以前、現行CT125・ハンターカブであるJA65のエンジンオイル&オイルフィルター交換をやってみたので、今回はJA55。JA65と違って、オイルフィルタースクリーンというものを使ってて、しかもクランクケースカバーを外さないとアクセスできないので、ちょっとハードルが高いけど愛車のために頑張ってみるよ。

JA55のオイルフィルタースクリーン清掃は結構大変

以前、JA65のオイルフィルター交換をやってみたんだけど、我が愛車JA55の場合はいわゆるオイルフィルターじゃなくオイルフィルタースクリーンというものが採用されてるのよ。ストレーナーともいうらしい。

そのオイルフィルタースクリーンのメンテナンスだけど、破損してなければ清掃だけで良いんだけど、問題はアクセスの難しさ。右側のクランクケースカバーを外さないといけないのよ。

JA65のオイルフィルターと違って、そこまで頻繁に清掃が必要なわけではないらしいけど、せっかくだからたまには掃除をしたい。というわけでカブ専門店のM&Fカビィさんに相談してみたよ。

JA55のオイルフィルタースクリーン清掃って、自分みたいなメンテ素人でも可能ですか?

画像1: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

必要な工具や消耗品が用意してあれば、難しい作業ではないですよ。
もちろん慎重かつ丁寧に作業するのは基本ですが。

お、よかった。意外と簡単そうな気配。

画像2: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

一点だけコツというか、注意点があるので油断しないでくださいね。

Rクランケースカバーを外すと、クラッチカムプレートまわりが外れるんですよ。オイルフィルタースクリーンを清掃後、クラッチカムプレートを正規位置に装着しつつクランクケースカバーを閉じるのが非常に大変です。

それ、友人とカブ90のクラッチ交換した時にやったことある気がします。うまく装着できなくて何時間もかかって、最終的にカビィさんに教えてもらってカブを横倒しにした記憶。

画像3: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

そうです、まさにそれです。

車体を立てていると非常に難易度が高いので、あらかじめ地面にマットなどを敷いて車体を横倒しにしておくとかなり作業が楽になりますよ

さらにいえば、同時にオイルやガソリンを抜いておくのもオススメです。せっかくオイルフィルタスクリーンを綺麗にするので、オイル交換もしておきたいですね。

なるほど、わかってきた気がします。では道具や消耗品揃えておきます。
オイルフィルタースクリーンって、清掃でも良いかと思うんですが万が一破れてたらいやなので、新品を用意しておいた方が良いですよね?

画像4: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

開けてみたら破れてたりすることも多々あるので、新品を用意しておくのは非常に良いと思います。
ちなみにオイルフィルタースクリーンですが、ちょっと小技というかオススメがあるんですよ。

ほうほうプロ技ですね。くわしく。

オイルスクリーンは純正流用もアリ

画像5: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

オイルフィルターは純正だと15421-KSP-910になりますが、同じくホンダ純正のこちらのオイルフィルタースクリーンが互換性もあり、非常に品質が良くてオススメです。

ほうほう、互換品なんですね。何が違うんですか?

画像6: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

ハンターカブ純正の15421-KSP-910は、中国製。15421-035-010は日本製になります。
実物を比較すると違いは一目瞭然で、15421-035-010の方が目が細かく周辺ゴム部分の作りもしっかりしてるのがわかると思います。

左が15421-035-010で右が15421-KSP-910。
メッシュ部分の表面処理も左はムラがないし、ゴム部分のはみ出しも左のが少ない。

画像1: オイルスクリーンは純正流用もアリ

反対側。形状は互換品だけあって一緒に見える。

画像2: オイルスクリーンは純正流用もアリ

なるほど、見えない部分のクオリティアップって最高です。
他にプロならではのオススメ技ってありますか?

画像7: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

基本的な部分ではありますが、うちではクランクケースカバーを開ける場合はキックスピンドルのオイルシールも必ず交換しています。

少量のオイル漏れ、オイルチビリなんていったりするんですが、この部分は非常にオイルチビリを起こしやすいんですよ。交換しておくことでトラブルを予防することができますよ。
高い部品でもないですし。

キック外した画像ですが、スピンドル周辺の黒い部分ですね。

画像3: オイルスクリーンは純正流用もアリ

もし漏れたらめんどくさそうですし、これも用意しておこう。
では、ちょっと消耗品や必要な工具をまとめてみますね。

必要な消耗品&必要な工具

必要な消耗品

Rクランクケースカバー ガスケット
オイルフィルタースクリーン
キックスピンドル オイルシール
ドレンワッシャー
オイル

オイルフィルタースクリーンとオイルシールはカビィのオンラインショップで購入。

Rクランクケースカバーのガスケットは11394-K73-T60。純正でも良いし、キタコからも出てるよ。

キタコ (KITACO) クランクケースカバーガスケット(右) グロム 70-966-14324

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ガスケットとかオイルシールって別々で買って煩雑だし、品番間違いが怖いんですよね。

