文:webオートバイ編集部 写真:南 孝幸
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新基準原付は従来の原付一種と「どこが違う」のか?

上掲は左より新基準原付のホンダ「スーパーカブ110 Lite」「ディオカブ110 Lite」「クロスカブ110 Lite」
出力を抑えることで原付免許でも運転可能
新基準原付とは、排出ガス規制の強化に対応するために制度上整理された、新しい区分の原動機付自転車のこと。こうした新カテゴリーが誕生した背景には、令和2年排出ガス規制以降、50ccエンジンでは基準を満たすことが技術的・経済的に困難になった事情がある。
こうした状況を受け、国土交通省がメーカー各社の要望も踏まえ、最高出力4.0kW以下の二輪車を「原付一種相当」として扱う制度を整備したわけだ。
この新基準では、排気量による一律の区分ではなく、最高出力を基準とする点が特徴。これにより、排気量が50ccを超えるエンジンであっても、出力を抑えた仕様であれば原付免許で運転可能となったのである。
日々の暮らしを支えるコミューターとして、原付一種のオートバイの需要が高い地域は多い。新基準原付は、ユーザーの利便性を維持しつつ、環境規制に適合した二輪モビリティを継続的に提供するための制度であり、今後の原付市場の需要を支える重要な枠組みでもあるのだ。
新基準原付のポイント5選
1.運転は原付免許でOK

ホンダ「スーパーカブ110 Lite」
新基準原付は、新たに登場したホンダの3モデルがいずれも排気量が110ccで、これまでの原付一種の50ccを越えているわけだが、いずれのモデルも出力が絞られており、国土交通省が定めた新基準原付としての規格をクリアしているので、道路交通法では原付一種として区分される。
もちろん、これらのモデルを運転するにあたっては従来の原付免許でOK。バイクの免許を取得していない人でも、四輪の普通免許があれば運転することができるのも、これまでの原付一種と同様。つまり運転に必要な資格は原付一種とまったく同じだ。
ちなみに、これから後述するが、交通ルールに関しても、新基準原付には従来の原付一種と同様のものが適用されている。
2.法廷速度は30km/h

新基準原付は原付一種と同じ。ということで、法定速度は原付一種と同じ30km/hに設定されている。ベースとなっているバイクはパワー、トルクに余裕のある原付二種モデルだが、性能は規格通り最高出力4.0kW以下に抑えられているので、30km/h以下で走行するのに適したパワー特性となっている。
30km/hでリミッターが効くわけではないので、もう少しスピードも伸びると思われるが、原付一種で30km/hを越えて走ると速度超過違反なので気を付けよう。あと、一部の陸橋やアンダーパスなど、原付一種の通行が禁止されている区間は当然通行できない。
3.二段階右折は当然必要

50cc以下の原動機付自転車と同じ新基準原付は、片側3車線以上の広い道路で右折する際、右折レーンなどを使った通常の小回り右折ではなく、2回信号に従って右折する通行方法、いわゆる「二段階右折」を行なう必要がある。
具体的には、交差点の手前で左側端に寄り、そのまま信号に従って直進して右折したい交差点を渡り、向こう側で停車。方向を変えてから、再び信号に従って直進で進む手順が必要である。片側3車線でない道路でも、二段階右折の標識が出ている場所ではこれを行なう必要がある。守らないと違反なので気を付けよう。
4.税金は原付一種と同じ

毎年4月1日時点でオートバイの所有者には「軽自動車税」が課されるが、新基準原付は区分上原付一種と同じなので、軽自動車税も原付一種と同じ2000円が課税される。ちなみに総排気量90cc以下の原付二種も年税額は同じ2000円。125cc以下のピンクナンバーだと2400円なので、ベースモデルよりは少しだけ安いことになる。
5.「ファミリーバイク特約」も利用可能

四輪の自家用車を所有していれば、任意保険に「ファミリーバイク特約」がある。これは自動車保険に付帯できる特約で、125cc以下の原付バイクを使用中の事故で、相手への賠償責任や、自分・家族のケガ(人身傷害型・自損傷害型)を補償するもの。もちろん新基準原付もこの特約の対象だ。保証の詳細は各保険会社に確認しておこう。
新基準原付 写真
文:太田安治、横田和彦、青木タカオ/写真:南 孝幸




