世界中で高い評価を得ている日本の4大メーカーは各国でさまざまなモデルを展開していますが、中には日本ではなかなかお目にかかれない珍しいモデルも数多く存在します。ということで、毎週火曜日に“知る人ぞ知る”激レアモデルを紹介するこの連載企画。4回目はホンダのサハラ300。コレ、南米では「名車」と謳われた大人気アドベンチャーの新世代モデルなのです!

初代アフリカツイン由来の「名機」がルーツ

画像: Honda SAHARA300 販売国:ブラジル、ペルー、コロンビア等 総排気量:293.5cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:859mm 車両重量:147/149kg 現地価格:2万9580~3万1290レアル ※約78万7431円~83万2952円  www.honda.com.br

Honda
SAHARA300
販売国:ブラジル、ペルー、コロンビア等

総排気量:293.5cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:859mm
車両重量:147/149kg

現地価格:2万9580~3万1290レアル
※約78万7431円~83万2952円

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今回ご紹介するホンダの「サハラ300」は、2024年にデビューしたばかりの新進気鋭のニューモデル。メインとするのはブラジル市場ですが、コロンビアやペルーなど、南米の他の国でも展開されるモデルです。ご覧いただければ分かるように、このサハラ300はアドベンチャーカテゴリーに入る機種になります。

コンパクトなボディで全長は短めなのですが、高さがあるため、写真で見るとまるで縦の縮尺をまちがえてしまったかのように見えますが、シート高が859mm、最低地上高が269mmと聞けばナットク。フロントも21インチですし、デュアルパーパスに迫るオフロードポテンシャルを備えていそうです。

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ご覧のように、イメージ写真もオフロードが中心ですが、それもそのはず。実は「サハラ」というペットネームは、日本でこそあまり耳にしませんが、南米ではかつての人気ブランド。その名前はダテじゃなかったのです。

画像: Honda NX350 SAHARA(1990) www.honda.com.br

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NX350 SAHARA(1990)

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まだ「アドベンチャー」というカテゴリーが誕生する前。ホンダはパリ・ダカール・ラリーにワークスマシン「NXR750」で参戦、1986年から1989年にかけて2輪部門で4連覇を飾ります。そのテクノロジーをフィードバックした市販車として登場したのが、1988年に登場した初代アフリカツイン・XRV650。1990年には排気量を拡大してXRV750に進化します。

そんなアフリカツインのDNAを受け継いだミドルモデルとして、1990年から南米を中心に展開されたのがNX350サハラでした。「サハラ」とはもちろんサハラ砂漠のこと。スタイリングは見ての通り、アフリカツインやトランザルプの正統な弟分、といったデザイン。

コンパクトで扱いやすいサイズにまとめられた車体には、本格トレールモデルのXLX350譲りの粘り強い空冷シングルが組み合わされ、防風効果に優れたカウルも装備。オフも走れて、ツーリングも快適という、ステージを選ばないオールラウンダーとして、サハラはたちまち大ヒット。最終的には1999年まで販売される、立派なロングセラーになったのでした。

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その後ブラジルでは後継モデルとしてXRE300が登場します。こちらは空冷のDOHCエンジンを搭載したアドベンチャーで、これが新型サハラ300の母体となりました。そのせいか、コロンビアでは今回の新型サハラ300に「XRE300 サハラ」という名称が付けられています。まあ、とにもかくにも、かつてみんなが愛した「サハラ」の名前が実に25年ぶりに復活したわけです。

「あのサハラが帰ってきた!!」

と南米のファンは大喜び。2024年のデビュー時には発表会がネット中継され、南米の各メディアもこぞって試乗速報レポートを展開しています。

上の写真はプロモーションビデオの一場面ですが、NX350サハラを愛するお父ちゃんが息子にサハラで走った青春時代の思い出を語り、そして今、新型サハラ300を駆る息子とともに走り出す…という、ハートウォーミングなストーリー仕立てになっています。これだけでも、ホンダの力の入れようがうかがえるというモノです。