画像8: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

JA55のオイルフィルタースクリーン交換に必須の、純正オイルフィルタースクリーン、純正キックスピンドルオイルシール、純正Rクランクケースカバーガスケットをセットにした、オイルフィルタースクリーン交換セットもありますよ。

お、じゃあ次回はそれ買います。

あと、オイルも交換するので新品オイルとドレンワッシャーも必要だよ。

ディーアールシー(DRC) アルミガスケットワッシャー M12×20mm 5枚入り ダートフリーク DIRTFREAK F7813(旧品番:D59-52-560)

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オイル交換の際には、できればオイルレベルゲージとオイルフィラーキャップのOリングも交換しておきたい。
オイルフィラーキャップのOリングはキタコからも出てるよ。新品の品番は91307-KRM-840

キタコ(KITACO) Oリング K-PIT (OH-01) オイルレベルゲージ/オイルフィラーキャップ用 CT125ハンター

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オイルレベルゲージのOリングは社外がみつからないので、純正を注文するしかなさそう。純正品番は91306-K64-N00ね。

画像9: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

オイルフィラーキャップとオイルレベルゲージのOリングについては定期的に交換しておくのをオススメします。
うちでは、JA55用のセットも用意していますよ。

オイル交換自体は簡単だけど、Oリングを揃えるのがめんどいんですよね。ありがたい。

必要な工具

各部を外すためのラチェットハンドル、ソケット類、トルクレンチは必須。Tハンドルとブレーカーバーもあると便利よ。ピックツールはプッシュリベットを外すだけなので、なくても大丈夫。

スタビドライバープラス
5mm六角棒レンチ
12mmメガネレンチ
8mmソケット
10mmソケット
12mmソケット
17mmソケット
19mmソケット
エクステンションバー
ラチェットハンドル
Tハンドル
ブレーカーバー
トルクレンチ
ピックツール
ラジオペンチ
スプリングフック

スクレーパー
オイルストーン
メンテナンスマット
手動ポンプ
ガソリン携行缶

オイルパン
オイル処理用品

ピックツールはこういうの。プッシュリベットを外すのに便利よ。

(STRAIGHT/ストレート) オーリング シールピックツールセット 4ピース 12-881

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クランクケースカバーを外した時に、古いガスケットを剥がすんだけど、うまく剥がれなく残っちゃうときもあるのよ。そういう時には、スクレーパーとオイルストーンが必須。

デイトナ(Daytona) バイク用 スクレーパー 13mm ガスケット ステッカー はがし 61799

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デイトナ(Daytona) バイク用 オイルストーン 砥石 #400 47569

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バイクを横倒しにするので、マットも必須。

ダートフリーク(Dirtfreak) レーシングフロアマット ミリタリー 100cm × 220cm メンテナンスマット

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このレーシングマット、表面はもちろん傷つきを防止してくれるんだけど、ポイントは裏面。裏の材質がTPR素材という熱可塑性ゴムなので、もしオイルやガソリンが漏れたりしても地面に影響がでない。なので安心して作業できるよ。

画像: 必要な工具

ガソリンが少なければ良いんだけど、たくさん入ってるようならあらかじめ抜いておいた方が安全。自分はamazonでこの手動ポンプを購入。

winova 手動オイルポンプ ガソリン抜き取りポンプ 燃料移送ホース 2M 手動式 オイルチェンジャー 自動車・水槽交換用 (内径8mm x 外径10mm)

amzn.to

あと、抜いたガソリンを入れるためのガソリン携行缶もお忘れなく。

エンジンオイル交換&オイルスクリーン清掃の流れ

作業の流れ

さて、実際にやっていくよ。ちょっと工程が多いので、先に流れをおさらい。
流れとしてはまずガソリンを抜くよ。オイルに関してはこのタイミングで抜いても良いし、色々外した後でも大丈夫。

で、Rクランクケースカバーを外す時に干渉する部分を外していくのだ。

画像1: 作業の流れ

具体的には、ステップ/サイドスタンドキックペダルRサイドカバー。あとアンダーカバーも外すよ。あと、逆側だけどチェンジペダルも外しておこう。
自分の装着マフラーではエキパイの干渉がなかったけど、マフラーによってはエキパイが干渉するかも。その場合はマフラーも外しておこう。

