2025年7月15日から17日にかけて、オーストリアのレッドブルリンク・サーキットにてMotoGP第13戦オーストリアGPが行われた。サマーブレイク明けのレースとなる今大会は、シンプルなレイアウトながら起伏が激しく好みがわかれるレッドブルリンク。Moto3クラスはランキングトップのホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)を誰が止めるかに注目が集まる中、鈴鹿8時間耐久ロードレースで1000ccバイクを経験した山中琉聖(FRINSA-MT Helmets-MSI)が魅せた。

激しい混戦を戦い抜いた山中が2位表彰台!

前日に行われた予選では、バレンティン・ペローニ(Red Bull KTM Tech3)が初のポールポジションを獲得。これ以上ルエダにポイント差を離されたくないアンヘル・ピケラス(FRINSA-MT Helmets-MSI)が2番グリッド、山中はQ2で転倒があったものの3番グリッドを獲得している。ランキング首位のルエダは8番グリッド、古里太陽(Honda Team Asia)は山中と同じくQ2からの出走となったものの、最終的に15番グリッドからのスタートとなっている。

気温22度、路面温度31度のドライコンディションのなか、20周の決勝レースがスタート。

2番グリッドスタートのピケラスがホールショットを奪い。ペローニ、マキシモ・キレス(CFMOTO Gaviota Aspar Team)、山中と続く。

上位4台はペースが良く、早くも集団から抜け出す格好となり、トップグループとセカンドグループの差は早くも広がっていった。

ポジションを入れ替えながら周回を重ねるトップ集団は、キレスが中心となりバトルを展開。山中も8周目にキレスをパスしトップに躍り出る。

画像: 先頭に出てレースを引っ張る場面も見られた。

先頭に出てレースを引っ張る場面も見られた。

しかし、ルーキーのキレスは週末を通して速さがあり、2周後には再びトップに浮上。ペースの良いおキレスがトップに立ったことでトップ集団のラップタイムも上がっていくが、トップグループのバトルが白熱したことと、セカンドグループのラップタイムが上がったことで、残り3周で2つのグループが1つの集団となった。そのセカンドグループの先頭を走るのが、予選15番グリッドから追い上げてきた古里だった。

残り2周、キレスが接触でコースオフするなど激しさが増す優勝争い。ピケラスがトップに立ち、ダビド・ムニョスが2番手、古里が3番手、山中4番手という順位で最終盤に突入した。

ピケラスが今季3勝目に向かってひた走る中、2番手争いが激化。4番手の山中がターン9で一瞬の隙を突き2台抜きで2番手に浮上した。

トップのピケラスがトップチェッカーを受け今季3勝目を挙げた。山中は最終コーナーでムニョスを抑えきり2位でフィニッシュ。自己最高位を更新し、今季2度目の表彰台獲得となった。

画像: チームメイトに続き2位でチェッカーを受けた山中。

チームメイトに続き2位でチェッカーを受けた山中。

3位にはムニョスが入り、表彰台争いを演じた古里は最終的に6位でチェッカーを受けている。

ランキング首位のルエダは苦戦を強いられたがそれでも5位でフィニッシュ。ランキング2位のピケラスが優勝したものの、両者のポイント差はまだ71ポイント差を大きい。ランキング3位には今年覚醒したムニョスがつけ、そのムニョスと同ポイントで並んでいるのがルーキーのキレスだ。年齢制限のルールにより、開幕4戦は出場できていないキレスだが、このハンデをしてランキング4位は末恐ろしいというほかない。

ルエダの強さが光るなかでも毎戦熾烈なバトルが展開されるMoto3クラス。次戦は初開催となるハンガリーのバルトンパーク・サーキットが戦いの舞台となる。前半セクターは低速の切り返しが多く、コース幅も狭いため、接触の可能性は十分にある。ましてや血気盛んなMoto3クラスのライダーたちによるレースとなればなおさらだ。

注目の初開催となるバルトンパーク・サーキットで行われる第14戦は8月22日から24日にかけて行われる。

2025 Moto3 第13戦オーストリアGP 決勝結果

画像: ランキング上位のピケラスとムニョスに割って入り、表彰台を獲得してみせた山中。

ランキング上位のピケラスとムニョスに割って入り、表彰台を獲得してみせた山中。

画像: resources.motogp.com
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レポート:河村大志

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