さすがブラジル生まれ。ガソリンにもエタノールにも対応

話を戻しましょう。サハラ300は3グレード構成になっておりまして、最上位グレードは「アドベンチャー」と呼ばれています。大きな専用デザインのフロントカウルが付き、ウインドスクリーンとフロントガードパイプも備えています。

一方の「スタンダード」はフロントカウルが非常にコンパクトになり、シュラウド形状もアドベンチャーとは異なるものが用意されています。もう一つのグレードは「ラリー」なんですが、これは「スタンダード」の色違いのようです。

画像2: www.honda.com.br
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先ほど、XRE300が母体になった、と書きましたが、XRE300をベースとしているのは車体関係で、エンジンは別物です。XREは空冷のDOHCシングルでしたが、サハラ300は同じ空冷でもSOHCシングルが採用されています。

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パワーは24.8HP。ちなみにブラジルではガソリンの他にエタノール燃料も使用されており、当然ながらこのエンジンもガソリン、エタノール両方に対応しています。エタノールを使用すると、ほんの少しパワーが向上し、24.8→25.2HPにアップします。

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燃料タンク容量は13.8リットル。ハンドルはブレース付きのワイドなバーハンドルを採用しています。ウインカーはLEDで、急ブレーキで速度を落とした時に点滅で後続に知らせるエマージェンシーストップシグナル機能も備わっています。

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メーターはLCDデジタルで、大きな文字のスピードメーターの左には、中央にギアポジションインジケーターをレイアウトした円形のタコメーターが備わります。メーターナセルの形状は異なりますが、液晶部分のデザインは、前モデルのCBR400Rなどに近いものとなっています。

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アドベンチャーモデルらしく、アクセサリーの装着を視野に入れており、USB-Cタイプの電源ソケットも標準装備しています。この写真だとドコに配置されているのかわかりませんが…。

ホンダ「サハラ300」のバリエーション・人気投票

先ほども書きましたが、サハラ300のバリエーションは3グレード構成。最上位の「アドベンチャー」はシャンパンゴールドのボディカラーと専用グラフィックがあしらわれ「ラリー」のカラーはまるでアフリカツインのようなグラフィックをあしらったレッド。「スタンダード」はシックなシルバーで、ボディワークは「ラリー」と同様なようです。

ちなみに「アドベンチャー」と「スタンダード」の価格差は、日本円で約4万5521円。意外に価格差が少ないので、ツーリングユースメインの人は「アドベンチャー」を選ぶ方が、装備的にもお買い得かもしれませんね。

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    ラリー
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    スタンダード
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投票ありがとうございました。

オフロードもオンロードもオールマイティに楽しめて、時にはふたりの大切なひとときを演出するタンデムツーリングも楽しめる(その割にはイメージカットの場所が殺風景な気もしますが…)アドベンチャーモデルのサハラ300。

日本にはNX400もありますし、このサハラ300が正式導入される可能性は残念ながらほぼないでしょうけれど、このサイズ感とパワースペックを見ていると、日本の道を走らせても相当楽しそうな予感がします。チャンスがあれば、ぜひ一度乗ってみたいものですね。

ホンダ「サハラ300」の主なスペック・価格

全長×全幅×全高2193×829×1270mm
ホイールベース1425mm
最低地上高269mm
シート高859mm
車両重量147/149kg
エンジン形式空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
総排気量293.5cc
ボア×ストローク77×63mm
圧縮比9.3
最高出力18.2kW(24.8HP)/7500rpm
最大トルク26.5Nm(2.7kgf・m)/5750rpm
燃料タンク容量13.8L
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式(前・後)Φ256mmシングルディスク・Φ220mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)90/90-21M/C 54S・120/80-18M/C 62S
乗車定員2人
現地価格2万9580~3万1290レアル(※約78万7431円~83万2952円)

ホンダ「サハラ300」の動画・写真

画像: Ela está voltando | Nova Sahara 300 www.youtube.com

Ela está voltando | Nova Sahara 300

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画像: Nova Sahara 300 • Já chegou inesquecível www.youtube.com

Nova Sahara 300 • Já chegou inesquecível

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