写真:HIRO ARIMORI
「ヘルメットの中で思わず微笑んでいたよ」


「Honda モーターサイクル ホームカミング 熊本 2025」のために熊本の地に降り立ったフレディ・スペンサー氏。1982年のデイトナ100マイルレースを制した、ゼッケン19番のCB750Fレーサーや、1985年にWGPの500ccクラスと250ccクラスを同時制覇、前人未到のダブルタイトルを果たした時のマシン、NSR500やRS250RWを見て満面の笑みを浮かべていた。

その後、HSR九州でホンダが用意したCB1000Fに緊急試乗。タイトなスケジュールゆえ、試乗時間が限られていたが「もう少し乗っていたかった」とは言いながら、スペンサー氏はCB1000Fをかなり気に入った様子だった。ということで、早速CB1000Fに試乗したスペンサー氏のファーストインプレッションをお届けしよう。(訳、まとめ:編集部)

「CB1000Fを最初に見て感じたのは、昔ながらのレトロなバイクと、現代のバイクの最高のコラボレーションだということ。ホンダらしいDNAを感じるし、あの頃のスーパーバイクが現代にまた蘇ったかのよう。レトロ感と最新モデルのスタイリッシュさがコラボした、素晴らしいバイクだと思うよ」
「僕はこれまで乗ってきた、すべてのバイクのことを覚えている。もちろん1982年のバイク(CB750Fレーサー)のこともね。ヘルメットをかぶっていたから、みんなには分からなかっただろうけど、CB1000Fに乗っている間、あの頃のことを思い出して、実はコースに出てからずっと微笑んでいたんだ。とにかく気持ちのいいバイクだったよ」

「スタビリティがよく、俊敏なバイク」
「僕はHRCでマシンの開発をしていた時から、バイクに対して3つのことを意識してテストをしていた。ひとつはライダーとマシンとの一体感、ひとつはアジリティ(敏捷性)。そして3つ目がスタビリティ(安定感)。その点で言うと、CB1000Fがすごいのは、あれだけ大きなバイクでありながら、走り出した時にとても軽く感じられること。これを実現するのはそうそう簡単なことじゃないんだよ。それにCB1000Fはとても俊敏だったんだ」
「エンジンのパワーフィールも良かったし、エレクトロニクスもいいと思う。短い試乗時間だったけれど、当時では考えられないぐらいの、GPマシンのようなパワーが出ているんだからすごいことだと思う。四角いメーターは大きくて見やすいし、レトロな中にもモダンなテクノロジーとの融合があって、とてもクールだと思うし、個人的には好みだよ」

「サスペンションやタイヤもあの頃と比べて飛躍的に性能が向上しているし、そのおかげもあってスタビリティも素晴らしいし、思った通りに向きを変え、俊敏に曲がってくれる。CB1000Fのファーストインプレッションとしては、とにかくスタビリティがよく、俊敏なバイクだということだね」
笑顔のままC B1000Fの試乗を終えたスペンサー氏。彼がスペシャルゲストとして登場した「Honda モーターサイクル ホームカミング 熊本 2025」の模様もじっくりご紹介するので、続報を楽しみにして欲しい。