自分の場合は、このタイミングでオイルを抜く予定。

画像2: 作業の流れ

あと、ブレーキペダルも干渉するんだけど、それはピボットカバーを外してズラすだけにしておくよ。ピボットカバーをズラすためにRサイドカバーも外すよ。

ピボットカバーとブレーキペダルをずらしたら、マットの上にバイクが傷つかないよう横倒しにしてRクランクケースカバーを開けるよ。

そしたらオイルフィルタースクリーンを取り出して清掃もしくは交換
あとはクランクケースカバーガスケットキックスピンドルのブッシュを新品にして、一通り戻そう。
最後に新しいオイルを入れれば完成。流れとしてはこんな予定。

では実際にやってみるよ。

エンジンオイル交換&オイルスクリーン清掃を実際にやってみる

ガソリンを抜こう

ガソリンが満タンに入っちゃってるので、まずは抜かねばならない。矢印の向きにしか液体がいかないようになってるので、ホースを突っ込んでガソリン携行缶に移そう。

画像1: ガソリンを抜こう

で、やってみたらどうにもうまくいかない。
何かがおかしいと思って、よくよく確認したら矢印の向きと流れる方向が逆だった。安いポンプだと結構あるあるっぽい。
とはいえ一方通行であれば用は足りるので、逆向きにしてリトライ。

画像2: ガソリンを抜こう

こんな感じ。最初だけ何度か握ればあとはどんどん入っていくよ。
携行缶が倒れないように注意するのと、欲張らず七分目くらいで留めておくのがコツ。ホースに残ってる量が結構あるので、大丈夫と思っても溢れそうになるのよね。

画像3: ガソリンを抜こう

満タン状態から約2.5リットルくらい抜いてこんな感じ。残量2目盛り。
用意したのが1リットルの携行缶だったので車に移したりとなかなかに大変だった。3リットルくらいの携行缶があると楽そう。

画像4: ガソリンを抜こう

キックペダルを外そう

ガソリンを抜いたので、次はクランクケースまわりの干渉するパーツを外していくよ。
まずはキックペダル。自分はカビィのすっきりキックアームにしてるのでボルト二面幅10mmだけど、純正は12mmの工具で外せるよ。

画像: キックペダルを外そう

アンダーカバーとパイプ下側のボルトを外そう

次はアンダーカバー。5mmの六角棒レンチで4カ所のボルトを外すだけ。

画像1: アンダーカバーとパイプ下側のボルトを外そう

アンダーカバーを外したら、アンダーカバーパイプの下側を留めているボルトを12mmの工具で外そう。これ外さないとステップが外せないからね。

画像2: アンダーカバーとパイプ下側のボルトを外そう

ステップを外す

ステップを外す前に、サイドスタンドのセンサーを8mmの工具で外しておこう。
自分は外し忘れてて、ステップの締結ボルトを全部外した後、ステップ抜くとこで気づいた。

画像1: ステップを外す

センサーを外してからステップ/サイドスタンドの取り外し。4カ所のボルトで締結されてて、工具は12mm

画像2: ステップを外す

4カ所のボルトを外したら、ブレーキペダルの合間を縫うように抜くことができるよ。

エンジンオイルを抜こう

自分はここでエンジンオイルを抜くけど、一番最初に抜くのがより良いタイミングかも。オイルパンを車体下に入れて、ドレンボルトを外してオイルを抜くよ。

画像1: エンジンオイルを抜こう

純正ドレンボルトであれば17mmの工具。自分は油温計のセンサーがついてるので、フレアナットソケットを使ってる。

画像2: エンジンオイルを抜こう

工具で緩めたら、あとは手で押すようにしつつ、ここぞというとこでスッと抜こう。

画像3: エンジンオイルを抜こう

オイルが出切ったら、ドレンボルトは戻しておいてね。ついでに、ドレンワッシャーも新品にしておこう。

画像4: エンジンオイルを抜こう

規定トルクは24.0Nm

画像5: エンジンオイルを抜こう

Rサイドカバーを外そう

Rピボットカバーを外すためには、Rサイドカバーを先に取らないといけない。固定爪を折りがちなので、お気をつけて。

プラスネジをスタビライザーで外そう。

画像1: Rサイドカバーを外そう

そしたら、プッシュリベットも外すよ。

画像2: Rサイドカバーを外そう

あとは固定爪を折らないように気を付けつつ、丁寧に外そう。

Rピボットカバーを外して、ブレーキペダルをズラそう

Rピボットカバーは、上のでっかいナットが19mmの工具、下のボルトは12mmの工具

画像1: Rピボットカバーを外して、ブレーキペダルをズラそう

上のピボットナットはかなりしっかり締まってるので、ブレーカーバーがあると外しやすいよ。

画像2: Rピボットカバーを外して、ブレーキペダルをズラそう

そしたらピボットカバーがブレーキペダルごと動かせるようになるので、ブレーキペダル後端についてるスプリングをスプリングフックで外しつつ、邪魔にならないよう垂らしておこう。

