福島県双葉郡大熊町に研究所を構える、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)にて製造されたバイオエタノールを使用した自動車用燃料による公道走行イベントが、2025年10月13日(祝日・スポーツの日)に開催された。
写真・レポート:山口銀次郎

バイオエタノール燃料を給油して約100kmをデモ走行!

画像1: バイオエタノール燃料を給油して約100kmをデモ走行!

今回の公道走行イベントは、バイオエタノールを使用した自動車用燃料を実際に車両に給油し、福島県大熊町の研究所から、高速道路走行も含みやや遠回りをしながら、福島市大笹生にある「道の駅ふくしま」までの道のり約100kmを走行するというもの。

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ここで、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合について簡単に説明しよう。

設立は2022年7月とまだ新しく、その研究内容は「カーボンニュートラル社会の実現のため、自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究」といった概要となっている。エタノール製造にあたっては、研究所のある地元福島にて栽培される植物を利用し、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現、地域貢献、さらには災害復興を担う取り組みとなっている。

画像3: バイオエタノール燃料を給油して約100kmをデモ走行!
画像4: バイオエタノール燃料を給油して約100kmをデモ走行!
画像5: バイオエタノール燃料を給油して約100kmをデモ走行!

製造するバイオエタノールは、食料と競合しない比可食植物のソルガム(稲科)を使用する。

ソルガムを使用するにあたって、サトウキビなど搾汁した汁を利用するのではなく、原料(茎や葉)そのものを使用することで製造工程が増えるという難点はあるものの、純度の高いエタノールを製造することが可能だという。

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研究所にて製造されたバイオエタノールは、燃料メーカーに持ち込まれガソリンと混合され自動車用燃料として活用される。今回の公道走行イベントに使用された自動車用燃料はバイオエタノール含有率が10%となっており、用意された車両は一般のものと変わらないガソリン仕様車であった。

画像: SUZUKI Hayabusa

SUZUKI
Hayabusa

次世代グリーンCO2燃料技術研究組合の組合員としてスズキ株式会社も名を連ねており、今回の公道走行イベントに四輪のフロンクスと、唯一2輪の参加となったHayabusaを用意し、記念すべきイベントに強いインパクトを与えていた。

画像: 福島県大熊町・吉田 淳町長

福島県大熊町・吉田 淳町長

画像: 経済産業省 資源エネルギー庁 燃料供給基盤整備課長 東 哲也氏

経済産業省 資源エネルギー庁 燃料供給基盤整備課長 東 哲也氏

福島県大熊町の研究所での出発式では、福島県大熊町・吉田 淳町長、経済産業省 資源エネルギー庁 燃料供給基盤整備課長 東 哲也氏らの挨拶の後、デモ車へのバイオエタノール燃料給油とテープカット式が行われた。

画像: 次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 中田浩一理事長

次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 中田浩一理事長

次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 中田浩一理事長の「持続可能燃料、今走り出す! 福島産バイオエタノール!」の掛け声のもと、デモ車が隊列を組み約100kmの旅へ出発! 

画像7: バイオエタノール燃料を給油して約100kmをデモ走行!

ゴールは「道の駅ふくしま」! 無事100kmを走破

画像: ゴールは「道の駅ふくしま」! 無事100kmを走破
画像: 経済産業省 福島復興推進グループ 佐野究一郎氏

経済産業省 福島復興推進グループ 佐野究一郎氏

画像: 福島県 福島イノベーション・コースト構想推進監 佐藤安彦氏

福島県 福島イノベーション・コースト構想推進監 佐藤安彦氏

「道の駅ふくしま」で執り行われた到着式では経済産業省 福島復興推進グループ 佐野究一郎氏や、福島県 福島イノベーション・コースト構想推進監 佐藤安彦氏らによる、走行した無事を労いつつ、環境問題や復興等の未来構想実現への手応えや想いで締められ閉会となった。

乗り心地は普通のガソリン車と同様!

画像: スズキ株式会社・システム制御設計部エンジン適合実験課主幹 芝野 謙氏

スズキ株式会社・システム制御設計部エンジン適合実験課主幹 芝野 謙氏

最後に、スズキ・Hayabusaにバイオエタノール燃料を使用し、100kmの実走行を行ったスズキ株式会社・システム制御設計部エンジン適合実験課主幹 芝野 謙氏に感想を伺ってみた。

「Hayabusaは完全にノーマルですが、普通のガソリンと乗り心地は変わりませんでした。天気も良く、快適な気温でとても楽しめました。今後は、国内でもエタノール含有量20%に向け規制やルールも決まってくると思いますので、スズキとしてもクルマを合わせ込んで対応していきます。グローバルな観点でもエタノール濃度の高い、その国の事情に合わせた車両を用意していきます」

写真・レポート:山口銀次郎

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