ルーキーのキレスがシーズン3勝目! 古里は連続で表彰台を獲得
長かったシーズンも残すところあと2戦。グランプリは、アジア・オセアニアラウンドを経て、ヨーロッパに帰ってきた。Moto3クラスでは未知の領域となるシーズン21戦目の舞台はポルトガル。他に類を見ない高低差が特徴のアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェが戦いの舞台となる。
難コースであるアルガルヴェでポールポジションを獲得したのはジョエル・ケルソ(LEVELUP-MTA)。2番グリッドにスコット・オグデン(CIP Green Power)、3番グリッドにはアンヘル・ピケラス(FRINSA - MT Helmets - MSI)がつけた。
前戦マレーシアで初優勝を上げた古里太陽(Honda Team Asia)は11番グリッド、そして来シーズンからMoto3クラスへの参戦が発表された三谷然(Honda Team Asia)がスポット参戦を果たし、19番グリッドからスタートする。

三谷は2024年のイデミツ・アジア・タレント・カップのチャンピオン。今シーズンはレッドブルMotoGPルーキーズ・カップ、FIM ジュニアGP世界選手権にも参戦している。
19周の決勝レースは、ポールシッターのケルソが好スタートを切り、トップのまま先頭集団を引っ張っていく。ケルソの後ろには、マキシモ・キレス(CFMOTO Gaviota Aspar Team)、ジョエル・エステバン(Red Bull KTM Tech3)が続いた。
序盤は先頭のケルソが逃げるかに思われたが、キレスをはじめ、エステバン、ピケラスらがバトルを展開しながらも喰らいつき、ケルソの独走を許さない。
そんななか、10周目のターン5でケルソがブレーキングミスを犯し、キレスがトップに浮上。先頭集団は複数台でのバトルとなったことで、ポジションを上げていた古里も追いつき5番手で周回を重ねていく。
各車レースを引っ張るだけのペースがないためか、逃げ切りを図る選手は現れない。そんななか、古里が12周目にトップに立ち、レースをリードしていく。
しかし、逃げるほどのペースが古里にもなく、14周目にはキレスに先頭を奪われる。先頭に立ったキレスはペースを上げ、その後トップを譲ることはなかった。
2番手に落ちた古里は残り2周でピケラスにもパスされ3位に後退。しかし、表彰台獲得に切り替え、3番手でゴールを目指した。

最終的に1.6秒差をつけたキレスがポルトガルGPを制した。
14周目にトップに立ったキレスがそのままリードを築きトップチェッカー。ルーキーながら今季3勝を達成した。2位にはピケラス、3位には古里が入り、マレーシアに続き連続で表彰台を獲得している。
三谷は初のGPをしっかり走り切り19位でフィニッシュ。ポイント獲得には届かなかったが、来季に向けてしっかりとマイレージを稼ぐことに成功している。
2025 Moto3第21戦 ポルトガルGP 決勝結果

得意ではないサーキットで表彰台を獲得して見せた古里。

レポート:河村大志