画像3: Rピボットカバーを外して、ブレーキペダルをズラそう

傷つかないように倒そう

いよいよ横倒しにするよ。ドーンといくと壊れたりハンドルが曲がったりするのでゆっくり丁寧にね。毛布とかクッションがあればそういうのでさらに保護するのも全然アリ。

試しに一度倒してみたら、シフトペダルだけで支えることになりそうだったので、シフトペダルも外しておくよ。自分はZETAのリボルバーシフトにしてるけど、純正シフトは10mmの工具で外せるよ。

画像1: 傷つかないように倒そう
画像10: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

チェンジペダル外すのは正解ですね。

左に倒すとペダルが地面に接触しますよね。つまりペダルが動いた状態になってるので、カムの位置がズレてしまうんですよ。
ですので、チェンジペダルを外すのは必須です。

シフトペダルを外してもう一度。今度は割としっかりと支えられてる感じ。

画像2: 傷つかないように倒そう

センタースタンドの踏み込む部分で支えられてた。

画像3: 傷つかないように倒そう

ハンドルはZETAのアントラーガードをつけてるんだけど、車体を支える強度はないのでちょいと曲がって逃げてる感じ。

画像4: 傷つかないように倒そう

ここまできたらやっとRクランクケースカバーを外せるよ。

Rクランクケースカバーを外そう

10カ所のボルトで締結されてるので、ひたすら外していくよ。結構奥まってるのでTハンドルがあると楽。工具は8mm

画像1: Rクランクケースカバーを外そう

前側の2カ所は配線保持具が付いてるので、戻す時に忘れないように。

画像2: Rクランクケースカバーを外そう

ボルト10本外したらRクランクケースカバーを外そう。自分の場合は全然外れなかったので、ゴムハンマーでポコポコ叩いたりしてなんとか取れた。

古いガスケットを外そう

無事に外すことができてこんな感じ。
横倒しにしてるので、クラッチカムプレートやらなんやらもそのまま残ってるけど、車体を立てて作業するとクラッチカムプレートやボールリテーナーやらがぽろぽろ落ちてっちゃうのよね。

さて、ガスケットが綺麗に外れると良いんだけど、バッチリ固着してた。

画像1: 古いガスケットを外そう

残った古いガスケットをスクレーパーで剥がして、一通り剥がしたらオイルストーンで面をならしていくよ。

画像2: 古いガスケットを外そう

手で剥がしたり。

画像3: 古いガスケットを外そう

スクレーパーで剥がしたり。

狭いところは非常に大変。プロは専用工具を自作したりするらしいけど、手元には普通のスクレーパーしかないので、ひたすらがんばる。
もっと小さくてハンドル部の小さいスクレーパーもあると良いのに。

画像4: 古いガスケットを外そう

かけらがクランクケース内に落ちたりしたら、随時拾っていこう。

画像5: 古いガスケットを外そう

クランクケースカバー側もお忘れなく。こっちは非常に剥がしやすくて楽しい。
一通り剥がしたらオイルストーンにオイルを浸み込ませて、優しく面を整えていこう。

画像6: 古いガスケットを外そう

オイルスクリーンを交換しよう

いよいよ今回の本題。オイルフィルタースクリーン。ラジオペンチで引っこ抜くよ。抜く時に向きを確認しておいてね。ピラピラしたゴムの縁が付いてる方が上。で、断面が薄くなってる方がエンジン側

画像1: オイルスクリーンを交換しよう

破れてはいなかったものの、ばっちり汚れがたまってた。ちゃんと仕事してたのね。素晴らしい。

画像1: ハンターカブJA55のオイルフィルタースクリーン交換とオイル交換をやってみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.345〉
画像2: ハンターカブJA55のオイルフィルタースクリーン交換とオイル交換をやってみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.345〉

洗って使っても良いけど、今回は高品質な新品にするのだ。

画像2: オイルスクリーンを交換しよう

向きに注意しつつ新品のオイルフィルタースクリーンを奥まで差しこもう。

画像3: オイルスクリーンを交換しよう

古いキックスピンドルのオイルシールを外しておこう

キックスピンドルのオイルシールも外しておくよ。
クランクケースカバーを傷つけないように古いオイルシールを外すよ。かなりしっかりとはまっててなかなか取れない。最終的にラジオペンチで抜いた。

