トランスミッションが「ASA(Automated Shift Assistant)」。その内部機構。

BMWの「オートマチック・シフト・アシスタント(ASA)」は、クラッチ操作なしでスムーズな発進・変速を可能にする新世代トランスミッション。従来のMTに電動アクチュエーターと電子制御ユニットを組み合わせ、クラッチとシフトチェンジの操作をアシストするシステムである。

画像: らせん状の溝を切ったスパイラルギアがアクチュエーターモーターで回転し、その溝に連動したアームがクラッチマスターの油圧を変化させ、絶妙なクラッチワークを実現する。

らせん状の溝を切ったスパイラルギアがアクチュエーターモーターで回転し、その溝に連動したアームがクラッチマスターの油圧を変化させ、絶妙なクラッチワークを実現する。

変速時にはスロットル開度や車速、エンジン回転数などを検知してクラッチを自動で切断・接続するが、ASAはクラッチの制御機構がユニークで、らせん状の溝が刻まれたギアとアームを組み合わせ、クラッチのマスターシリンダーの油圧をシームレスに変化させるよう工夫されているのが特徴。シフトショックの少ない滑らかな変速が可能となったほか、走行状況に応じて変化するATモードのシフトスケジュールも煮詰められている。

基本的にエンストがないので、R1300GSのような大型車でも低速時の扱いに不安がなく、エンジンブレーキの自然な感覚も維持されているので、スポーティな走りでの一体感を損なわない点もポイントだ。

思わず感心するほどの自然でスムーズな制御

正直なところ、僕は手足の動きを協調させて操ることがオートバイの醍醐味だと思っていて、これまで、それらの操作が苦痛だと感じたこともない。だからオートバイにATは必要ないと今までは考えていた。

だが、BMWのASA仕様車に数多く試乗してきて、今では、その見解を改めた。スポーツライディングでの操作性とダイレクト感はマニュアルミッション車と変わらず、淡々と移動するときはイージーかつ快適、というATならではのメリットを、このASAは上手に両立しているからだ。

まず感心するのがクラッチ制御。アイドリング回転から僅かに回転が上がると同時に半クラッチ状態に移行し、スロットル開度や車速に応じてクラッチが完全に繋がるまで実にスムーズに制御する。穏やかに発進して歩くような速度で進むことも、フル加速で猛然とダッシュすることもスロットル操作だけで自在に行えるのだ。

しかも10km/h以下まで減速してもクラッチが完全に切れて滑走することがなく、微妙な速度調整が可能だからAT車が苦手とするUターンもやりやすい。

『Dモード』の自動変速制御は快適のひとこと。シフトアップ/ダウンのタイミングが自然で、ショックもごく少ないからライダーの体が前後に揺すられることがない。これはATの制御プログラムが優れていることに加え、低回転域から太いトルクを発生するR1300シリーズのエンジン特性もあって、変速頻度が抑えられているからだ。

他メーカーのAT車が備えているマニュアルモードはハンドル左側のスイッチを指で操作するタイプがほとんどだが、ASAの『Mシフトモード』は通常のマニュアルミッションと同じくシフトペダルで操作する。シフトアップ時は瞬間的に駆動トルクを抜き、シフトダウン時は自動的にブリッピングを入れることで素早く滑らかにギアが切り替わる。

このシフト制御の巧みさは、ライディングスキルの高いライダーのマニュアル操作を超えるレベル。これまでマニュアル車だけに乗ってきたライダーでも違和感なく操作できることもASAの魅力だ。

BMW「ASA」関連動画

画像: The New Automated Shift Assistant (ASA) #MakeLifeARide #BMWMotorrad www.youtube.com

The New Automated Shift Assistant (ASA) #MakeLifeARide #BMWMotorrad

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ATモードとMTモードの一台二役!

AT/MTの切り替えはスイッチひとつ

画像: スイッチボックス左側の「D/M」スイッチでD=ATモードとM=Mシフトモードを切り替え可能。もちろん、ATモード中でも任意のシフトは可能。

スイッチボックス左側の「D/M」スイッチでD=ATモードとM=Mシフトモードを切り替え可能。もちろん、ATモード中でも任意のシフトは可能。

変速操作は使い慣れた“フットシフト”

画像: クラッチレバーはなくなったが、シフトチェンジ操作はボタンではなく、従来通りシフトぺダルで行なうので、マニュアル車に乗り慣れたライダーでも違和感がないのもポイント。

クラッチレバーはなくなったが、シフトチェンジ操作はボタンではなく、従来通りシフトぺダルで行なうので、マニュアル車に乗り慣れたライダーでも違和感がないのもポイント。

ASAの変速モードはATと「Mシフトモード」と呼ばれるMTモードがあり、MTモードの変速操作はハンドルスイッチではなくシフトペダルを操作するおなじみの方式。従来のMT車から乗り換えても違和感が少なく、スポーツライディングの醍醐味はそのままに、クラッチ操作の煩わしさを排除している。

エンジン停止時には、自動的にミッションはパーキングモードに切り替わるので、坂道などで停車した際も動き出す心配はない。パーキングモードはマニュアル解除も可能だが、エンジンを始動すれば自動でニュートラルに復帰するので手間もかからない。ただ、クラッチレバーがないので、万一バッテリー上がりが発生した際は、電源が復帰しない限り移動が難しくなるという弱点もある。

画像: Mシフトモードでのメーター表示。右下に現在選択中のギアポジションが表示され、その横の「M」がマニュアルモードを示す。

Mシフトモードでのメーター表示。右下に現在選択中のギアポジションが表示され、その横の「M」がマニュアルモードを示す。

画像: ATモード中はシフトポジション表示が「D」になり、その横に現在選択中のギア段数を表示。モード中での任意のシフト操作も可能。

ATモード中はシフトポジション表示が「D」になり、その横に現在選択中のギア段数を表示。モード中での任意のシフト操作も可能。

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