画像: 古いキックスピンドルのオイルシールを外しておこう

新品ガスケットを付けてRクランクケースカバーを閉じよう

オイルフィルタースクリーンを新品にして、古いガスケットも除去。面も綺麗に仕上げたら新品のガスケットを付けるよ。クランクケースの断面にオイルを塗っておくとずれにくくて良いかも。

画像1: 新品ガスケットを付けてRクランクケースカバーを閉じよう

クラッチカムプレートやボールリテーナー、ブレーキプレートやらを正しい位置にしておかないとRクランクケースカバーが閉まらないので、ここは慎重に作業してね。

画像2: 新品ガスケットを付けてRクランクケースカバーを閉じよう

横倒しにしてたおかげでカムプレートとかはズレないはずなんだけど、それでも3回くらい挑戦してやっと閉じることができた。

そしたら10カ所のボルトで締結。まっすぐ平行に装着したいので対角線に付けていくよ。
締結トルクがバラバラだとオイル漏れの原因になりそうなので、一応トルク管理も。10Nmで締めておいた。

画像3: 新品ガスケットを付けてRクランクケースカバーを閉じよう

キックスピンドルのオイルシールを装着しよう

さっき外したキックスピンドルのオイルシールを新品にしよう。

画像11: M&Fカビィ 代表 影山さん

M&Fカビィ 代表 影山さん

キックスピンドルのオイルシールは、Rクランクケースカバーを車体に装着してからの方がリップのめくれを防止しやすいですよ。

あと、オイルシールを傷めないように、キックスピンドルのセレーションにテープを巻いて養生しておくとリスクを避けることができますよ。

自分は車体に装着する前にはめちゃったので、写真ではRクランクケースカバーが外れた状態。

カビィさんのプロ技を参考にキックスピンドルを養生し、クランクケースカバーを装着してからリップがめくれないように慎重にはめ込むのがより良さそうなので、これからやってみる人は注意してね。

手で十分はめられるので斜めに入らないよう、まっすぐ押し込もう。

画像1: キックスピンドルのオイルシールを装着しよう

外す前の状態。これくらいのツラまではまってれば良いはず。

画像2: キックスピンドルのオイルシールを装着しよう

プロ技を使わなかったのでリップのめくれが心配。しばらくはキックスピンドル周辺からオイルチビリしてないかチェックするようにせねば。
だめだったらまたクランクケースカバーを外さねば。

Rピボットカバーを付けたり車体を起こしたり

無事にRクランクケースカバーを閉じたら、Rピボットカバーを仮止め。スプリングフックでブレーキスイッチのスプリングを付けるのをお忘れなく。

画像1: Rピボットカバーを付けたり車体を起こしたり

そしたら車体を起こしてRピボットカバーを本締め。ピボットナットの規定トルクは54.0Nm

画像2: Rピボットカバーを付けたり車体を起こしたり

オイルを入れよう

車体を起こしたので、オイルを入れるよ。
注油量は通常のオイル交換なので700ml。JA65のオイルフィルター交換だと注油量増えるけど、オイルフィルタースクリーンの場合は変わんないみたい。暑さも落ち着いたので300Vにするのだ。

画像1: オイルを入れよう

ついでに、オイルフィラーキャップのOリングも新品に交換しておきたい。

画像2: オイルを入れよう

オイルレベルゲージでオイル量を確認。オイルレベルゲージのOリングも新品にしておきたいね。

画像3: オイルを入れよう

ステップとかの外したパーツを戻そう

あとは、ステップ/サイドスタンドや、アンダーカバー、キックペダルなどを取り付け直して完成。サイドスタンドのセンサーもね。そうそう、抜いておいたガソリンも戻しておこう。

色々外しただけに、各部の締結チェックとかスプリングのチェックをあらためてしておくと良さそう。

まとめ

工程を追っていったらやたら長くなっちゃったけど、一般的な工具にトルクレンチがあればほとんどできるよ。余分に必要なのはピックツールとかスクレーパー、オイルストーンじゃないかな。少なくとも自分はその3点については新規に購入したし。

オイルフィルタースクリーンもキックスピンドルのブッシュも新品になって、気持ちもスッキリ。
ただ、Rクランクケースカバーの取り付けとか、正直めんどくさい部分もあるので、難しそうだったらホンダディーラーやバイクショップにお任せするのも全然アリよ。

レポート:若林浩志

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